ワラウカド 一口馬主

王への道は一日にして成らず ヴィレム 戴冠前夜の涙雨(ワラウカド出資馬出走報)

王への道は一日にして成らず ヴィレム 戴冠前夜の涙雨

こんにちは、まちかね太です。

11月12日の京都5レース・メイクデビュー京都(2歳新馬・芝2000)に、ワラウカドでの出資馬ヴィレムが出走しました。

出資馬は当然全馬期待しているわけですが、それでもこの世代の出資馬の中で敢えて最も期待している馬を挙げろと今年初めに言われたら「ヴィレムです」と答えたくらいに期待している馬が、クラシックへの王道たる秋の京都・芝2000の舞台で、一番人気確実という状況でデビュー。

まちかね太
まちかね太

募る期待感、天元突破!

オランダ語の「ヴィレム」という名は、英語名だとウィリアム、独語名だとヴィルヘルム。ゲルマン語由来の名で、原意は「意志の兜」。

我らがヴィレムの直接の由来は、初代オランダ国王ヴィレム(ウィレム)1世(王女の一人がWilhelmina Frederika Louise Pauline Charlotte)。中世(王国成立以前)からネーデルラント随一の名門として名を馳せたオラニエ=ナッサウ家の代表的な男子名なので、その名を持つ歴史的著名人は多く、現オランダ国王陛下もウィレムの名をお持ちです。

まちかね太
まちかね太

真名にあやかり、
さあ王道を進む意志を示さん!

以下、これからの大舞台へ向けて見事名を揚げてくれることを期待して見ていたレースのレポートです。

出走馬プロフィール・ヴィレム

ヴィレム

(牡2・キズナ×ポウリナズラヴ by Mizzen Mast)
栗東・藤原英昭厩舎

ヴィレム231112

ここまでの戦績:初出走

レースまでの状況

2022年9月の新規募集に、内国産募集馬最高価格(一口あたりの募集価格では全出資馬中でも最高額)でラインナップされたキズナ牡馬、それがポウリナズラヴ21ことヴィレムでした。

母ポウリナズラヴは米国芝G2ウイナーで、半兄ファベル(父ディープインパクト)が7月末に初勝利を挙げたばかりというタイミング。
母の成績は晩成寄り、半兄のデビューは3歳4月、当時2歳の半姉ポーレット(父ハービンジャー)はアクシデントもあってまだデビューしておらず、ヴィレム自身の馬体が1歳9月にして511キロという大型馬であることもあって、仮に順調でもデビュー時期は遅くなるかもとは思いましたが、他には特段懸念点は無かったので特に迷いなく出資を決めました。

まちかね太
まちかね太

「大きい」は正義!

ワラウカドの馬は募集時点の馬体重からデビュー時馬体重がそこまで激増することはあまり無い気がしますし、デビュー時510キロくらいならむしろ理想的。
小さい馬では馬体の維持が目的化してしまいがちですし、多少故障リスクが増したとしても大きいに越したことはありません。

そうして我がチームに加わってくれたヴィレムは、意外にも(?)順調に育成を進めていってくれます。

1歳12月にファンタストクラブに移動後、1月半ば頃に熱発してしまいましたがすぐに回復。

2月からは坂路入りを開始し、早々に併走16-15/Fをこなすまでにペースアップ。
そのまま5月まで軽い頓挫すらほぼないまま順調に調整を重ね、その頃にはウッドチップ坂路15-14-14を普通にメニューに入れるようにまでなりました。

 「馬格がありますがフットワークは軽く、脚捌きに重苦しさがない(2月17日近況)」「ストライドが長くて前向きさがあります(3月24日近況)」とコメントもいいものを貰っています。
ウッドチップ坂路では当初「少し前進気勢が足りない感じはあります(4月14日近況)」というコメントもありましたが、2週後の28日近況で「ウッドチップ坂路での調教に慣れてきたこともあり、前進気勢も出てきました」とすぐにクリア。

5月頃からは課題として「トモのパワーアップ」を挙げられるようになりましたが、これは成長過程の馬としては当然の話でしょう。

6月頭に蕁麻疹が出たもののすぐに治まり、馬見に来た藤原師から「状態が良かったこととその後も順調でしたので、暑くなる前に本州に輸送してゲート試験までをトレセンで進めることとしました(6月9日近況)」と、当初の予定を早めて本州移動へのゴーサインが出ました。

まちかね太
まちかね太

良き良き。

6月13日にファンタストクラブを出発、15日に吉澤ステーブルWESTに無事到着。
熱発もなく、馬体重は500キロ。

この後の吉澤WESTでの評価が(出資者的に)テンション上がる内容で、

「馬齢なりの若さはあるものの、乗り出した時の印象では非常にレベルが高い馬だと感じました(6月23日)」「この時点であまり評価し過ぎるのは早計かも知れませんが、期待したくなる動きを背中から感じています(6月30日)」

まちかね太
まちかね太

非常ッスか?
マジで?(喜)

さすがに藤原師のコメントは「馬格がある分緩さは見られます。吉澤Westの場長の評価は高いので、自分も跨って確認したい」という至って冷静なものでしたし、時計を15-13レベルまで進めると「速いところに行った時に思っていたイメージよりも余裕で走る狡さを見せていました(7月14日)」「素質は十分にありますが、14を少し切るところまで進めてまだ物足りない部分はあります(7月28日)」と育成側もやや落ち着いてきましたが、上がった期待を殊更に下げるようなものでもありません。

そうやっておよそ1ヵ月半を吉澤WESTで過ごした後、7月28日に栗東へ入厩。

入厩後に乗り役さんに前情報なしでの感想を聞いたところ、かなり良い素質があるという反応を貰ったとのこと。

まちかね太
まちかね太

マジですか~?(喜)

まあ調教師コメントでは毎度二言目には「緩い」と出てくるので完成度は低いのだとは窺い知れますが、それでもこれだけ高評価の言葉を並べられるとこちらもその気になってこようというもの。

8月10日にはゲート試験を受験し、合格。

その後は一度追い切って現状のレベルを確認してから外厩に戻す予定でしたが、試験の疲れが回復しきらず、暑さもあってオーバーワークの懸念が出てきたため、トレセンでの追い切りは行わずに18日に吉澤WESTに帰ることになりました。

まちかね太
まちかね太

あれま……

初めてと言って良いネガティブな状況になりましたが、まだ体力が付き切っていないという事なんでしょうね。
この夏は異常な暑さでしたし、それも影響していたのかもしれません。

外厩移動後もしばらくは疲労感が残っている感じでしたが、9月半ば頃からは回復基調に。

その後もトラブルなく進み、状態も上り調子になってきたという事で、10月6日に栗東へ帰厩しました。

デビュー目標は11月12日の京都芝2000m戦。発表当初は予定は前後する可能性ありとのことでしたが、25日の更新でルメール騎手が調教に騎乗し、レースでの騎乗も依頼したと報告されましたので、この時点でほぼ目標確定です。

その後も福永技術調教師に追い切ってもらうなど、順調に調整。
調教時計も良く、坂路での最終追い切りではクラブの先輩ヴィアルークスの胸を借り、追走から大きく先着する好内容。

相変わらず近況から「緩い」というコメントがなくなることはありませんが、デビュー戦に臨む態勢としては充分整ったと見ていいでしょう。

まちかね太
まちかね太

ワクワク……

いやが応にも高まっていく期待感の中で迎えるデビュー戦はフルゲートには遠い8頭立てとなり、ヴィレムも問題なく出馬表に名を連ねることが出来ました。

しかしクラシックへの王道とも言える条件だけあってメンバーレベルは高そう。

レース当日はエリザベス女王杯が施行されるという事もあって、このレースの出走馬でメディアで最も取り上げられていたのはエヴァンジェリーナ(父モーリス)でしょう。
昨年のエリ女覇者ジェラルディーナの全妹にして三冠牝馬ジェンティルドンナの娘。鞍上はライアン・ムーア。当初予定を一週繰り上げての参戦という形になるようです。

エリ女出走馬の下はもう一頭居て、昨年の2着馬ライラックの半弟アドミラルシップ(父ゴールドシップ)が、戸崎圭太を鞍上に関東から殴り込みデビュー。

他にも好調ドゥラメンテ産駒の血統馬が2頭。
母が米国G1ウイナーのセレクト1億円ホース・ウィープディライト、スズカマンボの甥で母と兄が重賞好走歴持ちというキーチパルフェなど、8頭立てながら多士済々といっても良さそうなメンツが揃いました。

しかしこのメンツの中にあって、新聞紙上で本命印をズラッと並べているのは我らがヴィレム!

出資者としての主観視点だけでなく、客観的に見て高い評価を与えられているのには励まされます。

まちかね太
まちかね太

が、少し怖い気も……
ドキドキ……

枠は6枠6番。少頭数なのでそもそも枠を気にするまでもないかもしれませんが、いずれにせよ好走率としてはさして可も不可も無さそうな枠。
少頭数での外目・偶数番なのは、デビュー戦という事を考えれば悪くはないか。

ルメール騎手は言うほど好成績のコースではありませんが、今更腕を疑う理由はないので不安は無し。

キズナ産駒のコース相性は普通に良好。

全体的なコースとの相性データとしても悪くはないでしょう。

まちかね太
まちかね太

やれるぞ!
いざ新馬勝ちへ!

レース内容

当日5レース時点の京都競馬場は曇り、芝は良。
先週の出資馬の出走報では夏日だったと書きましたが、一週間後のこの日はどんよりとした曇り空の下に寒風が吹き、一転して肌寒い日に。

有休をもぎ取ってパドックに馳せ参じ、登場したヴィレムに(一方的に)ご挨拶。

ヴィレムは534キロで登場。さすがにまだもうひと絞りは出来ると思いますが、二人引きで一番最後尾を回っていた割にはそこまで煩い仕種も見せず(時々片鱗は見せていましたが)、他馬がエキサイトした場面でも釣られすぎるようなことはありませんでした。
力はちゃんと発揮できる状態だったと思います。

ヴィレムの人気は最終的に1.8倍にまでなっていたようです。以下エヴァンジェリーナ(4.2倍)、アドミラルシップ(7.0倍)、ウィープディライト(7.4倍)までが10倍以下の評価。

返し馬は見られませんでしたが、ゲート入りまでの進行はスムーズ。パドックでテンション高めの馬が多かった割に枠入りは遅滞なく進み、大外カチドキもすんなり入って準備完了。

ゲートオープン!

まちかね太
まちかね太

んん!?

ヴィレムは若干もっさり加減のスタートだったように見えましたが、すぐに行き脚がついて前へ押し上げていきます。
内から先手を取ろうとするヤマニンエジェリーに並走するように迫りながら、1コーナーへ。

結局コーナーワークでヤマニンエジェリーが半馬身から1馬身ほどのリードを奪いましたが、ヴィレムも2番手をがっちりキープ。
1馬身ほど後ろを、内目からエヴァンジェリーナ、外目からアドミラルシップが追いかけ、その2頭の間に挟まる形でキーチパルフェ。
後方の馬たちも含め、全馬が先頭から6~7馬身圏内に収まる密集状態のまま、かなりのスローペースでレースは流れていきます。

向こう正面は大きな動きもないまま淡々と通過。馬群は3コーナーへ。

3~4角に掛けて、ヴィレムがここで進出を開始。ヤマニンエジェリーの外側から徐々に被さって行こうとしています。
ほぼ同時に後ろから上がって行ったのはアドミラルシップ。ヴィレムのさらに外から並びかけて来ようとする動き。
エヴァンジェリーナは相変わらず一歩遅れた内目、その横にキーチパルフェ。その列には外から後方にいたウィープディライトが並びかけてきました。

さあ直線へ!

アドミラルシップはコーナーワークで追いつき切れず、先頭で並ぶのはヤマニンエジェリーとヴィレム!

手応えはヴィレムの方が上!

まちかね太
まちかね太

さあ行け!

ヴィレム、満を持して先頭へ!

残り200、ジワジワとヤマニンを引き離していくヴィレム、1馬身のリード!

外から追いかけてくるのはアドミラルシップ、内からは強引な進路取りでキーチパルフェが迫る!

まちかね太
まちかね太

そのまま!

ヴィレム鞍上ルメール騎手、ムチを振るう!

しかし伸びたのは外のアドミラルシップの方だ!?
ヴィレムとの差が少しずつ縮まってくる!?

まちかね太
まちかね太

やめて~!!

内からはキーチパルフェも脚を伸ばし、ヴィレムが3頭の真ん中に!
それでもヴィレムはなお先頭!

まちかね太
まちかね太

そのまま~~!!

残り100、ヴィレムが先頭!

並ばれそうになってから根性を発揮したヴィレム、内外の2頭に対しまだクビほどのリード!

キーチパルフェはここで付いていき切れなくなったか失速気味、しかしアドミラルシップはお構いなしにグイグイ迫る!

まちかね太
まちかね太

そのまま~~~!!

ヴィレムとアドミラルシップ、その差はもうアタマほど!

並ぶ!

だがヴィレム抜かせない! しかしアドミラルシップ止まらない!

ヴィレム、アドミラルシップ、ヴィレム、アドミラルシップ、2頭鼻づら揃えて、

ゴーーールイン!!

まちかね太
まちかね太

あーーーーー!!

ゴール寸前にアドミラルシップがわずかに前へ出たように見え、ゴール後の勢いは完全にアドミラルシップ優勢でしたが……。

見間違いか目の錯覚かカメラ角度の問題であることを願いながら待った写真判定の結果は……。

優勝は、アドミラルシップ……。

まちかね太
まちかね太

あああ~~~~

ヴィレムはハナ差の2着。

1馬身1/4差の3着にキーチパルフェという結果で決着しました。なお、エヴァンジェリーナは6着。

結果

メイクデビュー京都(2歳新馬
(京都・芝2000・良)
 ルメール(56)馬体重534

 2着(8頭・1人気)

所感

まちかね太
まちかね太

あああ~~~

く・や・し・い~~~~!!

あと一歩だったのに、というかあと一歩早ければ、というか、表現はともかくあと少しで勝利がスルリと逃げていってしまいました。

勝ち馬には終始マークされて「相手はヴィレム1頭」という決め打ちの競馬をされましたから、実力的には勝ち馬になんら引けを取るものではないのはもちろん明らかですが、なればこそ余計に悔しい。

負けた後に見計らったように雨が降ってきたので、物悲しさすら感じる……。

戸崎サンもこんなスナイパーみたいなレースが出来るなら、なんでキングズロアに騎乗した時にはあんな勝つ気のないゲフンゴフン。

まちかね太
まちかね太

……失礼、取り乱しました。

ともかく今回は、相手の騎手の戦術とそれに応えたアドミラルシップを称賛するべきでしょうね。

ヴィレムには特に見劣るところはありませんでした。

もちろんそれは「相対的な力関係では」という面の話であって、直線に入ってからフラついて他馬に不利を与えてしまったように、自身への課題はきっちりあります。
瞬発力勝負で後れを取ったという見方もあるでしょうし。

ただそれでも、このどスローの中でもきっちり折り合えましたし、直線苦しい場面にあっても最後まで走り切りました。
500キロを大きく超える大型馬で、もうひと絞り出来る状態で初戦からここまで走れたのですから、叩いて順当に良化すれば未だ成長途上とはいえ順番はすぐに回ってくるはず。

そうは言っても勝てると思っていただけに、新馬勝ちを逃したのは返す返すも残念ではあります。

しかし、同日のエリザベス女王杯でも勝ったブレイディヴェーグを始め上位5頭中3頭は新馬勝ちを逃した馬ですし、新馬戦の結果が全てではないというのもまた自明。
大事なのは負けた後、これを活かしていけるかどうかです。

まちかね太
まちかね太

ローマは一日にして成らず!

そしてどういう道筋を辿ったとしてもいずれ最上位の舞台で戦えるようになってくれれば、初期の手痛い敗戦もいずれは笑い話です。○○が○○に何で負けたんや、みたいな話はよくあります。

まちかね太
まちかね太

すべての道はローマに通ず!

今回は戴冠成りませんでしたが、ヴィレムにも今回の敗戦を次走以降より上を目指すための糧にしてもらえれば。

敗戦から始まったヴィレムの道、それもいずれは光輝なる玉座に繋がることを信じて!

まちかね太
まちかね太

今後も全力応援!
それでは今回はここまで。
お読みいただき、おおきにありがとさんです。

(記事中の写真・公式情報はワラウカド様公式HPより許可を頂き掲載しております。)

-ワラウカド, 一口馬主
-, ,