こんにちは、まちかね太です。
5月4日の東京11レース・プリンシパルS(L・芝2000)に、ワラウカドでの出資馬ヴィレムが出走しました。
前走すみれSでよもやの8着完敗。鞍上からは距離が長いかもとの言葉が出たこともあって今後の針路をどう取るか注目されましたが、陣営は早い段階で目標をダービーにすることを表明。
ただし距離面の懸念を拭い去れず、一発勝負を賭ける舞台は当初予定の京都新聞杯からプリンシパルSへ変更となりました。
ダービー出走の為には1着が必須。
今回の出走に関しての諸々の状況を鑑みると陣営が本気で勝ちに来ているかという点については若干疑わしい部分もありますが、多少なりと期待があればこそダービートライアルに出てきたはず。
そしてヴィレム自身の調子は良さそう。
前走の結果もあって世間からの人気はまったくありませんが、力を信じている出資者目線からは通用しない相手関係とも思えません。
信じて貫けば夢は必ず叶う!
ワラウカドに福来たれ!
以下、ダービー出走の夢が叶う事を願って見ていたレースのレポートです。
出走馬プロフィール・ヴィレム
ヴィレム
(牡3・キズナ×ポウリナズラヴ by Mizzen Mast)
栗東・藤原英昭厩舎

ここまでの戦績:3戦1勝(1・1・0・0・0・1)
前走:2月24日・すみれS(L)(阪神・芝2200)8着(→レース記事はこちら) 中9週
レースまでの状況
前走すみれSではデムーロスペシャルの洗礼を受けてペースを乱され、よもやの8着に完敗。
騎乗したルメートル騎手からは「この距離は長いのかも」というコメントも出され、すわクラシック戦線離脱かとも思われましたが、レース後最初の近況更新となった2月28日の調教師コメントは「皐月賞は残念ながら難しいのですが、ダービーのトライアルレースは残っていますので、目標を切り替えてやって行きたい」というもので、どうやらダービーを目指してくれる様子。
良かった良かった。
いえ、別に将来的には短距離路線でもダート路線でも活躍さえしてくれるなら何でもいいのですが、昨年の初勝利時にクラシックの夢を見たからには、3歳春の内はその夢を追い続けてほしかったので。
無論現状では茨の道であることも承知の上ではありますが、チャレンジしてくれることに感謝。
ただしレース後の疲労は大きかったようで、続戦は諦めて一旦吉澤ステーブルWESTに放牧して立て直しを図ることに。
2月29日の移動当初は特にトモ周りの疲れが顕著だったとのことでしたが、リフレッシュは順調で状態は徐々に良化。
3月末には坂路14-13などの強めの調教をコンスタントに行えるまで回復が進んでいたことを受け、急遽検疫枠が取れたこともあってこのタイミングで栗東に帰厩と相成りました。
同時に京都新聞杯が当面の目標になるとも発表。
と言っても1勝馬なので出走可能かどうかは不確定なこともあり、流動的ではあるようです。
その後も、4月18日にCW6F馬なり3頭併せで81.3 - 66.2 - 51.2 - 36.3 - 22.5 - 11.2 を計時(西塚騎手騎乗。ファーヴェント直強めに1.3秒先行0.1秒先着、アスクカムオンモア馬なりに0.6秒先行0.2秒先着)するなど順調に良化。
そして4月24日の更新で、次走が確定したとの報告がなされました。
選択肢としては京都新聞杯(距離不安アリ)、プリンシパルS(高速決着への対応に不安アリ)、自己条件戦(先々の足場固めになるがダービー出走は事実上断念)の3つ。
その中から現状のデキを鑑みながらクラブと相談した結果、「状態は良く前向きさも十分ありますので、本馬の成長分を期待してプリンシパルSへ進めたい(藤原師)」と決まったとのこと。
了解でっせ、頑張ってや!!
また、騎手は翌週に北村宏司騎手になると発表されました。
そして5月1日の最終追い切りでも坂路4F一杯52秒0-11秒8で自己ベストを更新。小沢騎手騎乗でのものでしたが、それを差し引いても文句なしの時計。
ダービーへの切符を賭けた戦いに臨むに当たって、不足は無い状態だと言えるのではないでしょうか。
ただ、厩舎周りの状況を見ると「なにがなんでも勝って切符を!」という意識は薄そうに見えるのも事実。
この週は藤原厩舎の1勝馬3頭がダービーへの最終切符を賭けて出走しており、ファーヴェントが京都新聞杯、ヴィレムとアスクカムオンモアがプリンシパルSという振り分け。
そしてプリンシパルSの2頭で勝負気配が濃いのは、どう見てもアスクカムオンモアの方だからです。
ヴィレムはテン乗りの北村宏司騎手とのコンタクトが当日までなかったのに対して、アスクカムオンモアは中間の調教で何度も今回予定の北村友一騎手が騎乗。18日のヴィレムと併せた時もそうでした。
そもそも初騎乗でもありませんし(2走前にはかなりのやらかしをしてはいますが)、馬への理解度が高いのがどちらかというのは比較するまでも無い事。
そしていざレース出走が決まってからの新聞紙上ではアスクとヴィレムについて同じ助手さんのコメントが載っていましたが、アスクの方に「勝ってダービーへ~」とのコメント。
プリンシパルSのダービー切符は一枚しかないので……。
……そういう事?
陣営としては本音では1勝クラスで足場固めをしたかったがクラブの希望を優先してここへ出てきた、との邪推も出来かねない状況ですが、「勝って~」の話に関してはレース前の予想人気を考えれば致し方ない事ではありますので、穿ちすぎというものなのでしょう。
穿ちすぎに違いない!
まあそもそも論としては、同厩のライバルより前にもっと気にしなければならない相手がたくさんいるので、厩舎の期待度云々などそれこそ気にしている場合でも無いのですが。
プリンシパルSの出走馬13頭中、人気の中心となると思われるのはダノンエアズロック(父モーリス)。
セールで高額落札されて期待を集め、それに応えてデビューから2連勝。2勝目のアイビーSではレガレイラを下しています。
前走弥生賞で7着に敗れた際に骨折していたとの報がありましたが、軽度のものだったかダービーへの出走を目指してここに出てきました。
鞍上モレイラ騎手を含め、今回のメンバー中では頭一つ抜けている感じはあります。
それに続くのは、前走1勝クラスを取りこぼしたものの共同通信杯で4着の実績があるディマイザキッド(父ディーマジェスティ)、デビューから2連勝後の弥生賞4番人気9着を経てきたファビュラススター(父エピファネイア)、前走すみれS1番人気3着のメリオーレム(父シュヴァルグラン)など。
すみれS組からは当時2番人気6着だったミカエルパシャ(父エピファネイア)も出てきています。
ヴィレムは予想印としては複穴がチラホラ見える程度で、人気下位なのは間違いなさそう。
とはいえ最大の敵ダノンエアズロックは病み上がり、他の上位人気馬はオープン級ではあと一歩足りていない感じの馬が多く、ヴィレムがどうしても勝てない相手とは思えません。
オープン級あと一歩どころか8着一回のくせに何言っとんねんと言われそうですが、出資者ですので愛馬を信じますよ!
素質は通用するはずなのだ!
笑いたくば笑え!
ただ枠は7枠10番。偶数枠とはいえ、府中2000で外枠は勘弁してほしかった……。そう多頭数でもないので影響は少ないと思いたい。
ダノンエアズロックは大外なんでそれよりはマシですが。
それでもキズナ産駒の過去3年コース実績は良好で、北村宏司騎手のそれも悪くは無いので、枠さえ克服してすんなり先行出来れば見せ場以上も充分あるはず。
なんとか勝利して、夢の舞台に進んで欲しい!
頑張れ~!!
レース内容
ゴールデンウィーク後半は夏日が続き、当日11レース時点の東京競馬場も晴れ、芝は良。
ヴィレムは前走比マイナス4キロの512キロで登場。昨年11月のデビュー戦534キロから出走する度に減り続けていますが、パドック解説者によるとまだ絞れそうとのこと。
今日は一人引きで映像で見ていた範囲ではテンションも高くなく、捌きも問題なさそう。力は発揮できるでしょう。
単勝最終人気はダノンエアズロックが1番人気で2.3倍。ディマイザキッド(5.0倍)、ファビュラススター(5.8倍)、メリオーレム(6.2倍)と続き、10倍以下はこの4頭。
ヴィレムは41.2倍の9番人気。まあ妥当なところではあるでしょうが、アッと言わせる結果を待っています。
ちなみにアスクカムオンモアは20.5倍の7番人気でした。
本場馬入場、輪乗りとトラブルなく進み、枠入りへ。ちょっと手間取る馬も居ましたが大したことは無く、大外ダノンエアズロックまで全馬無事ゲートインして準備完了。
ゲートオープン!
んん!?
出が若干鈍かったように見えたヴィレム、更にフラついて外の11番ファビュラススターと接触。
すぐ内の9番ミカエルパシャを追いかけるような形になって最初のコーナーへ向かいましたが、外から8枠のエレクトリックブギやダノンエアズロックが先行しようと上がって行くのを尻目にそのままミカエルパシャの真後ろへ。
外目に居たこともあってコーナーワークで順位を下げていき、向こう正面に入る頃にはなんと後方から3番手の位置に。
ぬおあああ~
なんじゃそれ、なんじゃそれー!?
鞍上は今までのレースぶりを見てなかったんかーい!
叫びそうになりましたが、まあまだレースは始まったばかり、落ち着こう、と自分に言い聞かせてともかくレースへ集中。
先頭にはミカエルパシャが立ち、エレクトリックブギが追っていますが2頭ともかなり引っ掛かり気味な様子。内目からアスクカムオンモアが3番手を追走し、ダノンエアズロックやメリオーレムがその後を差なく追走。
残り1400の標識を通過し、ペースが遅いと見たかヴィレムよりも後ろに居たファビュラススターが外から早々に上昇を開始。
じんわりと前へ上がって行きますが、ヴィレムはそれも見送り変わらず後方。
スローペースで馬群が固まっているとはいえ、この展開でホントに大丈夫?
3コーナー、ヴィレムはまだ後方。
そこから4コーナーへ向かって、外から上がって……来ない!?
なんやの!?
4コーナー直前で追い出されたようでしたが一気に差が詰まる訳も無く、後ろにはディマイザキッドがいるだけの状態で直線へ向きます。
逃げるミカエルパシャとの差は10馬身くらいか?
追い上げを開始せんとムチが入ったヴィレム、しかし右に左にフラフラ。
大して加速している様子も見えないまま、残り400!
ぬおあああ~
その後も状況は変わらず、このまま終わりかと覚悟した残り200手前。
ここでようやくヴィレムの脚色が……!
おお?
外目の前方にいたグラヴィスに並びかけ、交わすと、内でモタついていた3頭も同時にクリア。
そしてその前のポッドテオにも並び、交わし、残り100。
後は先頭に立とうとしているダノンエアズロック他6頭。
差は4馬身!
どこまで詰められる!?
行けー!!
ヴィレム、最後の最後に点火!
外から伸びる伸びる!
3頭を一気に交わした!
前ではダノンエアズロックが抜け出している、これはもう厳しい!
しかし内で2着争いをしている2頭になら!
一歩、もう一歩、あと……!
肉迫したところでゴール!!
くぬう!?
優勝はダノンエアズロック。
1馬身1/4差の2着争いを制したのはメリオーレム。更にクビ差の3着にアスクカムオンモア。
ヴィレムはアタマ差届かず、4着での決着となりました。
結果
プリンシパルS(L)
(東京・芝2000・良)
北村宏(57)馬体重512
4着(13頭・9人気)
所感
災厄の箱の底には
希望が残ってた!
「一瞬のスピードが無い馬」「長くいい脚を使って勝負する」タイプと言われていたのにスローペースの中を序盤からずっと後方、早めに仕掛けようとすることも無く、ラストのキレに賭ける展開。
挙句に直線フラフラしてスパート開始が遅れ、まともに勝負できたのは最後200mちょっとだけという、これまでのレースぶりからすると考えうる限り最悪の展開だったと思いますが、新たな一面を見せて健闘してくれました。
まさか上がり1位を記録しようとは……。
良い意味でビックリ。
ヴィレム以外の上位入線馬は全て先行組だったので、展開の不利を覆す鬼脚でした。
派手な時計(上がり3F33.1)そのものは馬場状態や流れの影響があるので取り立てて騒ぐようなものでもないとは思いますが、やろうと思えば上がり1位を叩き出して上位入線できる末脚を見せられることがわかったのは、今後の戦術組み立ての幅が広がるという点で大きいでしょう。
本質的に先行勝負タイプであるとの個人的な見立ては変わりませんが、この先は流れに合わせて柔軟な戦術を採れるようになりそうです。
スタートの反応がレースを重ねるごとに鈍くなっているような気もするので、そこをカバーする意味でもここで新味を見せてくれたのはありがたい。
勝利には届きませんでしたが、素晴らしい走りでした!
とはいえ、それもあくまで結果論。
将来性を見せてくれたのは良い事ですが、このレース単体での評価としてはヴィレム自身の頑張り以外の部分はお粗末なものだったと言わざるを得ないところもあります。
枠順と発馬を考えると仕方なかったのだとは思いますが、道中後方に構えたままほとんど何の動きも見せずに直線を迎えたのは、事前段階でのヴィレムの特性を踏まえた騎乗だったとはとても思えません。
言ってしまえば、あわよくばの着狙い、という競馬。
勝つ気はサラサラ無かったように見えます。たまたまヴィレムが隠していた爪を披露してもう少しスムーズなら勝てたかもと思えるような走りを見せてくれたので、その印象は薄くなりましたが。
自分としては、もう少し本気で夢を叶えようとしてほしかったと思ってしまう次第。
他媒体でのレース後コメントを見る限りでは、待機策は騎手の独断という訳でもなく、陣営全体の事前の策だったようですのでなおさらです。
本当にそうなら単なる戦術ミスでは無く、戦略的に捨てレースだったという意味にもなりかねませんので。
まあ9番人気4着なので、そう思ってしまうこと自体が贅沢というものなのは承知してはいます。
着狙いという視点で見れば4着に来ているので戦術目的は達成。
このレースを例え捨て石にしても新味を試すという戦略目標も(もし本当にそうだったなら、という仮定の話ですが)見事な末脚を披露してくれたことで達成されていますので、ヴィレムの全体的な成長計画から見れば順風満帆ではあるでしょう。
ダービートライアルでやらないでほしかったというその一点だけを除けば、他に不満な点は無いのですが……。
うーむ……
まあ、捨てレースにする気は微塵も無いが今まで通りの先行策では勝負にならんからイチかバチか、という戦術判断だったのかもしれませんし、ここまでにしときます。
さて切り替えましょう。
ダービー出走の夢は残念ながらここで潰えることとなりましたが、今後改めてまた別の大舞台を目指して行けるとの思いも強く持たせてくれたレースでした。
今後についてはまだ何も触れられていませんが、無事ならこの後は1勝クラスからコツコツ上を狙っていくことになるのでしょうか。
続戦なら6月1週の京都1勝クラス戦(芝1800、2200)や、6月2週の一乗寺特別あたりがターゲットになるんですかね。
距離不安の問題は残っているので菊花賞を狙っていく可能性は小さいのかもしれませんが、どの路線を目指すにせよ、いずれまた大きなところを目標と出来るようにこれからも頑張ってください!
改めて全力応援!
一つの夢が終わり、同時に新たな夢の萌芽も見えました。
ヴィレムが大成に至るまでの物語、ここから始まる新章も存分に楽しませてもらいます!
それでは今回はここまで。
お読みいただき、おおきにありがとさんです。
(記事中の写真・公式情報はワラウカド様公式HPより許可を頂き掲載しております。)