こんにちは、まちかね太です。
10月2日の中京4レース・メイクデビュー中京(2歳新馬・ダ1400)に、広尾サラブレッド俱楽部での出資馬ドンカルロが出走しました。
出資者の方々ならご承知の通り、それはもう色々とあった馬ですが、当の馬自身には何もあずかり知らぬこと。
それに、ドンカルロの名前の元ネタ(と思われる)ヴェルディ作曲・シラー原作のグランドオペラ「ドン・カルロ」でのスペイン王子ドン・カルロ役はテノール歌手の役柄なので、牡馬としては体格がない今のドンカルロの方が筋骨隆々だった元ドンカルロ(個人的イメージではバリトンっぽい)よりも名前のイメージは合っているかもしれません。
ドンカルロがゲシュタルト崩壊
しそうな文章になってしまった……
ただ、名前とのイメージ一致性がどうあれ馬体が大きくないことは競走馬としては懸念材料になってしまうわけで、育成時代からずっとそのことは言及され続けており、入厩してゲート合格した後にも馬体を戻してデビューさせたいからという理由で一旦外厩に出されました。
が、わずか一週間で栗東に戻ってくるという謎ムーヴ。
そして「10月8日以降の阪神開催、1400mくらいで」と提示されていたデビューが、いきなり10月2日の中京ダート1400戦に決定。
本当になんの前触れもなく、水曜の想定にもいないのにいきなり木曜日に出走確定の報を聞いて、
えっ、聞いてへんけど?
となった出資者の方は私以外にも多かったのではないでしょうか。
・1400は1400でもダート?(以前は芝向きのようなことを言われていた)
・帰厩してから2週間しか経ってないけど大丈夫?
・そもそも馬体をふっくらさせたいという話はどうした?
などなどの疑問点もありますが、「想定の段階では相手関係、頭数ともに落ち着いていましたので、予定を前倒しして今週末のレースに使ってみようかと(高柳大輔師)」という事で、使う方としては勝算ありと見ての急遽予定変更だったようです。
そうは言っても、経過を見ているだけの身としては不安の方が先立つのは事実。
むろんデビューの舞台で主役として活躍してほしいのはやまやまですが、どうしても端役止まりになるかもという不安はぬぐえない。
とりあえず次走以降で
上位入線を狙える
目途が立てられれば……
まずは無事に、出来れば目指せ掲示板。
それぐらいの気持ちで見ていたレースのレポートです。
出走馬プロフィール・ドンカルロ
ドンカルロ
(牡2・ドレフォン×レトロクラシック by ディープインパクト)
栗東・高柳大輔厩舎

ここまでの戦績:初出走
レースまでの状況
紆余曲折ありましたが結局再募集に応じ、改めて我がチームの一員となったドンカルロ。
3月に育成場をシュウジデイファームに変更された後、「やや神経質」「目方が増えない」とは言われながらも、6月に軽いソエの症状を示した以外は概ね順調に育成が進み、7月28日にチャンピオンヒルズへ移動しました。
そこでも「体つきに余裕ができるタイプではありません」「普段から神経を使っているようなところがあります」と言われてしまいますが、「速めを行っても飼い葉はしっかり食べられているし、神経質と言っても単なる怖がりとは異なり、いつも頭脳を使って物事を考えている性格のように思います」と、悲観しすぎることはなさそうなニュアンスも。
馬見に来た調教師も問題ないとの判断で、まずはゲート合格を目指して8月20日に栗東入厩。
一時駐立が不安定になるなどして多少時間を要したものの、9月7日にゲート試験に合格しました。
その後、「食べたものがなかなか身にならず、体つきがフックラしてこない(高柳師)」という事で、駆虫薬の処置などを施した後、「牧場でさらに乗り込みながら再入厩のタイミングを窺っていきたい(同師)」と、9月10日にチャンピオンヒルズへ戻りました。
外厩では「体つきがもう少し戻ってきてから速めの時計を出していければと思います」というコメントが出ていたので、馬体回復とその後の調整で1ヵ月程度は滞在するものかと思っていたら、19日の近況更新で17日に既に栗東へ戻ったという報告が。
……???
一週間で終わり?
しかもその近況には「短期でのリフレッシュを経て」という枕詞が付いておりました。
そんな事一言でも
言ってたっけか?
馬体重の発表はなかったので、もしかすると本当に一週でフックラしたという可能性もありますが、多分厩舎の馬房に急遽想定外の空きが出るなどして、ゲート合格してある程度仕上がってもいるドンカルロを補欠要員として呼び戻したんじゃないかなあ、などと邪推してしまうのは許してほしい。
とはいえ私個人は、体が小さい馬は無理に大きくしようとしなくてもいい……ありていに言えば、
無いモンはどーしょーもないし、
有るモンで戦う方法を考えようや!
という考え。
人間でも、必死で牛乳がぶ飲みしたところで急に背が高くなれる子など一握り。
馬も、もし大きくなれる素地があるなら適切なトレーニングをしていればいずれ時期が来れば大きくなるでしょうし、遺伝的に限界がある場合はどれだけ飼い葉を食わせようがただ太るだけでしょう。
無意味な成長待ちの時間がもったいないので、小さいままなら小さいままで工夫してレースを使っていってくれる方がありがたい。
ドンカルロに関しても、戻して早期にデビュー(22日の近況で10月8日以降の阪神1400を目標にと言及されました)を目指してくれるのは嬉しく思います。
嬉しくは思いますが、さすがに何の前触れもなくいきなり3日後にデビューしますと言われては混乱します(10月2日のデビューが9月29日に発表)。
最初に列挙したように、いきなりダート戦になった(阪神1400の目標発表時点では芝ともダートとも言っていないのは事実ですが)ことなど不安点も多くあります。
調教も、坂路はともかくCWでは水準級の時計は出ているものの、追い本数は普通に考えれば少ない。
まあ馬格のない馬なので、仕上がりは早いのかもしれませんが。
実際、デビュー発表時の調教師コメントでは「仕上がりは早いタイプ」とも言われていますし、後々レース時の新聞コメントなどではなんと「先週時点で仕上がっていた」とすら言われています。
そんな事一言でも
言ってたっけか?
9月22日近況の「今朝は後半が重たそうな馬場状態のなか最後まで動けていましたので、このままデビューに向けて進めていければと思います」というコメントから読み取れという事でしょうか。
難易度高くね?
ツッコミどころが多すぎてもはや楽しくなってきますが、そうまでして出走を繰り上げただけあって、10月2日のダート1400戦は確かにメンツのレベルはそこまで高くはなさそうな感じ。
想定時点では出走希望数1ケタだったようですが、ドンカルロ陣営と同じことを考えた陣営が多かったのでしょう、確定時の出走数は13頭に。
ただし予定を早めたであろう組には調教過程が頼りない馬も多く、調教評価が高めなエンプレスペイ(父ドレフォン)、タガノエヴリン(父マインドユアビスケッツ)、インザストーン(父インカンテーション)、ボルネオ(父ダノンレジェンド)などがそのまま人気上位となりそう。
新聞の印からは、ドンカルロも彼らに次ぐ存在として一角崩しは充分狙えると見られてはいるようです。
とはいえドンカルロ自身が「調教過程が頼りない馬」にカテゴライズされそうな立場である以上やっぱり強気にはなれませんが、持てる力はこのメンバーでは上位サイドと思われていることは心強い。
また、鞍上は岩田望来騎手で、スプリンターズSと凱旋門賞の裏と考えれば最上級レベルと言ってもいいでしょう。
過去3年のコース実績も、今回の騎乗騎手たちの中では勝率・連対率ともに圧倒的なトップ。
枠は大外8枠13番ですが、スタート直後に芝を走るダートコースの例にもれず、この中京ダ1400では外枠の成績は悪くありません(むしろ内の方が悪い)ので、特段問題はないでしょう。
デビュー戦で砂被りの危険が減ると考えれば、有利とすら取れます。
ドレフォン産駒のコース実績もメンバーの父産駒比では上位。
そして高柳大輔調教師の過去3年コース実績は、30戦して半数の15回が複勝圏内というハイアベレージ。
文句なく得意コースと言えます。
総合すると、臨戦過程には少なくない不安が残りますが、レースの施行条件はこれ以上ないくらいドンカルロに向いていると言えます。
不安と期待のコントラストが
激しい……
なんとか先へ繋げる希望を見せて欲しい。
レース内容
10月に入っても最高気温が30度前後という夏日が続く中、4レース時点の中京競馬場は晴れ、ダートは良。
ドンカルロ最大の懸念点であった馬体重は448キロでした。
意外とあるやん!
8月5日の近況での現在448キロという報告以降具体的な数字が出されず、ひたすら「ふっくら」「ふっくら」と聞かされてきた身としてはもっとヤバい状況になっているのかと思いましたが、これなら中の下くらいのサイズ感と言えます。
安心しましたがやや肩透かし感も。
人気は前日くらいからDMMのエンプレスペイがずっと1番人気、ドンカルロが2~3番人気で、多数口クラブの力を見せつけてくれていましたが、最後にはタガノエヴリンが票を伸ばしたようで最終3.4倍の1番人気。エンプレスペイが4.1倍で続き、ドンカルロも5.9倍で3番人気を維持しました。
またえらい人気したな……。
以下インザストーン6.3倍、ボルネオ8.9倍までの5頭が10倍以下。上位拮抗という感じでしょうか。
正直ドンカルロの人気は高すぎと思いますが、ここまで来たら頑張って人気に応えて欲しい。
しかし、パドックでは淡々と周回していたドンカルロでしたが、返し馬では頭を上げて暴れるようなそぶりを見せるなど、かなり荒ぶっている姿が映りました。
不安にはなりましたが、ここに至って四の五の言っても仕方ないので、ゲートを無事に出られるように祈るだけ。
枠入りは大きなトラブルもなく進み、大外のドンカルロは最後のゲートイン。
全馬枠に入って、ゲートオープン!
その瞬間、シカが跳ね飛ぶようにポーンとゲートを出て、他馬の一馬身以上前に飛び出した馬が!
なんと、我らがドンカルロだ!
おおう!?
まるで一頭だけ足元にスターティングブロックが用意されていたかのよう。
ゲート試験に時間をかけていた馬とは思えない好スタートを切ったドンカルロ、そのまま芝コースを突き進んでいきます。
鞍上岩田望騎手は手は動かしていましたがそこまで先手に拘る気はないようで、内からインザストーンが先手を主張してくると前へ行かせ、ダートコースに入る頃にはその外側に付けます。
その2頭の間に入ってこようとするのがタイセイヴィゴーレ、最内からはタガノエヴリン。その後ろにエンプレスペイとキクノルーナが続き、やや遅れてマンノライトニング。ここまでで先団を形成。
その後方はバラバラとした展開です。
その形のまま3コーナーへ入り、先頭は変わらずインザストーン。
しかし4コーナーへ向こうかというところで、外からタイセイヴィゴーレ、更にその外からドンカルロが並びかけていきます。
ドンカルロは、岩田望騎手の手が時々大きめに動いているという状況。
大丈夫か?
反応が鈍いのかと思いましたがそれは杞憂で、直線に向くとすぐに内のタイセイヴィゴーレを競り潰し、コーナーワークで1馬身のリードを確保してそのまま前で粘るインザストーンを追いかけていきます。
同時に、最内を突いたタガノエヴリンもコース取りの利を生かして一気に前に接近。
逃げるインザストーンを、内からタガノエヴリン、外からドンカルロが追い詰める構図に。
イケるか!?
なかなか止まらないインザストーンですが、残り200でようやく脚色が鈍り始めます。
先に捉えにかかったのは、内のタガノエヴリン。ドンカルロは岩田望騎手がムチを入れるもジワジワとした伸びで、一歩後れを取る感じに。
苦しいか~!?
残り100、タガノエヴリンはインザストーンの半馬身前に出るも、ドンカルロはまだ逃げ馬を躱せない。
残り数十メートル、完全に抜け出したタガノエヴリンに続き、ドンカルロも粘りに粘るインザストーンをやっと躱しますが、そこまで。
くそう、惜しい!
レースはタガノエヴリンがそのまま1着。
ドンカルロは1馬身1/4差及ばず2着。更に半馬身差の3着がインザストーンで決着しました。
結果
メイクデビュー中京(2歳新馬)
(中京・ダ1400・良)
岩田望(55)馬体重448
2着(13頭・3人気)
所感
惜しい!
でも大健闘!!
レース前に散々疑義を呈し、出資馬とその管理者を信じ切れなかったことを伏してお詫び申し上げます。
ここまで健闘してくれたのは嬉しい誤算でした。
今回はあのスタートから始まって砂を被る事も他馬に揉まれることもなく、好位から逃げ馬をマークしながらレースを進められたという事で、展開がかなり向いたというのはあるとは思いますし、メンバーレベルもあまり高くなかったとは思いますが、連対を果たしたという事実は大きいです。
思ったよりは馬体重がありましたが、それでも決して大きくはない体でダートをこなせたというのは、今後のレース選択に潰しが効かせられるという点で非常に有効です。
ダート戦は時々やたら低レベルのメンツになる事がありますし、これから冬に近づいていくことを考えると番組選択の自由度が変わりますから。
ただし今回、精神面に課題が残っていることもまたはっきりしたようで、レース後の調教師コメントで「一頭で前に行くことが嫌なのでしょうか、もう一段ありそうなギアを入れることができませんでした」、クラブコメントで「まだ馬が若いため騎手とのコンタクトが終始うまく取れておらず」と言われてしまっています。
思い返せばそれらに該当するであろうシーンはいくつもありました。
特に前の馬を抜こうとしないというのは今後に尾を引く可能性はありますが、ぶっちゃけ未勝利クラスのシルバーコレクターでも募集価格1000万円となったドンカルロならそれなり以上に高回収率が望めるので、心情的な問題を無視すれば大問題とまでは言えないのかもしれません。
心情的な問題とは、出資馬の勝利が見たいという出資者の当然の欲求の事です。
私は仮に勝ち上がってから1勝クラスで大苦戦状態となって稼げなくなるとしても、勝てるものなら次で勝ってほしいですから。
いずれにせよ、今後一旦放牧を挟むという事で次走まではそれなりに間が空きそうなので、その間に肉体面はもちろん精神面の成長も促していくという事になるのでしょう。
「目下はダートの方が良さそう。距離はもう少し延びても大丈夫そうですね(高柳師)」という事なので、勝ち上がるまで、もしくは少なくともこれから冬場にかけてはダート戦を戦っていくことになるのでしょうか。
元々は「芝の1600あたり」が適正と見られていた馬なので、いずれはその条件も試してほしいものではありますが。
まあ余裕が出来てからで
全然OKです。
次走の舞台では主役を奪取し、ターフに高らかに勝利のアリア(独唱曲)を響かせてくれることを願います。
それでは今回はここまで。
お読みいただき、おおきにありがとさんです。
(記事中の写真・公式情報は広尾サラブレッド俱楽部様公式HPより許可を頂き掲載しております。)