こんにちは、まちかね太です。
1月17日の船橋11レース・ブルーバードC(Jpn3・ダ1800)に、広尾サラブレッド俱楽部での出資馬アンモシエラが出走しました。
年末のホープフルSを実質最下位に敗れてしまいましたが、へこたれずに中2週で再び関東遠征を敢行。
今度は実績のあるダート戦。とはいえ初の地方ダート、ナイター、牡馬相手の重賞と条件は決して甘くはありません。
しかしここで好走できればこの先への視界が大きく開ける大事な一戦。
そして、実力を遺憾なく発揮することが出来さえすれば勝利する力はあるはず。
幸せはすぐそこにある!
多分!
以下、初重賞制覇を願って見ていたレースのレポートです。
出走馬プロフィール・アンモシエラ
アンモシエラ
(牝3・ブリックスアンドモルタル×サンドクイーン by ゴールドアリュール)
栗東・松永幹夫厩舎

ここまでの戦績:6戦2勝(2・1・0・0・1・2)
前走:12月28日・ホープフルS(G1・中山・芝2000)15着(→レース記事はこちら) 中2週
レースまでの状況
無念の完敗となったホープフルSでしたが、レース後すぐに上がりに問題なければそのまま在厩で1月17日のブルーバードC(Jpn3)に向かう事が発表されました。
元々もちの木賞後は「ローテが厳しくなるのでブルーバードCに向かう」と一旦発表されていたので(その後G1挑戦に変更)、本来の予定に回帰したとも言えます。
しかし間に芝のG1レースを挟んだことでの消耗度合いは誰もが懸念したところでしょうが、「特に大きな疲れや反動はなさそう(1月4日近況)」「疲れもなく元気にしており、(中略)好調子を維持できていると思います(1月11日近況)」と、まったく問題なさげな近況更新が続きます。
タフネスガール!
この調子なら過度な心配は必要なさそう。
さて、目標となる新設交流重賞・日刊ゲンダイ賞ブルーバードC。
元々はサラブレッドではなくアラブの重賞として1956年に始まったレースで、サラ系のレースに変更になったのは99年の第43回から。
その後2005年の第49回開催を最後に重賞から降格し、特別・準重賞となっていましたが、今年からのダート体系整備に伴いJpn3の格付けを与えられて重賞に復帰。
回数としては今回で第50回という表記になりますが、特別・準重賞時代も含めれば70回近い歴史を誇る由緒あるレースです。
歴代の勝ち馬としてはナイキアディライトなどが名を連ねていますね。
ブルーバードCでダート三冠第一戦・羽田盃への優先出走権が付与されるのは地方所属馬が1着になった時のみなので、アンモシエラらJRA所属馬にとっては連対しても本賞金が加算されるだけという形になりますが、今後の同世代交流重賞は軒並み中央馬の枠が少ないので、それが大事。
ここで本賞金が加算できれば、Jpn1以外の世代重賞にはほぼ確実に出走が叶うことになるでしょう。
ローテ面で大きなアドバンテージを得ることに繋がるので、直接三冠出走には寄与せずとも、ここでの結果は将来に大いに響きます。
そもそもブルーバードCからして中央馬の出走枠が3頭分しかないので、出走が叶ったのは僥倖。
実際、アンモシエラを未勝利戦で千切ったサンライズジパングなどは出走すらできませんでした。
チャンスを活かしたい!
最終的にレースの出走馬はJRA3頭、地元南関東(というか船橋)所属馬3頭、地方他地区所属馬3頭(北海道2頭・佐賀1頭)の合計9頭。
フルゲートに満たない頭数となってもその分JRA勢補欠を繰り上げるなどの措置はもちろん無く、JRA組にとって厳しい出走状況をまざまざと見せつける新体系初年度初戦となりました。
アンモシエラにとって最大のライバルと目されるのは、松永幹夫厩舎のステーブルメイトであるバロンドール(父ニューイヤーズデイ)。
デビュー戦をフォーエバーヤングの3着とした後、未勝利戦でルディックに6馬身差を付けて勝ち上がり(ちなみにアンモシエラは未勝利勝ち時にルディックに7馬身差を付けています)。
その後芝で一戦した後、12月28日の1勝C(阪神・ダ1800)を快勝してここに臨んできました。
この馬も前走から中2週、10月14日のデビューからここが5戦目となるので、アンモシエラ同様出走間隔は詰まり気味。
それでも、予想段階ではアンモシエラと同等以上の評価をされており、同厩ながら最大の難敵という事になりそうです。
松永厩舎としては、前へ行くアンモシエラ・差すバロンドールの二枚看板で展開がどう転んでも結果を出せる、というところでしょうが、馬主が違うので当事者同士は仲良くご一緒に、というわけにも行きません。
いざ尋常に勝負!
JRAからもう一頭参戦してきたのは、森厩舎の外国産馬エコロガイア(父Speightstown)。
こちらもコンスタントに使われながら2勝を挙げてきた馬ですが、2勝いずれも1200m。1400mのなでしこ賞では勝ち馬から1.0秒差の4着に敗れており、父方の血統面からも距離延長には不安が残ります。
そのあたりを考えれば、JBC2歳優駿で致命的な出遅れをしながらも3着に入った門別のブラックバトラー(父シニスターミニスター)や、全日本2歳優駿で6着に健闘した佐賀最強馬ウルトラノホシ(父ホッコータルマエ)あたりの方が怖くも見えます。
地元船橋勢としては、逃げれば渋太いバハマフレイバー(父マジェスティックウォリアー)が代表格となりますが、現状の評価としては一枚落ちとなるでしょうか。
ただし、同じく逃げ馬の門別馬カプセル(父マジェスティックウォリアー)と共に、展開面のカギにはなりそうです。
アンモシエラの枠は1枠1番に決定。
内側程深い地方の砂に加え、揉まれる展開に不安があるアンモシエラにとってはあまり歓迎とは言えない枠。
おまけにバハマ・カプセルが共に外枠となり、レースの運び方にも一工夫必要になってきそう。
鞍上坂井瑠星騎手の手綱さばきに期待が掛かります。
枠の他にも、初体験となる地方の白砂、ナイター競馬、初戦で6着に敗れて以来の左回り、などなど不安点も多々ありますが、もちの木賞で2着に下したアラレタバシルが次走で1勝クラスをあっさり勝ち抜けたように、アンモシエラの力は中央2勝馬同士でも上位と言えるはず。
牡馬相手の重賞ながら、これまでの6戦も全て牡馬と戦ってきた身、何も変わりはありません。
今回も男どもを
蹴散らしておくれ!
レース内容
かなり寒い日が続く中で迎えたレース当日。20:05発走の11レース時点での天候は晴れ、馬場は良。
アンモシエラは前走比マイナス12キロの476キロで登場。馬体重減もさることながら冬毛も目立ち、パドック周回ではかなりチャカつく様子を見せます。
うーん……
正直なところ良くは見えません。間隔が詰まり気味の中、短期間に2度の関東輸送は流石に堪えたのでしょうか……。
対し、同厩バロンドールはパドックでかなり良く見せていました。
その差もあってか、最終的な単勝人気はバロンドールが1.8倍で頭一つ抜ける形に。
アンモシエラは3.1倍の2番人気。3番人気はブラックバトラーが5.8倍で続き、10倍以下はこの3頭となりました。
その後、本場馬入場でもかなり荒ぶっていたアンモシエラ。不安は募りますが、ゲートにはすんなり収まった模様。
他馬が収まるのを待つ間ちょっと落ち着きが無いようにも見えましたが暴れるようなことは無く、大外ウルトラノホシまで全馬無事に枠に入って準備完了。
ゲートオープン!
よし!
ちょっと体が沈むようなそぶりもありましたが、まずまず好スタート。隣のブラックバトラーが今回も立ち遅れ気味だったため、広くなったスペースを駆けて前へと上がって行きます。
しかしすぐに外からハナを奪いたい馬たちが殺到。
エコロガイア、キタノヒーロー、カプセル、バハマフレイバーがドッと押しかけてくる中、アンモシエラ鞍上坂井騎手はそれらを見送ってやや外目に進路を取ろうとする動き。
ハナ争いを制したエコロガイアが引っ張る流れの中、アンモシエラは5番手で1コーナーに入ります。
向こう正面ではエコロガイアに突っかかっていくカプセル・バハマフレイバーを1~2馬身差で追走。内にキタノヒーロー、外からはバロンドールが並びかけてきました。
ん~
外から来られるのは出来れば遠慮していただきたいのですが……。
そして馬群は3コーナーへ。
アンモシエラは内目を上がって行こうとしていますが、イマイチ反応が良くないか?
一方、外から仕掛けたバロンドールはスーッと上昇。4角手前で一気に逃げるエコロガイアに並びかけんとする勢いです。
アンモシエラもジリジリ位置を上げてはいますが、遅れて外から上がってきたウルトラノホシにも手応えで劣勢か!?
んん~~?
ここでウルトラノホシが躓くような挙動を見せましたが、内側にいたアンモシエラには影響はなし。
しかしそれと関係なく、鞍上のアクションが激しくなってきた割に手応えは良くなさそう。
アカンか~!?
これでは厳しい! 残念ながら今回はここまでのようです。
それでも、4角でバテたカプセルを捌き馬場の中ほどへ持ち出されたアンモシエラは、トラブルで外目に行ったウルトラノホシらも交わして3番手にまで上昇していました。
未だ先頭を譲らないエコロガイア、それを追うバロンドールとの差は2馬身くらい。
せめてこのまま!
少しでも上位に残ってほしい、そう願って直線を見守ります。
残り200、前の2頭との差は若干広がった感じはするものの、後ろから来そうなのもウルトラノホシだけ。
3着!粘れ~!
外から迫るウルトラノホシ、しかしアンモシエラ止まらない!
差は詰まらないまま、脚色はほぼ一緒に!
よしそのまま、ん?
残り100、気づけば内で先頭を争っている2頭との差が1馬身ほどになっている?
お?
アンモシエラ、ジワジワジリジリ前の2頭に……!
お? お?
ゴールはもう目前、しかしここで追いつく!
そのまま並んで!
おおお!?
最後は風のように一気に交わし去ってゴールイン!!
うっおおおおおお~~!?
まさかの大逆転劇!!
優勝はアンモシエラ!
クビ差の2着には逃げたエコロガイアが粘りこみ、バロンドールはハナ差及ばず3着。それから3/4馬身差4着に入ったウルトラノホシが、地方勢最先着となりました。
結果
ブルーバードC(Jpn3)
(船橋・ダ1800・良)
坂井(55)馬体重476
1着(9頭・2人気)
所感
幸せの青い鳥、つかまえた!
やったぞ~!
3~4角での手応えから一度は勝ちを諦めましたが、最後の直線で外目に持ち出されてからは長く脚を使い、測ったように差し切って見事な重賞制覇!
アンモシエラにとってもそうですが、自分にとっても出資馬初の重賞勝利です!
おめでとうありがとう!
厳しい状況を覆すド根性を発揮してくれたアンモシエラの頑張りにはもちろんのこと、この結果を導いてくれた坂井騎手、そして松永師を始めとした厩舎スタッフの皆様のご尽力、クラブ関係者の皆様にも大いに感謝させていただきます!
上がり3Fのタイムでは直線で前に居たバロンドールにコンマ1秒劣っているので、脚の使いどころが勝負を分けたという事でしょう。
坂井騎手、お見事でした!
大感謝!
レースのラップが11.6 - 11.0 - 13.0 - 13.6 - 12.9 - 12.6 - 13.4 - 13.7 - 14.1であることを見れば、最後の最後に問われたのは「スピードの持続力・バテないスタミナ」であろうと思われます。
反応が良くなかったのも事実で、正直なところ馬の出来は決して良くは無かったと思いますが、そんな中でも牡馬よりもスタミナに勝るところをはっきり示してくれたと言って良いのではないでしょうか。
今回は逃げ争いが激しくなったことも助けにはなったのかもしれませんが、地方の深い砂での消耗戦はアンモシエラに合っていそう。
ダートを主戦場と定めた以上はこれほど心強い事はありません。
この先も活躍を期待して良さそうですね!
とはいえ今回は状態的にかなり無理をした可能性もあるので、まずは疲労回復が第一。
その上で、次走の希望を述べさせてもらえるなら、自分としては京浜盃(3月20日)→羽田盃のルートを目指してもらいたいなあと思います。
羽田盃の二つある(JRA組出走可の)トライアルのうち雲取賞にJRA勢では現在イーグルノワール・アマンテビアンコが出走を表明しており、ルール上雲取賞に出走した馬は京浜盃に出ることはほぼ出来ません。
サウジダービー遠征組も事実上無理となれば、京浜盃に出て来そうな中央の強豪はまだ見ぬヒヤシンスSの勝ち馬くらい(今回2着のエコロガイアはカタール遠征するようです)。
1勝クラスで強い勝ち方をした馬が出て来れば無論それも怖いですが、「5着以内かつJRA上位2頭」という羽田盃優先出走権の獲得は充分狙えます。
そして羽田盃に出てくるJRA勢は雲取賞・京浜盃に出走した組にほぼ限られるでしょうから、トライアルで好走できるなら本番でも上位を狙える可能性は高いはず。
首尾よく羽田盃に出られれば、そこの結果次第で東京ダービーを狙うか関東オークスを狙うかを決めたらいいのではないかと。
もちろん体調第一ですが!
……とまあ、つらつらとりとめもない皮算用を並べてしまいましたが、こういう楽しい妄想が出来るのも全て今回アンモシエラが頑張って重賞制覇を成し遂げてくれたからこそ。
UAEダービーに登録したという話もあるので、実際に今後どういう進路を取るのかはわかりませんが、どうなったとしてもこちらとしては楽しいものになるでしょうから、これからも存分にワクワクさせてもらいたいと思います。
「すごく寒かったのですが熱いレースをしてくれてよく頑張ってくれた(坂井騎手のレース後コメントより)」アンモシエラの健闘と大功に改めて乾杯!
まずはゆっくり休んで、また次に素晴らしいレースを見せてくれることを期待しています!
ともかく感謝感謝です!
それでは今回はここまで。
お読みいただき、おおきにありがとさんです。
(記事中の写真・公式情報は広尾サラブレッド倶楽部様公式HPより許可を頂き掲載しております。)