こんにちは、まちかね太です。
4月24日の大井11レース・農林水産大臣賞典羽田盃(リアルスティール賞)(Jpn1・ダ1800)に、広尾サラブレッド俱楽部での出資馬アンモシエラが出走しました。
今年から整備されたダート三冠初戦の出走馬に出資馬が名を連ねてくれるとは、望外の喜び。
アンモシエラへの出資時にはダートでの活躍を殊更に意識していたという訳でもないので尚更です。
制度変更初年度となる今年の羽田盃には(主に地方馬の回避により)出走頭数が揃わず、また世代のダートトップホースとして衆目が一致するフォーエバーヤングが海外遠征を選んで国内三冠ロードを無視して進んでいることなどから、質量ともに内容がGI級レースには相応しくないなどとの厳しい声も多く聞こえる状況となりましたが、そんなことは出走してきた馬たちには関係ありません。
中央馬4頭は早期から三冠戦線に目標を定め、運もあるでしょうが何よりも実力を以ってトライアルで出走権をもぎ取ってきた馬たち。
地方馬4頭は強敵に臆さず、正面から立ち向かう事を選んだ馬たち。
彼ら彼女らに誹りを受けるような理由は何一つありません。
願わくば、誰が勝利したとしてもその栄光を正当に称賛されますように。
そしてその称賛を受けるのが、群雄の中に紅一点で挑む我らがアンモシエラであることを祈って。
熱砂の嵐、
乱世に吹き荒れよ!
以下、新世代の砂の女王誕生を願って見ていたレースのレポートです。
出走馬プロフィール・アンモシエラ
アンモシエラ
(牝3・ブリックスアンドモルタル×サンドクイーン by ゴールドアリュール)
栗東・松永幹夫厩舎

ここまでの戦績:8戦3勝(3・2・0・0・1・2)
1着-ブルーバードC(Jpn3)
2着-京浜盃(Jpn2)
前走:3月20日・京浜盃(Jpn2・大井・ダ1700)2着(→レース記事はこちら) 中4週
レースまでの状況
前走の京浜盃で2着とし羽田盃の出走権利を得た後は、栗東に戻ってそのまま在厩で調整。
と言っても前走直後の時点では羽田盃出走を明言されていたわけではなく、「レース後の馬の状態をよく確認した上で慎重に考えていく」というコメントが出ていました。
前々走ブルーバードC出走時に大きく減っていた馬体重が、中間の外厩在厩時にはそれなりに回復していたにもかかわらずレース本番では結局そのままだったことや、レース内容が勝ち馬サントノーレから7馬身千切り捨てられる完敗だったことなどが理由でしょう。
しかしレース後最初の近況更新となった3月28日のレポートで、レース後の反動は無く回復も順調ということで、羽田盃へ向けて調整を進めて行くと発表されました。
「放牧明けを使っての上積みも見込めるかと思いますし、暖かくなってくるのもいいはず」「牝馬ですが、本馬にだってチャンスはあるのではないでしょうか」(松永幹師)との調教師コメントも出ており、色気は充分ありそうです。
心強きお言葉!
自分は元々三冠積極参戦肯定派なので、この選択には諸手を上げて賛成します。
馬体重回復を重視しての関東オークス直行でも納得はしましたが、見る夢は大きな方が楽しいので。
三冠戦線に挑戦できる出資馬がこの先も現れる保証はありませんからね!
その後アンモシエラはプールと坂路中心の調整を重ね、4月14日には坂路一杯50.7-37.2-24.3-12.5 を計時するなど順調に日々を過ごしていきます。
ただし鞍上は、前2走で手綱を取ってくれていた坂井瑠星騎手から横山武史騎手に変わることが決まりました。
坂井騎手がフォーエバーヤングで挑戦するケンタッキーダービーの調教の為に渡米するスケジュールと羽田盃の日程がブッキングしてしまったようです。
是非もなし。
残念ではありますが、横山武史騎手ならG1級レースに臨むパートナーとして不足は無し。
頑張っていただきましょう!
ちなみに坂井騎手の羽田盃近辺のスケジュールは、4月20日府中で騎乗→21日京都で騎乗→24日ケンタッキーで調教騎乗→27日京都で騎乗→28日香港で騎乗、というもの。
メタボオヤジの私ならマストダイな過密日程ですな……。
アスリートって凄い!
各地での健闘と健康を祈ります!
さて閑話休題。こうしてアンモシエラの羽田盃への出走準備は進んでいき、無事出走も確定。
レースへの最終的な出走頭数は8頭となりました。
中央馬は雲取賞・京浜盃で権利を取った4頭がそのまま全馬駒を進めてきて既定の枠が埋まりましたが、地方馬がサントノーレの故障などもあり頭数が揃わず、日本のG1級レースとしては寂しい頭数に。
まあこのあたりは制度実施の初年度ですから、トライアンドエラーもここから始まると考えれば已む無き事。
何事も最初から完璧に行くとは限りませんからね。
千里の道も一歩から!
主催者サイドは来年以降、今回の状況を踏まえて善後策を講じてくれることでしょう。
なんにせよ、今年の出走馬たちにとっては今年の状況が全て。いかにこの状況を自分の有利に繋げられるかというところ。
出走馬8頭中、予想段階で人気を集めているのはやはり中央馬の4頭。
その中でも、雲取賞組の2頭が中心視されています。
雲取賞を制覇してきたのはブルーサン(父モーニン)。
雲取賞当時は2勝目を挙げたばかりで抽選を突破しての出走でしたが、見事な逃げでカトレアS勝ち馬アマンテビアンコや全日本2歳優駿2・3着馬のイーグルノワール・サントノーレを完封。
単騎逃げを打てた時の粘り腰は特筆モノで、ここでも当然ハナを奪っての逃げ切りを目論むでしょう。
雲取賞で2着だったのはアマンテビアンコ(父ヘニーヒューズ)。
前走ではブルーサンに2馬身差を付けられましたが、スタートで落馬寸前の躓きをしながら盛り返してのもの。
マトモならもっとやれたとの見方は強く、今回の評価ではブルーサンをも上回り1番人気に推されそうな勢い。
前走までの鞍上ルメール騎手が負傷中の為乗り替わりとなりますが、それも交流重賞を勝ちまくっている川田騎手なので不安点とはならないはずです。
一方、サントノーレ(雲取賞では3着)に千切られてきた京浜盃組は明確に雲取賞組よりも評価が落ちる様子。
ただ、京浜盃で3着だったハビレ(父ヘニーヒューズ)は、当時1角での不利もあったことから先着されたアンモシエラとの差はあまり無いとの見方が大きそう。
アンモシエラにも不利はあったんですけどね?
地方馬はサントノーレやダテノショウグンの故障やウルトラノホシの出走断念などがあり数が揃いませんでしたが、前哨戦で優先権を得て無事だった馬たちはそのまま正面から立ち向かってきました。
雲取賞5着のフロインフォッサル(父ドレフォン)。
京浜盃5着のティントレット(父ホッコータルマエ)。
スターバーストC覇者マッシャーブルム(父モーニン)。
クラシックチャレンジ覇者ムットクルフェ(父トビーズコーナー)。
中央勢に比べると予想段階での評価はおしなべて低いものに留まっていますが、全馬が南関東所属馬という事で地元のレース。
川崎記念をライトウォーリアが制したばかりという事もあり、一角崩し以上を狙ってくるでしょう。
油断は大敵です。
以上のようにライバルたちはタレントぞろい。
とはいえ、紅一点となるアンモシエラとて才能では劣っていません。
中央馬の中では評価が低いアンモシエラですが、出資者目線から見れば前走からの距離延長は確実にプラス、叩いての上昇も見込め、ナイター競馬も経験済み(中央の雲取賞組は初めて)と、いくらでも好走率が高まりそうな条件は思いつきます。
また相手についても、ブルーサンは逃げられなかった時に脆く(自分は出資馬ホルトバージがブルーサンに先着したレースで実際に体感しています)、ハビレは距離が延びて良いイメージは無く、この2頭に対しては明確に勝てる展開も思い描けます。
アマンテビアンコもスタート不安がありますし、距離もベストよりはやや長いのでは。
地方馬も含め、アンモシエラが逆立ちしても敵わないような相手はいないはずです。
そもそも、牡馬相手のJpn3勝ち・Jpn2連対という実績は普通にメンバー中最上位。
充分やれるはず!
アンモシエラの枠は1枠1番に決まりました。正直あまり歓迎できる枠ではありませんが、スタート後すぐコーナーを迎える1700で大外だった前走よりはなんぼかマシでしょう。
出遅れずにすんなり先行して、もちの木賞の時のような速め先頭押し切りが出来れば理想です。
さあいざ一冠目へチャレンジ!
男どもを吹き飛ばし、女王戴冠といきましょう!
レース内容
レース当日は天候が崩れてしまい、雨が降りしきる中での開催。11レース時点の馬場は不良。
アンモシエラは前走比プラス1キロの477キロで登場。
結局今回も馬体重は前2走とほぼ変わりませんでしたが、誤差の範囲内とはいえ一応プラス体重ではあります。
雨に濡れて毛艶もよくわかりませんが冬毛は抜けているようですし、状態は悪くないはず。
ヘドバンしながらパドック周回しているのも毎度のことですし、自分の力は発揮できるでしょう。
単勝最終人気はアマンテビアンコ2.1倍、ブルーサン2.3倍で双璧という形に。やや離れた6.0倍でハビレ。
アンモシエラは前売り段階では3番人気を長くキープしていましたが、最終的に8.4倍の4番人気に落ちました。
ナメられてるなあ……
なお、地方馬はティントレットの22.7倍が最高。
事前には少頭数で盛り上がらないとさんざん言われて来ましたが、結構な雨に降られたにもかかわらず現地の客入りはしっかりあった様子。
ファンファーレでひとしきり盛り上がり、各馬続々ゲートイン。
枠入りは順調。最後に大外ブルーサンがゆっくりゲートに向かい、すんなり収まります。
ゲートオープン!
ヨシ!
ゲートが開く直前に少しガチャついていて心配したアンモシエラでしたが、ややアタマを高めにはしているもののなかなかいいスタート。
鞍上が少し気合を付け、最内からそのままスルスルと一気に先頭へ。
ただし当然簡単にハナを奪えるはずもなく、外から猛然と迫ってきたのは6番ティントレット。大外ブルーサンもハナ争いに加わるべく前へ向かってきています。
どうする!?
アンモシエラ、譲らない!
そのまま1角まで並走すると、コーナーワークで外の2頭から一歩先んじ単騎で先頭に立ちます。
それでもティントレットは半馬身差でピッタリ食らいついてきていますが、大外を通ったブルーサンは更に1馬身遅れの3番手に。
そしてその形のまま向こう正面へ入ります。
よっしゃ潰した!
この時点でブルーサンは(自分の中では)勝ち負け圏内から去りました。
もう1頭の有力馬アマンテビアンコは、前3頭から3馬身ほど遅れた4番手を1頭だけで追走。
その後にハビレ、ムットクルフェが続き、少し離れてマッシャーブルム、大きく離れた最後方がフロインフォッサルという展開。
ハナを奪ってブルーサンに引導を渡したアンモシエラですが、向こう正面ではティントレットがクビほどまで差を詰めて競りかけてきており、自分も決して楽な形ではありません。
大丈夫か~?
3角手前ではほとんど馬体を併せられましたが、3角のコーナーワークでまたアンモシエラが前へ。
後続も全体的に徐々に前へ詰めてきており、前の2頭から2馬身後ろにフロインフォッサル以外の5頭が固まるような形に。
その中から外目を通ったアマンテビアンコがスッと抜け出し、前の2頭に迫りながら4コーナーへ向かいます。
4コーナー手前、ティントレットは苦しくなり、ムチが入るも応えられずに後退開始。
一方アンモシエラは手応え充分。単騎2馬身抜け出し、先頭で直線に向きます!
これはイケるぞ!
ムチも入り、最後の踏ん張りどころ!
アンモシエラ逃げる逃げる!
追いかけてくるのは白い馬体だけ!
しかしジリジリ、ジワジワその差が縮まってきた!
アンモシエラ逃げる!
アマンテビアンコ、1馬身後ろまで迫る!
ゴールはまだか!?
アンモシエラの体にアマンテビアンコの影が映る!
ここでハロン棒、表示された残り距離は……200!
なが~い~~~~~!!
アンモシエラ、粘る! アマンテビアンコ、迫る!
差は半馬身!
ゴールは来ない!
アンモシエラ、粘る! アマンテビアンコ、迫る!
差はクビ、そして……!
ここで迎えたのはゴールではなくハロン棒、残り距離は100!
ぬおああああ~~~~
アマンテビアンコ、アンモシエラを捉えた!
そしてクビ、半馬身と抜け出していく!
くうう……
ダート三冠初年度の一冠目を制したのはアマンテビアンコ。
アンモシエラは1馬身差の2着。更に8馬身遅れた3着は最後方から追い込んだ最低人気フロインフォッサル。
以下4着ハビレ、5着ムットクルフェ、6着マッシャーブルムまでは中央・地方それぞれの規定により東京ダービーの優先出走権を獲得。アンモシエラと先陣を争ったティントレットとブルーサンは7・8着に大敗となりました。
結果
羽田盃(Jpn1)
(大井・ダ1800・不良)
横山武(55)馬体重477
2着(8頭・4人気)
所感
夢を見せてくれてありがとう!
でも悔しいい~~!!
直線入り口では本気で勝てると思いましたが、大井の直線は長かった……。
アマンテビアンコは強かったですね、敵ながら天晴れ(雨の中ですが)。
白毛牡馬初のG1級勝ち馬という事で将来の種牡馬入りの可能性も高くなり、世間的にはハッピーエンドなのでしょう。
こちらはひたすら
悔しいですがね!
とはいえアンモシエラは本当によく頑張ってくれました!
枠を考えると最良の展開に持っていけたのではないでしょうか。
ティントレットに絡まれ続けたのは厄介でしたが、ブルーサンが強引にでも逃げの手に出ていればまた違った結果になった可能性は高く、ライバルの長所を潰し自分の長所(先行力・バテないスタミナ)を活かしたいい戦術だったと思います。
前に行けたおかげか、前2走のような勝負所でのもたつきも見られませんでした。
アマンテビアンコには格好の目標とされてしまい最後に捕まりましたが、向こうから見れば後方より前方注意なのは明白だったので仕方なし。
向こうにとっても、事前に見込んでいたであろう標的がブルーサンからアンモシエラに変わっただけでやることは変わらないでしょうから、アマンテビアンコ側の戦術としても最良の展開になったのだとは思いますが。
少頭数をより活かせる形になったのもアマンテビアンコの方だったかとは思います。
今回は後方待機組に大きく注意を払わねばならない有力馬が少なかったのが、前だけを見ればいいアマンテビアンコには幸いし、注意を逸らせなかったアンモシエラには不運となりました。
それこそラムジェットあたりが出ていればまた展開の向き不向きも変わったかもしれませんが。
ま、言っても詮無き事ですな。
なんにせよ今回の力走で、アンモシエラの力ははっきり示すことが出来ました。
事前に軽く見ていた輩の鼻を明かすには十分すぎる結果だったでしょう。
砂の名族フェアリードール牝系に連なる者として、今後も大いに活躍を期待です!
この一族の牝馬は、交流重賞で活躍している馬が多いですし。
さて、この後は東京ダービーか関東オークスか……。
世論としては関東オークスで確実な勝利を狙いに行くのが趨勢なのかもしれませんが、個人的には東京ダービーに挑戦してくれると嬉しいです。
理由は羽田盃挑戦前と同じく、見る夢は大きい方が楽しいので。
既に収得賞金は充分加算しましたし、今後の地方重賞出走の為に稼ぎに行く必要もそうありませんしね。
もちろん伊達や酔狂だけではなく、勝ち筋も充分あるはず。
アマンテビアンコは東京ダービーを回避する理由が無く、ハビレ陣営は既に東京ダービーに向かう事を明言。
となれば、アンモシエラが出走した場合のJRA勢は、羽田盃のメンツからブルーサンが抜けてユニコーンS1着馬が加わった形になるでしょう。
ユニコーンSの結果次第ですが、後方待機型の馬が勝った場合は戦術的にアンモシエラに利する可能性もあります。
距離延長はアマンテ・ハビレよりもアンモシエラに有利に働く目算が高いでしょう。
今回の結果を踏まえれば、牡馬相手の世代頂点レースでも十分以上に好勝負は見込めると思います。
まあ言うだけならタダですし、
夢を見るのは出資者の権利でしょう。
もちろん関東オークスで牝馬の頂点を目指す、となっても全力で応援します。
ただ「牝馬同士なら確勝」という空気には懸念を覚えますし、「ユニコーンS組が怖いから」という意見は個人的に残念には思います。
競馬に絶対はなく、皆が常に100%の力を出し切れるわけでは無い以上、アップセットは常に起こり得ます。
好走確率は確かに牝馬限定戦の方が高いでしょうし、自分も勝てると信じてはいますが、「出ればまず間違いなく勝つ」という空気なのはちょっと甘すぎるように思います。
「ユニコーンS組が怖いから」はもっと論外で、それでは今回中央勢との対決を回避して批判を浴びた地方不出走組とやってることが何も変わりません。
まあ前述のように私はアンモシエラにも東京ダービー好勝負の目は充分あると思っていますので、そのあたりの見立てが違うと意見も変わるでしょうし、ファンドとしての投資効率的なものをどれだけ重視するかによってもそうでしょう。
なのであくまで異論は全然OK系の、
個人の考えです。
などと益体も無い事をつらつら並べてはみましたが、いずれにしてもアンモシエラがこの後無事でいることが前提の話。
今回は不良馬場での激走でしたし、まずはしっかりこの戦いの疲れを取って、次に向かえる状態を整えてもらえることが何より大事。
とりあえずはゆっくり体を休めて下さい!
そして次は栄光を掴もう!
それでは今回はここまで。
お読みいただき、おおきにありがとさんです。
(記事中の写真・公式情報は広尾サラブレッド倶楽部様公式HPより許可を頂き掲載しております。)