こんにちは、まちかね太です。
1月29日の小倉11レース・巌流島ステークス(3勝C・芝1200)に、広尾サラブレッド俱楽部での出資馬ドグマが出走しました。
3ヵ月半ぶりのレースだった前走では馬体を戻し、直線で(モタれるシーンはあったものの)見事な差し脚を披露して快勝。
そこから中2週で臨む今回は、準オープンクラスに昇級しての初戦という事になります。
普通の競馬ファンにとっては準オープン級であっても一介の条件馬扱いでしょうが、一口馬主視点で見るとこのクラスは相当なエリートクラス。
皆ここまでに3勝相当の実績を積んでいるだけに当然勝ち抜けも容易ではなく長く滞留する馬も多いですが、ちょっと負けが続いていても忘れた頃に突っ込んでくるというタイプの馬も珍しくない魑魅魍魎の蠢く世界。
ドグマには妖怪の一員に加わらないよう、早々に目途を立てて欲しいところです。
もちろん昇級戦が楽になる訳もないことは百も承知、またほぼ1年前に同じコースのかささぎ賞(1勝C)で7着完敗を喫しているのは不安材料ではありますが、前走で成長した姿を見せてくれたドグマの力はこのクラスでも力は十分通用するはず。
とはいえまずは目途を。
もちろん、あわよくば一気に……との思いも当然抱いていますが。
以下、レースのレポートです。
出走馬プロフィール・ドグマ
ドグマ
(牡4・キタサンブラック×ショウナンカラット by ブライアンズタイム)
栗東・武幸四郎厩舎

ここまでの戦績:10戦3勝(3・2・0・1・2・2)
前走:1月8日・4歳以上2勝C(中京・芝1200)1着(→レース記事はこちら)中2週
レースまでの状況
快勝した前走後、調教師サイドからは「時間をかければさらに良くなってくる」「ゆくゆくはオープンまでいける器だと思っています」というコメントが出され、期待感の高さが示されました。
しかし、このコメントに対し穿った読み取り方をすれば「今はまだオープンに行くにはちょっと足りない」とも取れる言葉であるとも言えます(実際のコメントが近況報告に翻訳される際にニュアンスが変わっている可能性もありますが)。
休養放牧を挟みながら使ってきたことがここまでの成長に繋がってきたという認識もあるようで、当初はそのまま続戦するかどうかは微妙な感触でした。
しかし1月19日の近況更新で、状態に問題が無さそうという事で継戦が決定。
目標とされたのは中2週となる1月29日の巌流島S。
武豊騎手には同日に他場の重賞騎乗予定がある為、鞍上は西村淳也騎手に変更になる事も同時に発表されました。
悪くないんじゃないすか。
裏開催で確保できるジョッキーとしては最上級レベルの一人でしょう。
個人的にはこれまで出資馬に3度騎乗してもらって8着が最高着順なのであまり相性がいいとは言えないのですが、それは今回のレースとなんら因果関係があるわけでもありませんし。
巌流島Sはハンデ戦で、レース当週に発表されたドグマの負担重量は56キロ。妥当なところでしょうか。
同日のシルクロードS-G3にも登録はされ、斤量も軽かったですが、陣営は予定通り巌流島S出走を選択。
中間は列島を襲った大寒波の影響を避けるために追い切りを火曜日に済ませるなど微妙な予定狂いはあったようですが、概ね順調に調整は進んで無事に出馬確定となりました。
レースはフルゲート18頭が埋まりましたが、前2走以内でこのクラス複勝圏内に入っているのは2頭だけと、やや停滞しているメンツが多そうな構成。
その中にあって最大のライバルは、前2走どころか前4走連続で複勝圏好走を続けているスンリ(父キズナ)。ただし女だてらに56キロを背負い(実質トップハンデ)、枠も大外と極端。付け入る隙は充分ありそう。
ドグマは新聞紙上での印ではそのスンリと互角、もしくはそれ以上といった感じ。昇級戦としてはずいぶん評価されているようです。
他の人気サイドはブレスレスリー(父アメリカンペイトリオット)、カフジテトラゴン(父キズナ)、クリノマジン(父ビッグアーサー)、ファイアダンサー(父パイロ)など。
また、ドグマの一歳上の半姉カバーガール(父ダイワメジャー)も出走馬に名を連ねており、初の姉弟対決になるのも地味なトピック。
枠は6枠12番に決定。
勝率はやや低めに出ている枠ですが、小倉の芝は外差し馬場になってきているので、外過ぎない程度に外寄りの偶数番というのは悪くないのでは。
西村騎手の過去3年コース実績は、アベレージとしては意外と……な感じではありますが、騎乗回数が多い分勝利数も多いので不安視するほどのものではありません。
キタサンブラック産駒のコース実績は、勝率はそこそこありますが試行回数自体が少ない(15戦2勝)ので参考の域を出ません。
ただ、ドグマ自身が1年前のかささぎ賞で7着完敗を喫しているのは気にはなります。
ここまでにドグマが掲示板を外したのはたった2回、そのうちの一つですからね(もう1回は重賞のデイリー杯2歳S)。
こう見ていくとデータ的にコース相性で強調面はなさそうで、実際の戦績からは不安の方が先立つ感じではありますが……。
しかしかささぎ賞の負けから1年、あの頃とは馬の成長度も違うはず。
コースに1年越しのリベンジを!
レース内容
寒波の影響で小倉競馬は前日の夜間発売がありませんでしたが、無事に開催の運びに。
とはいえ11レース時点の天候は曇り、芝は重での施行となりました。
ドグマは前走比プラス6キロの496キロで登場。プラス22キロだった前走から更に増えましたが、個人的には輸送があっても減るどころか増えたのはむしろいいと思います。
パドックでは相変わらずチャカチャカしているようですが、これはいつものこと。
人気はドグマがずっとリードしていましたが支持率はそう高くもなく、最終的に4.1倍の1番人気。経験則的にはだいぶ危ない1番人気オッズです。
そ、それでも1番人気には違いないから!
2番人気はスンリで5.7倍。以下カフジテトラゴン6.7倍、ブレスレスリー7.6倍、クリノマジン8.3倍と続き、ここまで5頭が10倍以下でした。
進行は支障なくゲートインも順調に大外スンリまで枠入り。ゲート内で7番コスモアンジュとその周辺がガチャついていたためちょっと待ちましたが、タイミングを見計らってゲートオープン!
んんっ!?
ドグマ、上に飛び跳ねるような感じのスタートになりましたが、出遅れにはならずそのまま一気に3番手くらいを狙おうかと勢いで駆けあがります。
しかし、少し進んだところで急に顔を内側に向け後退。
引いた?
差し作戦を取るために抑えたのでしょうか?
ドグマは、サトノジヴェルニー・ブレスレスリー・タマモティータイム・コスモアンジュで形成された先行争い集団を直後で見る集団の外側に付く形になりました。
しかしそのまま差し態勢に入るかと思いきや、すぐに再上昇を開始。
んんー?
先行争いから遅れて4番手になっていたブレスレスリーの外に並びかけ、そのまま交わしていこうとしています。
そんなドグマのクビは高く、口も割っているように見えるぞ!
引っ掛かっとるんか!?
そこまで激しいアレではありませんが、騎手と折り合えているようには見えません。
ドグマはそのまま4番手で3コーナーへ。逃げるサトノジヴェルニー、2番手タマモティータイムとの差は4~5馬身ほど。互いに馬場の内側を大きく空けて走っています(特にドグマはかなり外からカーブ)。
ここでドグマの更に外から被さろうとしてきたのがファイアダンサー。
やめてー!
ドグマは直線で外から被されるとそこでレースをやめる傾向があると思っているので、この位置関係は嫌です。
しかしドグマはそんな勝手な不安を吹き飛ばすように4コーナーへ向けて一気に前との差を詰め、あっという間に前2頭の直後まで迫って直線へ向きます。
手応えも充分そう!
おおっ!?
予想外の展開でしたがこれはもしかしてイケるか!?
直線、前の組で1頭だけ最内を突いたコスモアンジュがコーナーワークで先頭に立ちます。
他は皆かなり馬場の外側に持ち出し、2番手となったサトノジヴェルニーを更に外から追いかけるドグマ。
タマモティータイムは失速気味で、ドグマに付いて来たファイアダンサーは振り切り、馬場のきれいな部分を通って追撃態勢。
自身の外には誰もおらず、鮮やかな末脚を繰り出した新馬戦の光景がフラッシュバック。
新馬戦の再現や!
行っけー!!
残り200手前、西村騎手が手綱を大きく動かし、ムチも入ります!
ドグマは……!
ん、んー!?
あれ、思ったほど伸びないな!?
サトノジヴェルニーにもなかなか追いつけず、モタモタしている内に内寄りから伸びてきたクリノマジンが同じくらいの位置まで上がってきてしまいます。
このままでは……。
さらに200過ぎからは、ドグマの更に外側に進路を取った後方待機組が一斉に強襲!
中でもスンリの脚が抜けている!
大外からスパートすると、残り100地点で勢いのままドグマをあっさりと飲み込み突き抜けていきます!
ああ~~
その頃には内側のクリノマジンもドグマより前に出ており、スンリに遅れて伸びてきた他の後方組も続々と襲来。
ドグマも止まってはおらずサトノジヴェルニーやコスモアンジュは抜きましたが、強襲グループとの勢いの差はいかんともしがたく、一斉に迫られ交わされたところでゴールイン。
ぐぬぅぅ……
レースはスンリが突き抜けて優勝。内を掬おうとしたクリノマジンが半馬身差で2着。更に3/4馬身差で、スンリと同じような位置から追い込んできた8番人気グランレイが3着。
ドグマは、5着ダノンシティとアタマ差の6着に終わりました。
結果
巌流島S(3勝C)
(小倉・芝1200・重)
西村(56)馬体重496
6着(18頭・1人気)
所感
このコースは鬼門。
4コーナーではもしかしてとも思いましたが、やっぱり先行すると末が甘くなってしまいますね。
まあ今回は普通の先行ではなく引っ掛かっての先行だけに、余力がなくなるのも道理というものではありますが。
ただ、この先行策はやはり騎手の意図したものではなく、スタート後に他馬に当てられて馬が怒ってしまったのが引っ掛かってしまった原因のようです(タマモティータイムの亀田騎手に過怠金10万円)。
スタート後に引いたのかと思ったあのシーンですね。
不利があったのは残念ですが、多頭数での競馬だけに仕方がないところもあります。
また、だいぶ前の話ですが昨年3月の1勝クラス戦を2着に敗れた際に当時の鞍上戸崎騎手が敗因の一つとして馬場が緩かったことを挙げているので、重馬場が合わなかった可能性もあるのかもしれません(新馬・1勝C勝利時は稍重ですが)。
まあつまり、
運も悪かった。
ということかもしれませんが、ほぼ一年ぶりに掲示板を外したレースがまたも小倉芝1200だったという事で、リベンジどころか返り討ち。
このコースがドグマにとって鬼門であるという印象は強くなりました。
とはいえ勝ち馬からはコンマ3秒差。見せ場もあったと言っていいでしょうし、昇級戦として考えればそこまで悪くもない結果だったと思います。
最近はかかりグセもマシになってきていたので、今回の事はイレギュラーでしょう(ですよね?)。
本来の末を活かす戦法に回帰すればもっと上を狙っていけるのは間違いないと思いますので、悲観する必要は全くないかと。
この後は「フィジカル面はもちろん、メンタル面も整えてあげてから、また次走を検討していきたい(武幸四郎師)」という事で、仕切り直しを図るために2月2日にチャンピオンヒルズに放牧に出たようです。
リフレッシュした後は、今回の経験も糧にして上昇していってほしいですね。
それでは今回はここまで。
お読みいただき、おおきにありがとさんです。
(記事中の写真・公式情報は広尾サラブレッド俱楽部様公式HPより許可を頂き掲載しております。)