こんにちは、まちかね太です。
3月25日の中京6レース・3歳未勝利(芝1600)に、ワラウカドでの出資馬ヒズハイネスが出走しました。
育成開始当初は素軽い動きを褒められ、早い時点での本州移動も模索されていたヒズハイネスでしたが、好事魔多し。
昨年4月22日の近況で骨瘤発症を報告されて以来、少し良くなったかと思えば新たな骨瘤を発症する事が続き、良化・安定がはっきりした9月16日の近況まで、実に22週連続で近況コメントの中に「骨瘤(もしくは骨りゅう)」という言葉が登場し続ける事態に。
皇族への敬称「殿下」を意味するその名に掛けて「骨瘤殿下」「骨瘤王子」との愛称をいただくことになってしまいました。
良化後はすぐに本州に移動しましたが、まる4ヵ月以上まともに調教を出来なかった影響は流石に大きく、特に体力面でのビハインドのせいでなかなか態勢が整いませんでしたが、3歳春を迎えてそう悠長なことも言ってられないという事か、ここでデビューが決定。
陣営は「まずは経験を積んでから」という試走感を隠しもしていないので、勝ち負けまで期待するのは流石に酷ですが、まずはアクシデント続きの中でもデビューを迎えられたことを素直に喜びたい。
大慶至極!
とはいえそれだけでもどうにもならないので、今後につながるような見せ場の一つも作って欲しいなあ、と思いながら見ていたデビュー戦のレポートです。
出走馬プロフィール・ヒズハイネス
ヒズハイネス
(牡3・モーリス×プリンセスプリンセス by Discreet Cat)
栗東・斉藤崇史厩舎

ここまでの戦績:初出走
レースまでの状況
栗毛のモーリス産駒。母の初仔という事もあってか募集開始時470キロとワラウカドにあってはやや小柄感のある馬でしたが、「馬体面では紹介する募集馬の中でもベストの1頭であると感じております」とハリー氏の評価も高く、個人的な出資基準を満たした栗毛馬という事で特に迷いもなく出資しました。
21年12月からのファンタストクラブでの育成開始当初は「気が強く行きたがるところがあるものの動きは素軽く、速いところを行けば動きがいい」と上々の評価を貰っており、順調に調教メニューを消化。
22年4月8日の近況では様子を確認した斎藤師から「順調に育成できている」「夏前に移動させられるかどうかも含めて、次の来場時に確認したい」と、移動の示唆まで出ていました。
これは期待できそう!
しかし、期待が高まった時に限ってアクシデントは起こるもの。
4月22日の近況で右前肢に骨瘤が出てきているとの報告が。
この時点では痛みはないという事で程度は軽いものだと思われ、調教ペースアップによる疲労が溜まっていたこともあって、「良いタイミングですので少し軽めに進めて痛みの出ないうちに固まるのを待ちたい」「この期間を利用して身体を作って更なるレベルアップを図って行きたい」と、災い転じて福と為していこうという方針に。
その後ひと月ほどは様子を見ながら軽い調整に終始。
5月27日に斎藤師から「休ませた分どうしても馬体が緩くなっていますので、今後どの程度で馬体が戻るかにもよりますが、暑い時期の移動は避けたいと考えています」と移動時期の延期について述べられました。
さもありなん。
状況的に仕方のない事です。
しかしこの後、状況は良化するどころか逆に悪化の一途をたどる事に。
徐々に調教ペースを戻しつつあった6月3日の近況では、坂路調教を軽快にこなしつつも右前の骨瘤に加えて左前にも骨瘤が出来ているとの報告。
この時点では痛がる様子は無かったとの事ですが、この翌週の近況で痛みが出てきてしまい、ケアの為再び軽い調整に逆戻り。
様子を見つつまた少しずつペースを戻していった7月8日の近況で、新たに右前に骨瘤が見つかり、痛みもあるとの報告。
ああ……
ことここに至って完全な仕切り直しを余儀なくされ、安静療養の為に一度育成場を離れ、パカパカファームに戻る事になりました。
3週ほどの療養の後、7月末にファンタストクラブに再移動するも、痛みは残っていた様で一か月ほどは軽い調整止まり。
ようやく痛みが無くなった事が報告されたのは8月26日の近況で、以降はケアしつつも休みの影響を取り除くべくペースアップが図られていきます。
そして9月16日の近況で「本格的に乗り込みを始めて間もないこともあり強化すべきところは多いのですが、本州に移動させて目の届くところで調教を進め、タイミングが来たらすぐにトレセンに入れられる体制を取りたい(斎藤師)」と、近いうちにチャンピオンヒルズに移動する旨が発表されました。
ふう……
安心するには遠いですが、どうにか一山超えたというところでしょうか。
10月頭にチャンピオンヒルズに移動し、直後に熱発はしたもののその後は順調に調整。
しかし、「体力面での物足りなさは感じます」「トモの力がまだ不足しているので、良化の余地が多い」など、全体的に状態の足りなさを指摘され続けられる毎日。
……まあしゃーない。
なにしろついこの間まで安静状態だった馬ですから……。
というわけで体力強化は道半ばですが、精神面での成長を促すためにもゲート試験までは進めてみるという調教師の意向もあり、12月8日頃にとりあえず栗東入厩を果たしました。
が、直後に右前脚跛行。
ギャー!!
もう勘弁して~、という感じでしたが、「蹄球が少し腫れて膿が溜まった感じはありましたが、程度は軽く排膿した様子がないまま状態が回復しました(斎藤師)」ということで幸いにも大事には至らず。
そのまま在厩し、12月23日にゲート試験に合格しました。
しかし、やはり体力面で相当厳しいという見立てで、外厩で鍛えるべく宇治田原優駿ステーブルへ移動。
ただそう一朝一夕にどうにかなるようなものでもなく、「全体的にシルエットが細く見えるので腰や背中に筋肉が欲しいのですがなかなか身になってきません」、さらに飼い葉食いもあまり芳しくなく馬体も大きくならない(2月24日近況で462キロ)という事で、厳しい状況が続きます。
それでも「経験を積ませるとガラッと変わる馬もいますので」と、一度レースを使ってみようと2月末ごろに帰厩する予定が発表されました。
そして2月28日に栗東帰厩、一応は順調に追い切りを重ねていきます。
調教師の評は「精神面では一定の成長が見られるものの、体力面に関してはまだ足りない」というもの。
それでも徐々に調教が形になってきたこともあって、3月15日の近況で3月25日の中京芝1600未勝利戦でデビューすることが発表されました。
「先々は1800m〜2000mで行きたいとは感じていますが、現状は体力面などで距離面の厳しさがあり、少し短いとこの馬にとっては競馬が忙しくなりすぎる可能性もありますので、この条件でやりたい(斎藤師)」との事。
その後レースまでの追い切りでは悪くない時計も出していましたが、コメント的には陣営が初戦から勝ち負けを狙っているわけではないのは明白です。
でもとりあえずデビューまで漕ぎつけた!
色々ありすぎたので、まずはその事をありがたく思っておきます。
さて、そんなこんなでついに迎えたヒズハイネスのデビュー戦となるレースは、この時期だから当然ですがフルゲートの16頭が埋まりました。
その16頭のうちヒズハイネスも含めた10頭がデビュー戦、5ヵ月以上の休み明けが3頭(そのうち2頭はキャリア1戦)というほぼ新馬戦のようなメンバー構成ともなりましたが、そうなると有力視されるのは前走好走して優先権を確保し、詰まった間隔で順調に使ってきた馬。
ここ3走5→4→3着と来ているサウンドレイラ(父イスラボニータ)、前走2着のディオース(父ヴィクトワールピサ)が人気の中心を形成します(もう1頭の優先権保持馬は前走5着のブレスユアスターズ)。
ここがデビューの馬の中ではホウキボシ(父Zoustar)、ルージュレヴール(父モーリス)、プリンクアップ(父Cracksman)あたりの評価が高いようです。
我らが骨瘤殿下ヒズハイネスは、ほぼ無視された存在。
そうやろうね。
枠は5枠9番。好走率的には可もなく不可もなく。
鞍上小崎綾也騎手の過去3年コース実績はアレな感じですが、今回は対戦騎手にもそこまでコース得意な相手はいないので、相対的にはまあ……。
モーリス産駒のコース実績は、勝率は中の上と言ったところですが連対率・複勝率は高く、充分期待できるでしょう。
まあ今回はデータがどうとか以前に、まずは無事に、そしてまともにレースに参加してくれれば。
出来れば見せ場は欲しい!
頑張れ殿下!
レース内容
週末は悪天候に見舞われましたが、当日6レース時点では雨は降っておらず中京競馬場は曇り。それでも芝は重のコンディション。
当日にルージュレヴールが出走を取り消し、15頭立てとなりました。
ヒズハイネスは446キロで登場。もう少し大きくなってくれれば、というのがホンネですが、太くも細くもなさそう。
ただパドック映像に映っている範囲ではかなりチャカチャカしていて、落ち着きは見られませんでした。
最終1番人気はサウンドレイラ(2.4倍)。以下プリンクアップ(3.9倍)、ディオース(6.6倍)、ホウキボシ(6.9倍)までが10倍以下。
ヒズハイネスは59.1倍の11番人気でした。
……そうやろうね。
出来れば見返す走りを見せてくれたら嬉しき。
パドック後の進捗は順調に進み、大外プリンクアップまでゲートインもすんなり終わって準備完了。
ゲートオープン!
騎手が馬上でおかしな動きをして出遅れた馬がいるぞ! 赤い勝負服だ!
殿下ー!?
ヒズハイネスやんけー!!
騎手の動きは馬がかなりクビを上げていたせいか?
見た目の印象程大きなビハインドではありませんが、とにかく出遅れ!
が、直後に鞍上がちょっと促すしぐさを見せると、ここからヒズハイネスは一気にビューッと前へ上がっていきます。
お?
とはいえ位置を取るところまでは行かず、2コーナーに入る頃に馬群の最後尾に取り付く形になっただけですが、既に流れに付いていけていない馬が2頭ほどいる中で、ヒズハイネスは特段追走に苦労しているようには見えません。
よしよし。
後方とはいえ、目前には人気の一角ディオース。ちょうど目標に出来る位置関係でもあり、悪くない形では。
あとは体力が保てば……
3~4コーナー、勝負所で前がかりになっていく馬群に、ヒズハイネスも取り残されずに食らいつきます。
そのまま直線に向き、最後の攻防。
馬場の中ほどに出したヒズハイネス。前方にいたブレスユアスターズがフラ付いてヨレたことで一瞬目の前がオープンコースになりましたが、そこを突いて一気に伸びるだけの脚は流石になし。
しかし、バテずにジワジワ来ているのが見て取れます。
内でバテた馬たちは何頭か交わせそう!
一つでも上に!
残り100以降はカメラが先頭争いにフォーカスしてヒズハイネスは画面から消えましたが、先頭が入線後ゴール板前で固定されたカメラには、中団よりは後方でしたが、そう差もなく流れ込んだ赤い勝負服が映っていました。
レースを制したのは人気のサウンドレイラ。ハナ差2着はここでデビューのスマートヴィーヴル、さらにクビ差3着もデビュー戦のローブドゥマリエ。
ヒズハイネスは10着で入線していました。
結果
3歳未勝利(中京・芝1600・重)
小崎(56)馬体重446
10着(15頭・11人気)
所感
それなりに頑張ったのでは。
10着という結果ですし、道中同じような位置にいたローブドゥマリエがあわやの3着まで行ったこともあるので喜ぶわけにもいきませんが、レース前の感触からすると出遅れたにもかかわらずきっちり流れに付いていくことが出来て勝ち馬から0.9秒差で納められたのはまずまずポジティブに捉えても良いのでは。
人気順よりは上やし……
ローブには置いていかれたとはいえヒズハイネスも上がりは5位タイなので、それもレースに参加出来ていたという証左にはなるでしょう。
重馬場が彼我にどう影響していたかがわかりかねる部分もあるので、このレースだけで一概にどうこう言う事も出来ないのでしょうが、それこそ経験を積んでレース慣れすれば充分にやっていくことは出来そうにも見えました。
無論欲目はあるでしょうが。
元々今回は一度使って経験を積ませるというのが主眼に置かれていたので、少なくとも悲観する必要はないかな。
もちろんレース後に馬が無事であるというのが前提ですが、試金石になるのは次です。
出遅れなどの課題を少しでも克服してくれれば、もっといいレースも出来るはず。
ただ、続戦するにしても芝のレースは優先権がないと計画的な出走は難しい現状。特にマイル前後では今回のような状況になりかねません。なかなかローテ選択は難しそうです。
今回重馬場でも最後まで止まらず走り切ることが出来たので体力面の懸念も多少は払拭出来たと考えて、マイルは早々に卒業し本来の適性と見込まれる中距離戦に討って出るか、それとも母系の血からダート戦に活路を見出そうとするか。
もう時間に猶予もない中、どういう針路を取るのかには注目させてもらいます。
そしてどういうルートを選んだとしても、経験値を積んだヒズハイネスが次走で一つレベルアップした姿を見せてくれることを願って。
カッコいいとこ期待してまっせ、殿下!
それでは今回はここまで。
お読みいただき、おおきにありがとさんです。
(記事中の写真・公式情報はワラウカド様公式HPより許可を頂き掲載しております。)