競馬よもやま話

2022年上半期のG1レースを振り返ってみる

2022年上半期のG1レースを振り返ってみる

こんにちは、まちかね太です。

まちかね太
まちかね太

暑い……。

日本各地で40度を超えたというニュースが早くも流れておりますが、私の住む関西圏も例にもれずオーバーヒート状態であります。

ついこの間まで寒い寒いと言っていたような気がするのに、いつの間にやら灼熱地獄。

まちかね太
まちかね太

春ってあったっけ?

もうこの国には冬と夏の二季しかないのかもしれません。

まあそれはともかく、夏が来たという事は2022年ももう半分が過ぎたという事でもあります。時が経つのは早いものです。

まちかね太
まちかね太

オッサンになってからは尚更そう感じるようになりましたな。

競馬界のカレンダーも、先日の宝塚記念・帝王賞を以て春のG1シーズンが終了し、本格的に夏のローカルシーズンへ突入ということになります。

一口馬主を始めてからは、個人的には未勝利戦が観戦の中心になってはいますが、競馬のメインコンテンツたるG1レースは見ておかなければ流石にお話にもなりません。
将来の種牡馬たちもたくさん走ってますしね。

というわけで、2022年前半シーズンのG1レースについての適当な感想をつらつらと残しておこうかなと思います。

まちかね太
まちかね太

ただの駄文ですが、お暇でしたらお付き合いください。

3歳戦線

ディープインパクト産駒がまとまった数で存在する最終年となった今年のクラシック戦線。

牝馬は当初から苦戦気味でしたが、昨年末のホープフルS-G1優勝馬キラーアビリティや同レース1番人気コマンドラインなど、昨年段階で既にある程度手駒がそろっていた牡馬戦線でも産駒の戴冠はなりませんでした。

代わりにというか、ドレフォンやキタサンブラック、シルバーステートといったこの世代が初年度産駒になる種牡馬の産駒や、2年目となるドゥラメンテ産駒が牡牝のクラシックで大活躍。

種牡馬戦国時代の到来を予感させる結果になっています。

牡馬クラシック路線

皐月賞-G1を制したのは、新種牡馬ドレフォン産駒のジオグリフ(美浦・木村哲也厩舎)。

昨年の札幌2歳S-G3を強い内容で制し、朝日杯FS-G1では2番人気にも推されていました(5着)が、今年初戦となった共同通信杯-G3でダノンベルーガ(父ハーツクライ)に完敗とも見える2着に敗れ、また米国スプリントチャンピオンだった父から来る血統面での距離不安や、喉に不調を抱えているという情報からか、皐月賞では有力馬の一角止まりの5番人気(9.1倍)という評価でした。

しかしレースでは同厩の3番人気イクイノックス(父キタサンブラック)をマークするような位置取りで先団直後を外目から追走すると、直線で先に抜け出したイクイノックスをゴール寸前で測ったように捉えて快勝。

朝日杯で敗れたドウデュース(3着)、共同通信杯で後塵を拝したダノンベルーガ(4着)にもまとめて雪辱を果たし、父の成功種牡馬としての評価も確定させるG1タイトルを手に入れました。

まちかね太
まちかね太

オルフェーヴル以来久々の栗毛の牡馬春クラシックウイナー!
(秋の菊花賞を含めてもトーホウジャッカル以来)

そんなジオグリフではありましたが、続く日本ダービーは更なる距離延長となり、血統&喉の不安が解消したわけではないこともあって、こちらでも人気順は4番人気まで。
そしてレースでは中団から伸び切れず7着に敗れ、二冠はなりませんでした。

日本ダービー(東京優駿)-G1を制し、世代の頂点に立ったのはドウデュース(父ハーツクライ、栗東・友道康夫厩舎)。

3戦無敗で昨年の朝日杯を制し最優秀2歳馬の顕彰を受けていた同馬ですが、3歳初戦の弥生賞ディープインパクト記念-G2(やっぱり長いな……)をアスクビクターモア(父ディープインパクト)にクビ差届かず初黒星を喫すると、皐月賞でも最後方近くから脚を伸ばすも3着と連敗。

とはいえどちらも力負けという内容ではなく、ダービーでは1番人気ダノンベルーガ(3.5倍)・2番人気イクイノックス(3.8倍)と差のない3番人気(4.2倍)という支持を受けていました。

レースでは、1000m通過58.9の流れを道中後方5番手辺りからじっくりと追走。
直線に入ってスムーズに馬場の中央に持ち出すと一気に脚を伸ばして、2番手から抜け出していたアスクビクターモアを残り200m過ぎの地点で捉え、自分よりもさらに後方から大外を通って追い込んできたイクイノックスの追撃もクビ差抑えて歓喜のゴールイン。

馬主のキーファーズ初のクラシック制覇であり、鞍上武豊騎手にとっては日本ダービー6勝目という事になりました。

まちかね太
まちかね太

リビングレジェンドはまだまだ終わりそうにないですな。

今年の牡馬クラシック2戦ではドウデュースの他、イクイノックス・ダノンベルーガ・アスクビクターモアの計4頭が皐月賞&ダービーの二冠で共に掲示板に入っていて、ジオグリフがダービーで掲示板を外した代わりにプラダリア(父ディープインパクト)がダービー5着に入ってきたのが唯一の入れ替わりとなっており、かなり世代内での序列が固定化していたと言えそうです。

ドウデュースはこの後海外遠征に向かいますが、彼ら世代上位馬がそのまま秋も序列を守るのか、プラダリアやオニャンコポン(皐月6着・ダービー8着)など春は今一歩足りなかった組が成長を見せるのか、それとも今は名もなき馬が夏の上がり馬として台頭してくるのか。

オニャンコポン型の成績の馬が菊花賞で3着くらいに来ることはままあるので、ちょっと期待してみたり。

まちかね太
まちかね太

後はボルドグフーシュとかバトルボーンとか?

菊路線に行かない馬も多いとは思いますが、それ以前に実績馬・上がり馬候補共に体質に弱さのある馬も多そうなので、何頭が無事に(菊でなくとも)秋に出走できるかというのがまず問題かもしれません。

牝馬クラシック路線

牝馬戦線では、昨年世を去った二冠馬ドゥラメンテ産駒のスターズオンアース(美浦・高柳瑞樹厩舎)が、見事牝馬二冠達成。

デビュー2戦目で未勝利を勝利して以降、赤松賞3着(1着ナミュール、2着パーソナルハイ)→フェアリーS-G3・2着(1着ライラック)→クイーンC-G3・2着(1着プレサージュリフト)と堅実に好走を重ねて桜花賞まで駒を進めてきましたが、その時点で1勝馬である上、前述のレースで先着されたすべての馬と阪神JF-G1上位馬が軒並み顔をそろえた本番で人気が高いはずもなく、7番人気(14.5倍)でレースを迎えます。

まちかね太
まちかね太

個人的にはこれでも人気しすぎ(人気順ではなくオッズが)と思っていました。

レースでは中団の馬群の中を追走し、直線でも馬群の隙間を縫うようにして進出。
直線半ばではフラついたピンハイに激突されたパーソナルハイと玉突き事故的に接触する不利もありましたが、怯まずにズンズン脚を伸ばしてゴール寸前で先行策から抜け出していたウォーターナビレラ(父シルバーステート)をハナ差捉え、見事桜の女王に。

内容的には強い競馬だったと思いますが、続くオークス(優駿牝馬)-G1でも人気は3番人気(6.5倍)まで。

桜花賞が人気薄での勝利だったことに加え、同レースではナミュール(父ハービンジャー)やサークルオブライフ(父エピファネイア)などの人気馬たちが外枠で持てる力を発揮しきれていなかったという見方もあり、その上鞍上川田騎手が早々にオークスではアートハウス(父スクリーンヒーロー)騎乗を優先する旨を発表していたことで、フロック視されていた部分があるのでしょう。

乗り替わった鞍上は名手ルメールで不足はないとはいえ、今度はスターズオンアース自身が大外18番枠に入ってしまった事も人気が伸びなかった一因だと思われます。

しかしレースでは枠なりに外目の中団追走から直線では大外を通し、またもズンズン伸びて前を行くスタニングローズ(父キングカメハメハ)をきっちり躱して完勝。

文句なしの二冠牝馬と相成りました。

まちかね太
まちかね太

流石にこれでフロックとはとても言えない。

おそらくは適性的にも、マイルよりも長い距離の方が向いている馬でもあるんでしょう。

ただ好事魔多しというか、レース後に両前脚第一指骨骨折が判明。
手術は成功し、全治3か月という事ですが、秋華賞に万全の状態で向かえるかは……。

個人的には、なんとなくベガの時を思い出しますね。

まちかね太
まちかね太

古い話ですが。

あの時はベガは3冠のかかったエリザベス女王杯で2番人気3着。
勝ったのは「ベガはベガでもホクトベガ!」でしたが、今年のメンツで当時のホクトベガ(フラワーC1着→桜花賞5着→オークス6着)に似た感じの戦績なのは……ピンハイ?

スターズオンアースの無事の復帰を祈りつつ、ピンハイの動向にも少し注意しておこうと思います。

短距離路線

昨年の朝日杯勝ち馬ドウデュースがクラシック路線へ向かい、桜花賞上位馬も出走して来ず、人気が割れ気味だったNHKマイルカップ-G1を制し、3歳短距離王者に輝いたのはダノンスコーピオン(父ロードカナロア、栗東・安田隆行厩舎)。

昨年の萩S-Lでキラーアビリティを下し、朝日杯で3着。
今年初戦の共同通信杯を7着に敗れ(体調がよくなかったという話ですが)、マイル路線に矛先を固定してアーリントンC-G3を勝利。
NHKマイルCは有力馬の一角として4番人気(7.1倍)で迎えます。

レースでは大外18番枠スタートから枠なりに中団外目を追走し、直線では馬場の中ほどへ。
ジワジワ脚を伸ばしながら前の馬を躱していき、残り200mを過ぎたところで内ラチ沿いで抵抗する1番人気セリフォス(父ダイワメジャー)を抜き去り、最後に外から強襲してきた3番人気マテンロウオリオン(父ダイワメジャー)の追撃も抑えきってゴールイン。

で、この結果を見て最初に思ったのはコレ。

まちかね太
まちかね太

ギリシア神話かーい!

ギリシア神話を知っている方には私と同じような感想を持った方もいらっしゃるでしょう。

巨人オーリーオーンの死因の一説として有名なのが、神に差し向けられたサソリに刺殺されるというものですからね。
さそり座が天に昇ればオリオン座が地平に沈むというのも有名ですし。

まちかね太
まちかね太

子供の頃にプラネタリウムで聞いたような。

と、競馬と全く関係のない郷愁を呼び起こす結末でしたが、さてダノンスコーピオンのこの秋の路線はいかに。

個人的にはこのままマイル路線を進む方がいいと思いますけど、種牡馬価値の事を考えるなら天皇賞路線に挑むこともあるのかもしれませんね。

まあこの馬も体質があまり強くなさそうなので、体調次第という面はあるでしょうが。

桜花賞3着のナムラクレア(父ミッキーアイル)が函館スプリントS-G3を快勝していて、セリフォスも安田記念でコンマ1秒差の4着に入っていることから世代レベルは高そうなので、秋にはダノンスコーピオンに限らずこの路線でG1制覇する馬もいそうですね。

ダート路線

まだ世代戦の締めレースともいえるジャパンダートダービー-Jpn1が終わっていないのでアレですが、今のところこの世代のダート馬最大のトピックはクラウンプライド(父リーチザクラウン)のUAEダービー-G2制覇及びケンタッキーダービー-G1挑戦になるでしょうか。

ヒヤシンスS-Lを6着に敗れていた馬がUAEダービーを制するという快挙を成し遂げ、勇躍アメリカへ。
流石に本場は甘くはなく、ケンタッキーダービーでは20頭立ての13着に敗れたものの、夢を見せてくれました。

国内ではユニコーンS-G3をペイシャエス(父エスポワールシチー)が制覇。

既に地方では一流種牡馬としての地位を確立しているといってもいいエスポワールシチーですが、意外なことにJRA重賞はこれが初勝利。
今年は古馬のイグナイターが地方所属馬として中央馬と互角以上に戦っていることもあり、この調子なら後継馬も望めるかもしれませんね。

ただ、世代全体の個人的な印象としては大物というほどの大物はおらず、古馬のトップクラスと伍して戦っていくのは難しいかもしれません。

秋以降にこの印象を覆せるか否か、楽しみにしていきたいと思います。

古馬戦線

昨年の年度代表馬エフフォーリア(父エピファネイア)が充実の4歳を迎え、独裁政権を築くかと思いきや、まさかの2連敗で株を暴落させてしまいました。

反対に、3歳時はエフフォーリアに対し一枚落ちだった菊花賞馬タイトルホルダー(父ドゥラメンテ)が圧倒的な強さを見せ、いまや2頭の立場は逆転したと言ってもいいかもしれません。

短距離戦・ダート戦はレースごとに勝ち馬が変わる状況で、混迷の色が見えてきています。

芝中長距離路線

エフフォーリアが今年初戦として選んだのは大阪杯-G1。

金鯱賞-G2など5連勝中の上がり馬ジャックドール(父モーリス)や昨年覇者レイパパレ(父ディープインパクト)、香港C-G1・2着のヒシイグアス(父ハーツクライ)などが出走してきましたが、エフフォーリアを倒すには至らないと見た人が多かったのでしょう、単勝はなんと1.5倍という圧倒的人気に推されました。

しかし、レースでは中団に構えたエフフォーリアは4角で鞍上の手が動くも全く反応せず、そのまま流れ込むだけの9着という完敗。

勝ったのは、ずっと堅実に走ってはいるものの、ここまで重賞では6戦して昨年の新潟大賞典-G3での2着が最高着順だったポタジェ(父ディープインパクト、栗東・友道康夫厩舎)。
道中5番手追走から直線では先に抜け出したレイパパレをギリギリで捉え、後ろから来たアリーヴォ(父ドゥラメンテ)も抑え込んで、8番人気での戴冠となりました。

まちかね太
まちかね太

長く競馬を見ていれば珍しくもない出来事ではありますが、意外は意外。

驚愕の大阪杯の1か月後、長距離路線の最高峰・天皇賞(春)-G1に臨み、これを圧勝したのが、エフフォーリアの同期である昨年の菊花賞馬タイトルホルダー(美浦・栗田徹厩舎)。

前哨戦の日経賞-G2を勝ってきたものの、ボッケリーニやヒートオンビートにやや苦戦した印象があったこともあり、昨年の有馬記念で先着されたディープボンド(父キズナ)に1番人気の座は譲ることに。

しかし、レースでは16番枠から押して先手を主張すると、そのまま道中では(カラ馬を除いて)常に2馬身以上のリードを保ち、直線ではどんどん差を広げて2着ディープボンドに7馬身差(カラ馬が間に挟まっていますが)を付けて圧勝。

菊花賞からの長距離G1連勝で、国内最強ステイヤーの座を確定させました。

まちかね太
まちかね太

これは強かった。

そしてシーズンの掉尾を飾る宝塚記念-G1

巻き返しを図るエフフォーリア、中距離の制圧をも狙うタイトルホルダーの他、大阪杯がフロックでないことを証明したいポタジェ、ドバイターフ-G1を同着優勝してきた大逃げパンサラッサ(父ロードカナロア)、故障明けを叩いて臨むかつての無敗三冠牝馬デアリングタクト(父エピファネイア)、昨年のJC2着オーソリティ(父オルフェーヴル)、そしてディープボンド、ヒシイグアス、アリーヴォと、昨秋からこの春にかけて中長距離戦線で活躍した現役馬たちが一堂に会するという、近年では珍しい豪華メンバーが揃います(オーソリティはレース直前に故障除外)。

そしてこのレースを、タイトルホルダーがまたも完勝

スタートで不利を受けながらも自分の型を貫いて高速逃げを打ったパンサラッサの作り出した1000m57.6の流れを、2番手で追走したタイトルホルダー。
4角を回ったところでパンサラッサを躱し先頭に躍り出ると、このメンバーであっても追いついてこられる馬はおらず、2着ヒシイグアスに2馬身差をつけてレコード勝ち。

まちかね太
まちかね太

スピード・スタミナ兼備であることをこれ以上なく証明。

タイトルホルダーは対エフフォーリアとの直接対決では皐月賞・ダービー・有馬記念と3戦全敗だったわけですが、宝塚記念では6着だったエフフォーリアにここで初の先着……ですが、この1戦だけで主役が交代してしまった印象があります。

が、1番人気はエフフォーリアだったわけで、まだ白旗を上げるには早いでしょう。

エフフォーリアの敗因については父エピファネイア産駒の早熟ぶりが槍玉に挙げられることが多い印象で、次いで輸送競馬がダメという見方が多い気がします。

それらも一因ではあるのでしょうが、私は春の2戦凡走の最も大きな原因は、横山騎手のレース後コメントにある、ペースが合っていなかった事だと思っています。

エフフォーリアが勝った昨年の有馬記念、同じパンサラッサが逃げてタイトルホルダーが2番手を追走していましたが、1000m通過は59.5でした。
もう一つの勝利レースである秋の天皇賞に至っては60.5です。
宝塚記念はもちろん、大阪杯の58.8に比べてもペースは遅く、つまりスロー~ミドルペースの直線ヨーイドンには滅法強くとも、ハイペースで息の入れられない展開だと最後の脚が使えないタイプの馬なのではないでしょうか。

まあ、この見解がもし正しければ、今秋の最初の目標であろう秋の天皇賞にジャックドールが出てくれば、大阪杯の二の舞になる可能性が高いという事なのですが。

あと斤量増がダメだった、という場合でもそうですね。古馬は58キロになってしまいますから。

まちかね太
まちかね太

それでも復権には期待しています。

タイトルホルダーは直行で凱旋門賞に挑む予定という事です。
ダービー馬ドウデュースと共に、健闘を期待します。

まちかね太
まちかね太

ペースメーカーがいればだいぶ有利に出来ると思いますが、無理かな。

今回、パンサラッサがタイトルホルダーの邪魔をしたという見方が一部にあるようですが、私はむしろパンサラッサのペースを追走して脚を無くした馬がいる分、スタミナに秀でるタイトルホルダーにとってはむしろ援護射撃的存在になっていたと思います。

パンサラッサのペースがなければレコードにもならなかったでしょうし。

まあ、仮に本当にパンサラッサの存在がタイトルホルダーの邪魔になっていたのだとしても、レースでは皆がライバルなのですから、自分に有利に、他馬に不利になるように(進路妨害という意味ではありませんよ)立ち回るのは戦術として当たり前。

パンサラッサがこれまで最も結果を残してきている戦法を多少強引にでも実行したことを、今回は自身最良の結果につながらなかったという一事を以て、他陣営のファンからやいのやいの言われる筋合いは全くないと思います。

さて、そのパンサラッサはおそらく今後の目標は海外レースが本線(チャンピオンSやコックスプレート)でしょう。

他にも、悲願のG1制覇を狙うディープボンドは今年はどういう路線をとるのか、など、タイトルホルダーやエフフォーリア以外にもこの路線には注目馬は多く、秋も楽しませてくれそうですね。

芝短距離路線

スプリント~マイル路線は、グランアレグリア・インディチャンプ・ダノンキングリー・ダノンスマッシュらが引退、ピクシーナイトが故障中という、主役不在の状態からスタート。

3月に行われた春のスプリントキング決定戦・高松宮記念-G1では、新興勢力組に目立った馬がおらず、既成勢力の実績馬レシステンシア(父ダイワメジャー)、メイケイエール(父ミッキーアイル)、グレナディアガーズ(父Frankel)らが人気に。

しかし勝ったのは、既成勢力であってもG1レベルでは実績馬とは言い難い6歳牡馬ナランフレグ(父ゴールドアリュール、美浦・宗像義忠厩舎)。

それまでオープン級レースを16戦してタンザナイトS-OPの一勝のみ、重賞は前走のオーシャンS-G3での2着が最高成績だった馬が、4角13番手から直線狭い内側を掬い、ゴール寸前で前を行く馬たちを躱し去って初重賞でG1タイトルをゲットしました。

ナランフレグから5着メイケイエールまでコンマ1秒差、15着サリオスまででもコンマ6秒差という接戦だったので、騎手のコース取り・捌きがモノを言ったレースだったと言えるでしょう。

これがG1初勝利だった丸田恭介騎手、お見事でした。

とはいえ、これでスプリント路線の新たな序列が決まったかと言えばそんなことは無く、むしろ余計混迷が深まったとも言えます。

まちかね太
まちかね太

高松宮記念はよく荒れますし、路線の最強馬決定戦としてはちょっと微妙感もアリ。

秋のスプリンターズSまで、3歳馬も含めての序列争いは続いていきそうですね。

5月には牝馬限定のマイルG1・ヴィクトリアマイルが行われ、白毛のアイドルホースソダシ(父クロフネ、栗東・須貝尚介厩舎)が復活のG1・3勝目を挙げました。

昨年の桜花賞まで無敗の5連勝で世代のトップに君臨するも、オークスでは距離が長すぎたか8着に敗退。
直後の札幌記念-G2ではラヴズオンリーユーを下す金星を挙げるも、以降は秋華賞、チャンピオンズC、フェブラリーSと芝ダートのG1に挑戦してそれぞれ10着・12着・3着という結果。

なんとも歯がゆい結果が続いていましたが、桜花賞以来の芝マイル戦となったここでは好スタートから楽に先行、直線では馬場の中央を通って残り200を過ぎた地点であっさりと抜けだし、接戦の2着争いを尻目に完勝。

芝の1600前後がこの馬にとってベストの条件であるのは間違いなさそう。

次走は連覇のかかる札幌記念になるようですが、秋はどのような路線を目指すのか。
マイル路線なら主役も狙えると思いますが、天皇賞挑戦などもあり得そうですね。

まちかね太
まちかね太

もし海外に行ったら、向こうでも人気出るかもしれませんな。

そして短距離路線の総決算は6月のマイルG1・安田記念

ソダシは出てきませんでしたが、高松宮記念1・2着のナランフレグ・ロータスランド(父Point of Entry)、ヴィクトリアマイル2・3・5着のファインルージュ(父キズナ)、レシステンシア、ソングライン(父キズナ)など今年のG1好走馬たちに加え、昨年のマイルCS-G1で2・3着したシュネルマイスター(父Kingman)、ダノンザキッド(父ジャスタウェイ)や、共に4連勝で重賞制覇して臨んできた上がり馬イルーシヴパンサー(父ハーツクライ)、ソウルラッシュ(父ルーラーシップ)、ダートチャンピオン・カファファラオ、3歳馬セリフォス、かつての実績馬サリオスなど、短距離戦の総決算にふさわしい新旧入り乱れての豪華メンバーが集結しました。

レースもメンバーに相応しい大激戦になりましたが、これを制したのは4歳牝馬ソングライン(美浦・林徹厩舎)。

7枠13番の発走から中団外目を追走。直線はスムーズに大外へ持ち出して、隣の位置で一歩先に出ていたサリオスをゴール前で抜き去り、最後の最後に内側から一気に来たシュネルマイスターも抑えきってG1初制覇のゴールイン。

シュネルマイスターには昨年のNHKマイルカップでハナ差後れを取ってG1タイトルを逃しており、1年後に同じ府中マイルの舞台で雪辱を果たしたという形になります。

桜花賞と阪神Cで共に15着と敗れた以外は、サウジ遠征(1351ターフスプリント-G3優勝)も含めてオール5着以内という実績となったこの馬ですが、秋のマイルCSは今年はまだ鬼門の阪神開催。

秋のローテはどうするのか、非常に興味深くなりました。

2着に敗れたシュネルマイスターは、直線ではややスムーズさを欠いた感もあり、実力負けとは言い難い部分もあります。

ドバイターフで8着に敗れて今回も2番人気でしたが、元々昨年時点で今年のマイル路線の中心はこの馬だとも言われていたのですから、これくらいは走れて当たり前と言ったところでしょうか。

マイル路線に関しては、安田記念の上位2頭とソダシを中心に、3歳馬たちがどう絡んでいくかという形に収まりつつあると見ていいかもしれません。

ダート路線

昨年のチャンピオンズC-G1を圧勝し、新たなダートチャンピオンの座に就いたテーオーケインズ(父シニスターミニスター)は早々にサウジ遠征を表明し、東京大賞典-G1四連覇を果たしたオメガパフューム(父スウェプトオーヴァーボード)は引退撤回からのあれやこれやで、共に冬場の国内ダート大レースへの出走はありませんでした。

そんな中、1月の川崎記念-Jpn1を圧勝したのは7歳となった古豪チュウワウィザード(父キングカメハメハ、栗東・大久保龍志厩舎)。

1年間勝ち星がないとはいえ前走チャンピオンズCでも2着とし、トップクラスの力を維持し続けているチュウワウィザードに対し、実績的に対抗馬となる昨年覇者カジノフォンテン(父カジノドライヴ)は調子落ち。
他に目立つ相手は、前走で名古屋グランプリ-Jpn2を制したヴェルテックス(父ジャスタウェイ)や牝馬路線のベテラン逃げ馬サルサディオーネ(父ゴーリドアリュール)くらいしかおらず、メンバーが薄い感のあるレースになり、2年連続のドバイ遠征を目指すチュウワウィザード陣営としては流石にここを落とすわけにはいかないという心構えだったでしょう。

そしてその通り、レースでは2着エルデュクラージュ(父クロフネ)に4馬身差をつけて完勝。

そして目論見通りにドバイワールドカップ-G1への招待を手に入れ、本番ではアメリカの強豪Country GrammerHot Rod Charlieに続く3着。昨年の2着に続く好走となり、大健闘だったと言えるでしょう。

着順では昨年より一つ落ちてはいますが、昨年はコロナ禍最盛期だったこともあり米国勢の層が薄く、今回の方が価値が大きいと言っても過言ではありません。

1番人気だった昨年のBCダートマイル-G1勝ち馬Life Is Good(4着)には先着しており、2月のサウジC-G1でテーオーケインズが完敗していた失地を挽回し、日本ダート馬の力侮れずというのを世界に示せたと言えるでしょう。

2月に行われたマイルG1・フェブラリーSは、前年覇者カフェファラオ(父American Pharoah、美浦・堀宣行厩舎)が連覇を達成。

昨年のフェブラリーS優勝後、かしわ記念-Jpn1で5着、函館記念-G3で9着、そしてチャンピオンズCで11着と3連敗していましたが、今年のフェブラリーS出走馬は距離不安(レッドルゼル・テイエムサウスダンなど)や高齢(インティ・エアスピネル・サンライズノヴァなど)、そもそものダート適性不安(ソダシ)など、なんらかの大きな不安要素を抱えた馬が多く、カフェファラオは昨年の勝利実績が買われたのかレッドルゼルに次ぐ2番人気に推されます。

レースでは3枠6番から先団の外目をスムーズに先行。
直線では馬場の中ほどに持ち出し、残り200地点を過ぎてすぐに前を行くテイエムサウスダン・ソダシをあっさり捉えて当たり前のように優勝。

まちかね太
まちかね太

この条件では文句なく強い。

適条件では強いんですけど、適性のレンジが著しく限られているのが難しい馬ですね。
この後は芝の安田記念に挑み、17着。
このままでは秋の目標が武蔵野Sになりかねない……。

まちかね太
まちかね太

はてさて、一体どういう路線をとるのか?

5月のマイルJpn1・かしわ記念は、オルフェーヴル産駒の5歳牝馬ショウナンナデシコ(栗東・須貝尚介厩舎)が優勝。

フェブラリーSの敗者復活戦のようなメンバー構成になりましたが、牝馬限定重賞を連勝中だった別路線組のショウナンナデシコがフェブラリーS4・2着のソリストサンダー・テイエムサウスダンを抑えて逃げ切り勝ち。

晩成オルフェーヴルの成長力を遺憾なく発揮して、昨年10月の3勝C勝ち以降7戦5勝2着2回。
この後は帝王賞挑戦も取りざたされましたが、牝馬限定のスパーキングレディーC-Jpn3に向かう事になりました。
今後も牝馬限定戦中心に行くなら、無双状態になってもおかしくないでしょうね。

まちかね太
まちかね太

流石にマルシュロレーヌの域は難しいでしょうが。

そして6月にはこの路線の春季総決算・帝王賞-Jpn1が行われました。

出走頭数は9頭と少なかったものの、サウジCからの帰国後平安S-G3を完勝して臨むテーオーケインズ、引退撤回後最初のレースとなったアンタレスS-G3を勝利してきたオメガパフューム、ドバイWC3着後の帰国初戦となるチュウワウィザードの3強に加え、古豪クリンチャー(父ディープスカイ)、新興勢力メイショウハリオ(父パイロ)など、中央馬のメンツは豪華。
迎え撃つ地方馬がノンコノユメ(父トワイニング)他2頭のみというのは寂しいですが、チャンピオン決定戦として不足はありません。

1番人気には昨年覇者という実績もあってかテーオーケインズが推されました。オッズはなんと1.5倍。

しかしレースでは3番手追走から直線抜け出しを図ったものの伸び切れず、4着に敗退。

勝ったのは、道中テーオーケインズらを含む先行集団を見るような位置にいたメイショウハリオ(栗東・岡田稲男厩舎)。

直線で馬場の中ほどに持ち出すと、伸びあぐねるテーオーケインズを残り200地点で捉え、外から来たオメガパフュームには追いつかせず、最後は内を掬ったチュウワウィザードとの争いをクビ差制してゴールイン。

前走平安Sではテーオーケインズに0.8差の3着完敗でしたが、この大舞台で覚醒。

3強をまとめてなぎ倒し、新たなダート王候補に名乗りを上げました。

しかし、テーオーケインズも今回は道中でイレギュラーに絡んできたスワーヴアラミスにペースを乱された面もあったでしょうし、完全な実力負けとも思えません。調子が良くなかったという話もあるようですし。

メイショウハリオにとっては、この金星が真に実力で得たものかを秋に試されることになります。

チュウワウィザード、オメガパフュームもダート中距離路線ではトップクラスの力をまだまだ発揮しそうですし、秋のダート路線も楽しくなりそうです。

海外遠征

今年前半は海外遠征する日本馬が多く、特にサウジ・ドバイの中東遠征では好結果を残した馬も多くいました。

サウジのレースについてはWEB観戦記事を書いているので、よろしければご一読ください。

サウジに続くドバイのレースでも、先述したチュウワウィザード(ドバイWC3着)、パンサラッサ(ドバイターフ1着)、クラウンプライド(UAEダービー1着)の他、シャフリヤールがドバイシーマクラシック-G1を勝利、レッドルゼルがドバイゴールデンシャヒーン-G1で2着、ステイフーリッシュがドバイゴールドカップ-G2勝利、バスラットレオンがゴドルフィンマイル-G2勝利と大暴れを果たしています。

引き続いての欧米への遠征に関しては、クラウンプライド・シャフリヤール・グレナディアガーズが完敗を喫してしまってはいますが、挑戦しなければ勝ちはありませんからね。

まちかね太
まちかね太

陣営のチャレンジ精神(と経費負担への覚悟)に敬意を。

私は凱旋門賞コンプレックスを否定的に見ているタイプの人間ですが、「日本のレースのメンバーが薄くなるから海外遠征するな」という考え方も違うと思っています。

まちかね太
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向いてそう(勝てそう)なレースなら積極的にどこでも行けばいいと思います。

結果的に馬場が合ってなかったという場合はあるでしょうが、行ってみたら日本の馬場より好適性だったという場合もあるでしょうしね。

バスラットレオンなんかはまさにそのタイプではないでしょうか。

費用面も含めて負担は大きいでしょうが、牡馬の場合は勝てれば種牡馬価値にも影響してきますし。

とはいえ帰国後にサトノダイヤモンドのようになる馬もいますし、そういう意味でもギャンブル要素が相当に強いとは言えますが。

まちかね太
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まあ一ファンとしてはそこまで考える必要もないですね。

今年はこの後もいろいろな馬が海外遠征を敢行しそうなので、まったり応援していきたいと思います。

まとめ

という事で、2022年前半のG1レースの感想でした。

近年はG1レースのたびに「使い分けがー」とか「メンバーレベルがG1とは程遠い」みたいなことを言われていることが多かったような印象がありますが、今年はなかなかメンツの濃いG1レースが多かったのではないでしょうか。

上半期の個人的ベストバウトは安田記念、次点が宝塚記念ですかね。

上位入線の馬たちは、今後も路線を牽引していってくれるでしょう。

スターズオンアースやオーソリティなど、故障してしまった有力馬もいますが、出来るだけ多くの馬が無事に秋のレースでもその雄姿を見せて楽しませてくれることを願います。

まちかね太
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まずはこの暑さでやられないように皆さまお気をつけあれ。

いつかは自分の出資馬もG1出走馬の中に名を連ねられることを願って。

まちかね太
まちかね太

それでは今回はここまで。お読みいただき、おおきにありがとさんです。

-競馬よもやま話