こんにちは、まちかね太です。
6月7日の阪神11レース・垂水ステークス(3勝C・芝2000)に、ワラウカドでの出資馬ヴィレムが出走しました。
前走勝利後に予定していたスケジュールを熱発の影響で取りやめ、立て直して臨む3勝クラス昇級初戦。
実績的には明確に叩き良化型であるヴィレムにとっては不安の残る過程とは言えるものの、中間の調教を見る限り調子は良さそうで、素質を考えても充分勝ち負けに持っていくことは出来るはず。
レース名の垂水とは地名ですが、言葉の元来の意味は「滝」。
滝を登って竜と化す鯉の伝説のように、このレースで見事連勝を決めて一気にオープン馬へと駆け上がって欲しい!
いざ竜門を登り切れ!
以下、オープン入りを決める勝利を期待して見ていたレースのレポートです。
出走馬プロフィール・ヴィレム
ヴィレム
(牡4・キズナ×ポウリナズラヴ by Mizzen Mast)
栗東・藤原英昭厩舎

ここまでの戦績:9戦3勝(3・1・2・1・0・2)
前走:3月15日・恋路ヶ浜特別(2勝C)(中京・芝2000)1着(→レース記事はこちら) 中11週
レースまでの状況
勝利した前走後は激戦の疲れが背腰に出ているとのことで、3月21日に吉澤ステーブルWESTへ放牧。
この時点で「順調なら次走は5月4日の府中S(東京・芝2000)へ」という青写真が示されていました。
外厩でのリフレッシュは順調に進み、念のために撮った両脚のエコー検査も問題なし。4月11日に無事栗東に戻り、府中Sへ向けての調整に入ります。
しかし4月17日の朝に熱発してしまい、調教を取りやめ。
「前走の疲労が抜けきっていない可能性があり、コンディションを落とすサインを身体が出している(藤原師)」という見立てと、リカバリーしたとて府中Sまでの間隔を考えるとベストコンディションでは臨めないだろうという懸念から、予定を白紙に戻して立て直すことに決定。
4月18日に再び吉澤ステーブルWESTに送り返されました。
なかなか上手く運んでくれない……
今年に入って熱発トラブルによる予定延期は既に二度目。まだ体がしっかりし切っていないのかもしれませんが、どうにも不運と感じずにはいられません。
とはいえ今回はそこまで大きなダメージが残っていたわけでも無かったようで、外厩移動直後こそ疲労回復重視の調整となったものの、5月頭には坂路15-15を普通に入れられるまでに復調。
その後も順調に調整を重ね、5月13日に栗東帰厩を果たしました。
結果的に「調子が落ちる前に休みを挟んだ(藤原師)」ことで帰厩後の状態はむしろ良好となったようで、帰厩タイミングから当初の目標と見られた6月7日の垂水S(阪神・芝2000)の予定を1週早めて6月1日のむらさき賞(東京・芝1800)に向かうプランも検討されるほど。
結局むらさき賞への特別登録締め切り時点では仕上がりが間に合わないという判断で登録は行われず、垂水S一本で行くことになりはしましたが、その週5月28日の追い切りではCW3頭併せで6F78.5 - 64.1 - 50.1 - 36.1 - 22.6 - 11.3、併せた2頭を追走して先着するという、騎手騎乗とはいえ超抜の時計・内容を披露。
最終追い切りとなる6月4日の追い切りでも坂路でラスト1F11.6を計時し、文句なし。
最近の調教コースは全体的に時計が速くなりやすいようなのでタイムを鵜呑みには出来ないものの、2週続けて好時計を叩き出したからには状態面に不安は感じられません。
これならイケそう!
なお、元々の目標だった府中Sは同厩のアスクカムオンモアが制しており、復帰戦候補だったむらさき賞はメリオーレムが勝利。この2頭は1年前のプリンシパルSでヴィレムが4着した際に接戦を演じた相手。
好敵手たちが続々オープン入りを決めていく流れに、ぜひヴィレムも乗っていって貰いたいものです。
そしていずれ大きな舞台で
再戦を!
そのためにも勝ち切りたい垂水Sの出走メンバーは、ヴィレムを含め15頭で確定。
人気割れのメンバー構成となりましたが、その中でも一応の中心的存在となるのはバッデレイト(父サトノダイヤモンド)でしょうか。
ここまで6戦3勝、前走は3勝C昇級戦で5着に敗れましたがまだ底は見せておらず、3ヵ月の休み明けとなるここで本領発揮を図ります。
他には、現級で2着7回3着4回という超堅実馬シェイクユアハート(父ハーツクライ)、昇級戦となる関東牝馬エセルフリーダ(父キタサンブラック)、ここ2走同級で僅差の掲示板入着をしてきたナムラフッカー(父スワーヴリチャード)あたりが上位陣を形成。
ヴィレムもこの上位陣の一角という評価のようです。
ライバルの中ではバッデレイトには昨年の神戸新聞杯で先着を許しており(バッデレイト7着・ヴィレム9着)、雪辱も果たしたいところ。
枠は2枠3番に決定。好走率としては可も不可も無く、奇数番ですが別に悪くは無いかと。
ちなみに右回りは昨年2月のすみれS以来となりますが、阪神2000は初勝利の舞台ですし、別に回りに不安があって左回りばかり使っていたわけでは無い(はず)なので問題にはならないでしょう。
鞍上・松山弘平騎手の過去3年コース実績は充分に優秀。
ただ神戸新聞杯の時に前に行き過ぎた印象があるのでヴィレムと手が合うイメージは正直ありませんし、前走の記事で書いた通り自分はヴィレムの鞍上は(誰かしら結果を残せている人での)固定希望派なので鞍上変更はあまり歓迎していませんが、神戸新聞杯以来とはいえ二度目の騎乗となりますし、1週前追い切りにも騎乗してくれて感触はわかっているはずなので、前進を期待したいところ。
あとはこれまでの勝利が全て前走から中2~4週の間隔内のもので、デビュー戦も含めた中9週以上のレースでは全て敗退しているという、叩き良化型にしか見えないヴィレムの実績が今回の結果に作用するかどうか(今回は中11週)。
……昔は昔、今は今!
競馬のデータとは破られるためにあるのだよ!
成長した今なら多分きっと大丈夫と信じて!
レース内容
関西馬ながら久々の関西競馬場見参となったヴィレムの雄姿を見に行きたかったですが、当日は都合がつかず中継で観戦。
当日の天候は曇りで持ちこたえ、11レース時点の芝馬場は良。開幕週だけあって芝の状態は良さそうです。
ヴィレムは前走比プラス4キロの524キロでパドックに登場。イレコミもなくゆったり周回できており、力を発揮するに問題は無さそうです。
単勝人気はかなり拮抗していましたが、最終的にはバッデレイトが4.4倍で1番人気。以下エセルフリーダ4.9倍、シェイクユアハート5.3倍、ヴィレム5.6倍と続いてここまでが10倍以下。
途中経過でヴィレムが1番人気となった時間帯もあったようですが、4~5倍前後での1番人気とかトぶ予感しかしないので、その座は謹んで進呈いたします。
その後も本場馬入場から輪乗りへ問題なく進行し、枠入りも順調。ヴィレムもすんなり枠に入って他馬を待ち、大外エセルフリーダもゲートに向かって準備完了。
ゲートオープン!
横一線のスタート!
ヴィレムは出脚良く、内隣から先手を取ろうとするスズカダブルに並走して前へ進出していきます。
ん~……
ちょっと前過ぎる予感……。
とはいえ鞍上も主張しているわけでは無くほぼ馬の行く気任せに近そうですし、無理に下げる形を取るのもアレなので仕方ないか。
開幕週の馬場が後押ししてくれることを祈ります。
スズカダブルはそのまま飛ばして行きましたが当然深追いはせず、ヴィレムは先頭から2馬身差の2番手で1コーナーに侵入。1馬身後ろにエセルフリーダ、シュタールヴィントが続いてきています。バッデレイト・シェイクユアハートはその後ろを追走。
2コーナーへ向かってスズカダブルは更にかっ飛ばして行き、向こう正面に入る頃にはヴィレムとの差が7~8馬身差まで開く大逃げ展開に。
ヴィレムは惑わされず2番手を追走、していましたが……。
……ん?
向こう正面入って早々、ヴィレムの外からエセルフリーダとシュタールヴィントが並びかけて来る形に。
そしてそのまま3頭、競うように前との差を詰め始めて……?
いや早くね?
1000m地点でヴィレムとエセルフリーダはスズカダブルの直後にまで一気に接近。通過タイムは58.8と表示。
いや速くね!?
クラスと開幕馬場を考えればそうでもないのだと思います(思いたい)が、このペースでこんなに動き出しを早くして大丈夫なんかいな!?
なお、バッデレイトとシェイクユアハートは前方集団から4~5馬身後ろで虎視眈々。
しかし一気に前へ行き切るのかと思いきや3コーナーに入ってもヴィレム・エセルフリーダがスズカダブルを交わすことは無く、逃げ馬の1馬身後ろの位置取りをキープしたままコーナーを通過していきます。
一方3~4角で定石通りの仕掛けを展開してきたのはバッデレイトとシェイクユアハートで、2頭並走の形で外を回して前方集団に一気に接近。
4角に向けてスズカダブルに体を併せていくヴィレムを、まとめて捻じ伏せんと襲い掛かってきました!
こりゃツラい展開~!
直線に向き、先頭はスズカダブル!
その外からヴィレムがジワジワと差を詰めていく!
エセルフリーダは失速し、代わってヴィレムの外1馬身遅れてバッデレイト、更にその外からシェイクユアハートが追撃!
とにかく頑張れぇ~~!
残り200過ぎ、存外に粘り通したスズカダブルの脚勢がここでようやく鈍り、ヴィレムがついに並ぶ!
しかしそこからも頑張るスズカダブル、ヴィレムはなかなか抜き切れない!
そうこうするうちに、外から併せ馬の形で迫ってくる2頭!
シェイクユアハートとバッデレイト!
残り100を切る!
4頭が並んだ、そして抜けていくのは……!
あああ~~……
勢いで勝った外の2頭が内の2頭を一気に交わしてゴールイン……。
優勝はシェイクユアハート。クビ差の2着にバッデレイト。
ヴィレムはスズカダブル(9番人気)をクビ差交わしましたが、2着から1馬身差の3着での入線となりました。
結果
垂水S(3勝C)
(阪神・芝2000・良)
松山(58)馬体重524(+4)
3着(15頭・4人気)
所感
なんやったの……?
理想としては1・2着馬のしたような競馬が出来れば、これまでのヴィレムの勝ちパターン展開だったと言えるでしょう。
やはり前に行き過ぎたのが……と思ってしまうところですが、今回に関しては枠順・スタート後の行き脚・開幕週という状況を考えれば、これはこれで勝ちを目指すに妥当な戦術ではあったはず。
誤算はやはり、エセルフリーダとシュタールヴィントが向こう正面で早々に仕掛けてきたのに付き合わされてしまった事でしょう。
あの早仕掛けが無ければ、後続の追撃を抑え切る余力も残っていたのではないでしょうか。
あれが無かったら無かったでで今度はスズカダブルがもっと余力を残して逃げ切っていたかもしれませんし、詮無いタラレバではありますが。
なんにせよ結論としては、特殊な(というか意味不明な)展開に殺されてしまったということになるでしょうか。
とはいえこの展開でも3着は確保。同じような動きをしたエセルフリーダは15着、シュタールヴィントは6着でしたし、休み明けでの昇級初戦という状況を考えればむしろ健闘と捉えても問題ないはず。
レース前にむらさき賞を選択肢に入れた理由の一つに「暑さにはあまり強くないタイプ(藤原師)」というのがあるので、ここからの継戦は難しいのかもしれませんが、出来れば無事なら続戦してもらいたいところ。
やはり叩き2走目(以降)こそが本領発揮でしょうし、今の時期なら3歳馬も殆どいません。秋の復帰になると、G1路線を進む(進んだ)3歳馬との激突もあり得ます。
ヴィレム自身の適性は大箱向きでしょうが、今回の競馬で上位に入れるなら小回りローカルのコースにもある程度対応できるでしょう。
兵は拙速を尊ぶ!
自分のベストではなくとも、相手が揃い切る前に条件級はさっさと抜けておいてしまいたい!
それができるだけの力は今回充分示せたと思います。
まあ馬の状態が第一なので無理してまでとは思いませんが、今回は微妙な不完全燃焼感を伴う何とも言えない悔しさを味わったので、早々に雪辱を果たしてほしいと思ってしまうのは許してほしいところです。
次走がいつどこになるにせよ、今度はスカッと勝利を!
それでは今回はここまで。
お読みいただき、おおきにありがとさんです。
(記事中の写真・公式情報はワラウカド様公式HPより許可を頂き掲載しております。)