こんにちは、まちかね太です。
3月20日の大井11レース・京急電鉄賞京浜盃(Jpn2・ダ1700)に、広尾サラブレッド倶楽部での出資馬アンモシエラが出走しました。
決して状態が良くなさそうな中で重賞初制覇を飾った前走・ブルーバードC(Jpn3)からおよそ2ヵ月。
再び南関東の地で迎える重賞戦は、この先のダート三冠路線参戦を賭けての一戦となります。
前走よりもさらに手ごわいライバルたちが揃った中、紅一点で挑むアンモシエラですが、状態万全でなくとも牡馬を蹴散らし重賞を勝った実力・実績はこのメンバー中でも最右翼と言えるはず。
今ひとたび男どもを吹き飛ばし、
春の嵐よいざ羽田へ直撃せん!
以下、順当に羽田盃の権利を取ってくれることを期待して見ていたレースのレポートです。
出走馬プロフィール・アンモシエラ
アンモシエラ
(牝3・ブリックスアンドモルタル×サンドクイーン by ゴールドアリュール)
栗東・松永幹夫厩舎

ここまでの戦績:7戦3勝(3・1・0・0・1・2)
1着-ブルーバードC(Jpn3)
前走:1月17日・ブルーバードC(Jpn3・船橋・ダ1800)1着(→レース記事はこちら) 中8週
レースまでの状況
昨年末のホープフルS出走時からマイナス12キロの476キロと言う馬体重でありながら、エコロガイア以下を差し切り重賞制覇を飾った前走。
馬体減を気遣う必要もあってレース直後には次走予定が出ませんでしたが、1月24日の近況更新でチャンピオンヒルズに放牧に出たとの報告とともに「3~4月の南関東ダートクラシック戦線から再始動し、今のところは6月12日(水)川崎 関東オークス(Jpn2・ダ2100)を大目標にやっていこうかと考えています(松永幹師)」という方針が発表されました。
という事は京浜盃が
当面の目標ですね!
明言されたわけではありませんが、京浜盃で権利を取れれば羽田盃、ダメだった場合はユニコーンSなりを経由して関東オークス、という青写真だと思っていて良さそうです。
羽田盃(ユニコーンS)の結果次第では関東オークスではなく東京ダービーという目もあるかもしれません。
ダート三冠整備初年度に、いきなり出資馬が参戦できる可能性があるとは僥倖です。
とはいえ全ては馬の状態次第。
幸い外厩移動後のアンモシエラは順調で、楽をさせすぎない程度の負荷は掛けられながらも馬体重も徐々に回復。
2月7日の更新では492キロまで戻ってきていることが報告されました。
14日の近況で正式に京浜盃目標とのコメントも出ており、この回復状況なら問題なくレースに向かう事が出来そう。
体調のバロメータと言われることも多い毛艶に関しては、換毛期に差し掛かかってはいるものの未だに冬毛ボーボーで見栄えは良くないとのことですが、「動きは前回よりもいいくらい」「とても良い状態で送り出せると思います」(木村マネージャー)との外厩コメントも出ているので、状態はむしろ上がっているようです。
良き良き。
そして2月29日に栗東へ帰厩。
3月7日の近況では京浜盃の鞍上が前走に続いて坂井瑠星騎手になると発表。
ここまでタッグ2戦2勝の好相性ぶりを、今回も存分に見せつけて欲しいものです。
その後も栗東で順調に追い切りをこなし、タイムも上々。
精神面が大人になりつつあるとの調教師評も貰い、何の不安も無くレース当週を迎える事が出来ました。
京浜盃の中央馬出走枠はたったの3つ。
ここに出ない事には羽田盃への道が事実上閉ざされてしまうという事もあって出走枠争いは激しくなりましたが、前走で本賞金に1000万円を加算しているアンモシエラにとっては対岸の火事です。
厳しいローテで頑張った
甲斐があった!
という訳で問題なく出走が決まっていたアンモシエラを含め、京浜盃に出走してきたのは9頭。
中央馬3頭、地元南関東4頭、北海道2頭という構成。
アンモシエラが羽田盃に出走するには「5着以内、かつ中央馬の中で先着順の2頭」という条件を満たす必要がある為、出走権争いの直接のライバルとなるのは抽選を潜り抜けて出走してきた中央の2勝馬2頭となります。
巷の評価が高いのは、鞍上にカザフからの刺客バウルジャン・ムルザバエフ騎手を擁してきたハビレ(父ヘニーヒューズ)。
1勝馬の身で挑んだヒヤシンスS(L)で2着馬とハナ差の3着に健闘した実力と、中1週で臨んだ阪神ダ1800平場1勝C戦を勝利してギリギリ間に合った抽選を突破してきた強運の持ち主。
かなり強行軍での参戦となりますが、予想段階の印の付き方を見る限り人気ではアンモシエラを上回る勢いです。
もう1頭は前走で小倉ダ1700のくすの木賞を制してきたシークレットキー(父ドレフォン)。
距離延長で結果を出してきたノーザンF生産のシルク所属馬なのでこちらも油断は出来ませんが、前走の相手関係的な面もあってハビレ・アンモシエラよりは一枚落ちという感じの評価を受けているようです。
まずはこの2頭の少なくともどちらか一方を倒す必要があります。
また、権利取りに限らずこのレースの勝敗と言う面においては、前走より強力なメンツが揃った地方馬も手ごわいライバル。
既に羽田盃の権利を取っているサントノーレ(父エピカリス、全日本2歳優駿-Jpn1・3着、雲取賞-Jpn3・3着)とマッシャーブルム(父モーニン、スターバーストC1着)の他、ブルーバードCに続いての対戦となるブラックバトラー(父シニスターミニスター、JBC2歳優駿-Jpn3・3着)やパッションクライ(父アジアエクスプレス、サンライズC1着)など、粒ぞろいです。
出走頭数こそ少ないとはいえ、紅一点となるアンモシエラにとっては決して楽なレースにはならないでしょう。
距離もこれまでの戦いぶりからは長い方が良さそうで、前走から100mとはいえ短縮するのも良い材料では無さそう。
枠も大外となり、好走率的には悪くないものの、スタートしてから1角までの距離が短いコースレイアウトを考えると少し難しいかも。
それでも、交流重賞勝ちの実績はこのメンバー中でも一枚上。
チークピーシーズ装着後はダートで連対を外していない(それもすべて牡馬との対戦)安定ぶりも含め、優勝候補の最右翼を争うのは間違いのないところ。
権利取りに留まらず、見事勝利して欲しい!
大井の砂に
吹き荒れろ嵐!
重賞連勝を飾り、いざ三冠へ!
レース内容
レース当日は日本上空に寒気が流れ込み、2月並みの低温に見舞われることに。20:10発走となる京浜盃のパドック映像などはいかにも寒そうでした。
11レース時点の天候は曇り、馬場は良。
アンモシエラは前走と変わらず476キロでパドックに登場。
んん~?
前走からまったく増えていないのははっきり誤算。相変わらずチャカつきも目立ち、今回もパドックではあまり良くは見えません。
まあチャカつきはいつも通りといえばいつも通り。馬体重もマイナスにはどうにかならずに済み、前の馬を追い抜く勢いで大きく周回していますし、前走との比較では悪くなっているわけではないでしょうが、正直思ったほどの良化は感じられません。
前回ライバルだったバロンドールの方が圧倒的に良く見えたように、今回もハビレの方が状態は良く見えます。
結果が前走同様逆転することを願うばかり。
頼んます~!
最終的な単勝人気はハビレが1.9倍の1番人気となり、アンモシエラは3.0倍の2番人気。6.7倍のサントノーレまでが10倍以下の評価を受けました。
その後本場馬入場、輪乗りとつつがなく進行し、枠入りもスムーズ。大外アンモシエラが最後にゲートインし、準備完了。
ゲートオープン!
んん!?
アンモシエラ、やや鈍いスタート!
内枠の馬たちと比べると1馬身程度のビハインドでしょうか。
鞍上坂井騎手はすぐに手綱を大きく動かし、挽回を図るべく馬に気合を付けて前へ進んでいこうとしています。
アンモシエラもそれに応え、外から位置を上げていき前の集団と早々に合流。
ハナを奪ったマッシャーブルム、それに続いていくティントレット・サントノーレらと差のないところまで一気に上昇していきます。
しかし馬群が1角に入ろうとしたところで先行組直後の馬群がゴチャゴチャっとなってしまい、ブラックバトラーとハビレが大きく外に膨れ、内目に居たシークレットキーはバランスを崩してやや後退。
アンモシエラも少し外に膨れましたが、早めに前目に取りついていたことが功を奏してそこまで大きな影響は無かったようです。
コーナーを回る際にやや内寄りに進み、サントノーレと並ぶ3番手の位置に落ち着いて向こう正面へと入ります。
バックストレートで馬群を引っ張るのはマッシャーブルム。1馬身差でティントレットが続き、1~2馬身開いて内サントノーレ・外アンモシエラが馬体を併せて追走。
さらに3馬身ほど開いてシークレットキーとハビレが追いかけていく展開。
向こう正面はその隊列で進んでいきますが、3コーナーが近づくにつれて前4頭の間隔が少しずつ詰まり、固まりになっていこうとしています。
後方組からはハビレが早めに動き出し、前の集団の最後尾に取りつこうとする構え。
3コーナーから4コーナーへ。
マッシャーブルムにティントレットが並びかけ交わさんとしていますが、必死に粘る逃げ馬。
その後方1馬身の所で相変わらず虎視眈々と前を狙っているサントノーレとアンモシエラ、ってアレ?
ちょい待ち~!?
アンモシエラ鞍上坂井騎手の手が激しく動いているぞ!?
4角に向かう頃にはムチまで入りだした!
イヤ~!!
2度3度とムチが入っているせいか、どうにか置かれず4角を回ろうとしているアンモシエラですが、ここからどこまで脚を残せるか!?
神様~!
馬群全体も4コーナーを回り切り、直線へ!
ティントレットがマッシャーブルムを抜き去り先頭に躍り出たかと思ったのも束の間、最終コーナーで加速しアンモシエラを一気に突き放していたサントノーレがそのまま外からティントレットにも肉迫。
並ぶ間もなく抜き去り、単騎先頭に立ちます!
アンモシエラはサントノーレから2馬身ほど遅れて外目から直線へ。
更に外、直後にはハビレがもう迫ってきている!
頑張ってくれー!
坂井騎手が後ろを確認するような素振りを見せた直後、ハビレから体当たりを受けたように見えましたが、アンモシエラは並ばせず1馬身のリードをキープしたままジリジリ脚を伸ばしています!
おおおー!
頑張れぇー!!
残り200、サントノーレは完全に抜け出し独走態勢。
2番手はまだ内でティントレットが粘っていますが、アンモシエラとハビレが外からジワジワと伸び続け、ティントレットを交わしていきます。
アンモシエラ、2番手に浮上!
そのままー!!
残り100、サントノーレはブッチギリ状態でゴールへ向かって一目散。
アンモシエラは2番手を堅守。ハビレはもう脚色が変わらず、後方からはシークレットキーが追い上げて来ていますがこれも追いつかれるまでの脚色ではありません。
そしてサントノーレがゴールを通過した後、大きく離されはしたもののアンモシエラも位置を守り切ったままそれに続きました!
よーしヨシ!
優勝はサントノーレ。
アンモシエラは7馬身差の2着。とはいえJRA勢では最先着となり、羽田盃の出走権利確保に成功しました。
更に3/4馬身差の3着にはハビレが入っています。
結果
京浜盃(Jpn2)
(大井・ダ1700・良)
坂井(54)馬体重476
2着(9頭・2人気)
所感
残念は残念ですが、
頑張ってくれました!
雲取賞で3着だったサントノーレにぶっちぎられてしまった事で、前走の勝利でヒートアップしていた三冠への期待感は若干冷やされてしまったかもしれません。
しかしダートで着差が開く決着は珍しいものでもありませんし、態勢が決するのが早かったのでアンモシエラにとっての焦点は前との差を詰めることより後ろに追いつかせない事に早々にシフトしましたから、完敗した事実は認めつつも着差そのものを気に病む必要は無いでしょう。
甘いのは百も承知ですが!
むしろ、4角手前の手応えではもうダメかと思われた中で、それからも渋太く脚を伸ばし続けて2番手に上がり、なおかつハビレ以下の追撃を完封したド根性を褒めたいところ。
馬体重が戻り切らない中でのこの粘走ですから、充分称賛に値する走りだったと思います。
しかし、思えば4角手前で絶望的な手応えに見えるのは前走も同様。
昨年秋の京都での連勝時にはそんな素振りは無かったので、馬体重減で完調に至っていない証左ということになるのでしょうか……?
こうなると、次走選択が難しくなってきます。
せっかく権利を取れたことですし、胸を張って羽田盃に駒を進めて欲しいとは思っています。
同じ大井競馬場とはいえ、距離が延びた舞台の方がバテない強みを生かせるでしょう。
今回よりも条件は向いていると思いますし、「叩いて調子を上げていくタイプ」との評もありますので、次走でパフォーマンスを上げることは可能なはず。
ライバルも雲取賞の上位馬が来る以外に大きな変わりはないでしょうし、そのうち特にブルーサンは展開に注文がつくタイプで、失礼ながら付け入るスキはあります。
ハビレには今回先着していますし、「掲示板内かつ中央馬上位3頭以内」という東京ダービーの出走権利獲得も充分射程圏内にあると思います。
一方、羽田盃は4月24日施行予定。ブルーバードCから京浜盃への間隔の半分程度しか間が開いておらず、馬体の回復には懸念が生じます。
万全を期すならば、回避と言う選択もあるのでしょうが……。
難しい問題ですが……
個人的には上述の通り、羽田盃に駒を進めて欲しいと思っています。
中央馬にとってはそこまで辿り着くだけでも難しい大舞台。せっかく権利を取ったのにむざむざ捨てる事も無いと思いますし、今回の勝ち馬サントノーレがレース後故障判明してしまったように、馬がずっと無事でいられる保証はどこにも無いので、使える時に使ってほしいというのが自分の基本スタンスだからです。
とはいえ、回避して回復に注力するという選択も全然肯定できます。
その場合は関東オークス一本に絞ってじっくり調整して欲しいと思います。
その後の牝馬限定重賞戦線へ向かっていく端緒と出来ますし、それも悪くはない選択でしょう。
今回も本賞金を加算できたので、大抵の牝馬限定重賞には向こう一年は出走可能でしょうし。
ただ、中途半端にユニコーンSに使うなどと言う事はしないでほしいです。施行日が4月27日なので羽田盃とほぼ変わりません。関西圏のレースとはいえ羽田盃を回避してまで使う意味は見出せません。
……などとつらつら述べてしまいましたが、どのみち一出資者の身では陣営の選択を見守るしかないわけですが。
良き選択をヨロシクです!
さて、元々三冠参戦積極肯定派の自分が関東オークス直行も是とするようになったように、今回は熱くなっていたところを北風の神様にクールダウンさせられたような結果となりましたが、実力はちゃんと示してくれましたし、どういう路線になるとしても楽しみはまだまだ続いていきます。
次でまた熱砂の嵐に巻き込んでくれることを願って!
それでは今回はここまで。
お読みいただき、おおきにありがとさんです。
(記事中の写真・公式情報は広尾サラブレッド俱楽部様公式HPより許可を頂き掲載しております。)