こんにちは、まちかね太です。
先日、私の出資馬の1頭である広尾サラブレッド倶楽部のドンカルロ(レトロクラシック20・牡2)について衝撃の事実が判明しました。
なんと、これまで我々が「ドンカルロ(レトロクラシック20)」として募集写真や動画を見て、近況更新を楽しみに読んでいた馬は、「ドンカルロ(レトロクラシック20)」ではない全く別の馬だったというのです。
そんなことある?
昨年7月の募集開始に遡ること半年以上前、当該馬が1歳11月~12月ごろに同じ牧場で生産された別馬と取り違えられて認識票(今回の場合は頭絡)を取り付けられてしまい、そのまま入れ替わりに気づかずに(ゆえに全くの別馬がレトロクラシック20として募集された)ここまで来てしまったということのようです。
欧州の伝承にある取り替え子(チェンジリング)を地で行くようなこの事件、まさしく妖精にたぶらかされたかのような心持ちになってしまいました。
事件発生を知って公式HPを見るとドンカルロの情報はすでに全削除されており、出資口数もドンカルロ出資分だけきっちり減数されていて、ドンカルロという馬がいた痕跡がお詫び文など事件に関するものしかなくなっていたのもそんな気持ちに拍車をかけたと言えるでしょう。
長い競馬の歴史の中では空前でも絶後でもない事象ではあるんでしょうが、さすがに自分の身に降りかかることはあるまいと思っていた(というか想定すらしていなかった)ので、私は怒るとか失望するとかよりもまずはびっくりしたという感情が一番大きいですね。
もちろん出資者一人一人にとってどういう感情が先に来るかは違うと思います。
ここまで気づかなかったクラブ側に対して怒り心頭に発する方も、この件はクラブに非はないとして擁護する方も、どちらの側の気持ちも容易に想像は出来ます。
私個人としては、起きたことは重大に過ぎるミスではあるものの、ミス発表後のクラブの対応は今のところやれる範囲で誠意を示してくれていると判断しているので、静観しようと思っています。
なので、ブログに取り上げるのもやめておこうかなと思ったのですが、ドンカルロはマイ出資馬であり、これまでさんざん「期待してます」と書いてきた馬。
このブログのそもそもの趣旨が「自分の出資馬に対して、あの時自分はこう思っていたよ」という感情を残しておくことであることを考えると、スルーするのも違うかなと思いましたので、経緯と現在の感情については書き残しておこうと思います。
※なお、以下の文章には個人の感想が多分に含まれている為、資料としての価値はありません。また、状況は4/4時点のものです。仮にこの記事をもとに何らかのアクションを起こされた場合でも、生じる結果には正負かかわらず当方は一切の責任を負いません。情報は必ずご自身で精査されることをお願いいたします。
事件の経緯とあらまし
3月31日の夕方ごろ、広尾TCからメールが届いていました。
木曜日ですがマイ出資馬に当週の出走予定はなく、なんじゃらほいと思ってタイトルを見ると、そこにあったのは「レトロクラシック’20号 取り違えについてのお詫びとご報告」という一文。
ちょっと待ってちょっと待って。
ちょっと何言ってルノカヨクワカラナイヨ?
軽く混乱しながら読み進めていったメールの概要は以下。
・生産牧場(木村秀則牧場)からレトロクラシック20について馬の取り違えが発生していたとの連絡を受けた。
・レトロクラシック20はファンドとりやめ。出資金や使用済みポイントなど、これまでにかかった経費は全額返金(ポイントの場合は返還)。
・お詫びとして粗品を進呈。
・血統的に本来のレトロクラシック20については改めてコンディション等を確認し、最新の情報を提示したうえで再募集の予定。なおその際、従前のレトロクラシック20に出資していた会員が再出資を希望する場合は最優先での受付となる。
マジでっか?
今まで我々がドンカルロだと思っていた馬(以下文中では元ドンカルロと呼称)はかなり順調に調整を進めてきており、出資馬の中でも相当に期待値の高い馬だったので、それがいきなり自分と全く関係のない馬になってしまったことにまず衝撃。
血統的に本来のレトロクラシック20(以下文中でレトロクラシック20という場合はこの馬を指します)がどんな馬かもわからないのにいきなり代替する(正確には違いますが)と言われても……というのが最初に浮かんだ正直な感想。
これまでレトロクラシック20を育成してきた馬主さんや育成牧場の方々には失礼な表現ですが、元ドンカルロに期待していた身としては仕方ないと思って大目に見ていただきたい。
ともかく、詳細が公式HPにあるというので取り急ぎそちらを確認。
その時先述の通り元ドンカルロの情報がなくなっているのにも気づいて侘しくなりましたが、それは置いといてまずはクラブ側の報告を閲覧。
概ねメールと同内容でしたが、取り違えの時期が募集開始前の1歳11~12月ごろと思われること、ただちに再発防止策を講じることが記されていました。
続いて生産者側のお詫び文を閲覧。こちらには取り違えの経緯が詳しく記されていました。概要は以下。
・発生時期は離乳後の1歳11~12月ごろと考えられる。
・特徴の酷似した2頭の馬に同色の頭絡を装着し、取り違えの原因に。前後にスタッフの入れ替わりがあり、担当者が変わったことも一因。
・馬の判別を属人的なものに依拠し、マイクロチップ確認などの客観的判断をしなかった。
・生産馬を間違えるはずがないとの慢心があった。
あっちゃあ~。やっちまったなあ~。
文書を読んで最初に浮かんだ感想はそんな事。
続いて、牧場もクラブも絶望的に人手が足りてなさそうだな……なんてことをボンヤリと思っていましたね。
あーあーあー、という気持ちばかりで誰かを責める気にはなりませんでした。
やや現実逃避気味だったとも言う。
まあ、理由がどうあれ重大なミスをしでかしたことは間違いないので、責める気は起こらなくとも擁護する気も起きませんが。
入れ違いの経緯はともかく募集前に実馬かどうかの確認もしてないのかよとは思いましたからね。
それは流石にね……。
これは牧場側にもクラブ側にも言えること。
牧場側に関しては、現場の商慣行がどうなっているのか、マイクロチップや旋毛での実馬確認にどれほどの手間暇・費用がかかるのかということを知らない身としてはあまり偉そうにすることもできませんが、これがもしセリ市に上場する場合なら無検査で上場することなど流石にない(というか出来ない)でしょう。
レトロクラシック20は広尾の預託生産馬であり、取り違えられた元ドンカルロ(牧場の生産状況から実際のプロフィール特定は容易。どうやらダンカーク牡馬だったと思われる)も別の個人馬主さんの預託生産馬だったようなので、渉外折衝がない生産馬に対しては属人判別のみで供出していたということになるのでしょうね。
牧場側を信頼して預託している相手に対する大きな裏切りとなってしまい、信用の失墜は残念ながら避けられないでしょう。
その見地に立てば被害者側であると言えなくもないクラブ側ですが、供出された商品をさらに会員に提供するという立場である以上、「牧場を信頼していたのに~」という被害者のままで終われるはずもありません。
プラスビタール遺伝子検査はやっているのにマイクロチップでの実馬確認をしていないとか、笑い話にもならない。
クラブ側を信頼して募集に応じた会員に対する大きな裏切りとなってしまい、やはり信用の失墜は避けられません。
ですが、クラブ側・牧場側ともに猛省して再発防止策を講じるということなので、二度と同様の事件が起こることはないでしょう。
ないですよね?
私はまだ信じさせてもらいます。
クラブ側は事件の発生後、関係省庁に指示を仰ぎながら、会員に対しできる限りの誠実な対応を心がけてくれているように見えますので、以後もよろしくお願いいたします。
事件への感想と今後の展望
上で最後にいろいろと書き立てはしましたが、私は本当に怒りの感情はありません。
金融商品を扱う会社としては失格もいいところだとは思いますが、反省して二度はないようにしてもらえればそれでいいです(法的にどういう扱いになるのかはわかりませんが)。
なぜそう思うのかというと、それはもともとクラブの事務処理に対する期待値が低いから。
別に広尾に限らず、私は自分の加入している一口馬主クラブの大半を大手同人サークルくらいに思っており、一般企業と同等には見ておりません。
身も蓋もありませんが。
出資馬に対する情報提供をないがしろにされた場合は一口クラブとしての本分を果たしていないと見て怒りもしますが、今回は情報供与もしっかりされていると思いますし、やったミスの程度が極大クラスであるという一点さえ除けば怒るに値する事案ではない(あくまで個人的にはです)ので。
甘いのは自覚していますがね。
怒り狂う方がいるのは当然ですし、それも出資者の権利だとも思います。
あくまで私個人はそう思うという事で。
さて、そんな私が気になることは起きてしまった事件の犯人捜しよりも事件の後にどうリカバリをしていくかということの方です。
まず、期待していた出資馬の1頭・元ドンカルロがいなくなってしまいました。
代わりにレトロクラシック20が募集をかけられるという事は、元ドンカルロの本来の馬主さんとは円満(かどうかは知りませんが)に馬を交換するという事で話がついているのでしょうが、果たしてレトロクラシック20が元ドンカルロの代わりを務められるような馬なのか。
状況的に、今回の入れ替わりが判明したのはレトロクラシック20が栗東入厩、もしくは本州移動などの節目を迎えて実馬確認したことによるものだと思われます。
そうすると、レトロクラシック20の育成進度はまだ北海道で育成中の元ドンカルロより進んでいるという可能性もありますが、そうなると新たに募集をかけられる事務処理の時間、入厩などの状況が進捗しないだろうことから無意味な時間の浪費が起こるのは必定。
さらに、これまでレトロクラシック20を見ていた調教師さんと、元ドンカルロをシュウジデイファームで育成してきた高柳大輔調教師では育成場から外厩までまったく違うところを使っているでしょうから、いきなり馬を交換となってもお互いに対応しきれるのかどうか(まさか調教師も互いに入れ替えするとは思えませんので)。
突然転厩したものと考えれば調教師さんたちとしては慣れている状況なのかもしれませんが。
また、レトロクラシック20は元々個人馬主さんの下でこれまで育成を重ねられてきたわけで、これまでの育成状況を後から確認するのは相当な困難を伴うでしょうから、そのあたりがどうなっているのかは募集時にちゃんと見ておく必要はあるでしょう。
私は出資基準が「血統・厩舎をポイント換算して基準ポイント条件を満たした馬に出資する」というものなので、実馬の馬体や動きなどは出資時点ではほぼ無視状態のため、レトロクラシック20がこのまま高柳大輔厩舎所属のままなら再出資すると思います。
が、レトロクラシック20と元ドンカルロのどちらかがもう一方を大きく上回る活躍ぶりを見せたとしたら、どちらの立場でも複雑な気持ちにはなるでしょうね。
仮に元ドンカルロの方が活躍したら、「本当ならこの馬に出資してたのになあ」と思うのは間違いないでしょう。
だって人間だもの。
逆にレトロクラシック20の方が活躍したら、向こうの馬主さんをはじめ元ドンカルロ関係者の方に申し訳なくなる気持ちが生まれるのも間違いないでしょうね。
出資者が罪悪感を抱く理由は微塵もないはずですが、それはそれ。
だって人間だもの。
両馬が同じくらい活躍してくれるのが一番いいんですけど、まあそう上手くはいかないでしょうからねえ(両方とも未勝利で終わるとかは考えません!)。
しかし、これから出資愛馬となる可能性の高いまだ見ぬレトロクラシック20もそうですが、今まで成長を楽しみに見守ってきた元ドンカルロにも愛着はあるので、度合いが違おうとも両馬ともに活躍してくれることを願ってやみません。
ちなみにレトロクラシック20、再募集の際にはドンカルロの名前が継続するという事です。
一部のチェンジリング伝承のように消えてなくなることは無いようで、そこは一安心。
人間万事塞翁が馬。
この事件がクラブや牧場の変革という意味でも自身の出資馬の活躍についても、今後どういう結果につながっていくか、じっくりと見ていきたいと思います。
それでは今回はここまで。お読みいただき、おおきにありがとさんです。
(記事中の公式情報は広尾サラブレッド倶楽部様公式HPより許可を頂き掲載しております。)