こんにちは、まちかね太です。
2月4日の東京9レース・春菜賞(牝馬限定1勝C・芝1400)に、YGGオーナーズクラブでの出資馬トレブランシュが出走しました。
今回は、昨年10月に同じ東京芝1400で行われた未勝利戦を直前の跛行不安をものともせず鮮やかに逃げ切って以来のレース。
休み明けかつ昇級初戦となりますが、前走で見せたポテンシャルとレースの相手関係を考えるといきなりから勝ち負けとなって然るべき……なのですが、今回は直前追い切りがかなり特殊な感じになってしまい、またもや本番直前に不安が噴出する形に。
力を発揮できさえすれば普通に好勝負出来るはずですが、さあどうなるか。
まともに走りさえすれば……
と、期待と不安が交錯する中で迎えたレースのレポートです。
出走馬プロフィール・トレブランシュ
トレブランシュ
(牝3・オルフェーヴル×トレサンセール by Rip Van Winkle)
美浦・稲垣幸雄厩舎

ここまでの戦績:2戦1勝(1・1・0・0・0・0)
前走:10月22日・2歳未勝利(東京・芝1400)1着(→レース記事はこちら) 中14週
レースまでの状況
前走勝利の後、使ったなりの疲れは見られたようですが再び跛行するようなことはなく、まずは一安心。
鮮やかな勝利ではありましたが「距離は1400が限度かもしれない」「右回りより左回りの方が乗りやすい」などとの騎手のコメント(気性やモタれ癖などが主因)、そして調教師の「体と気持ちがまだ嚙み合っていない」という評もあり、成長を促すためにも一旦放牧に出して一息入れる事になりました。
10月27日に森本スティーブル美浦エリアに移動。その際に「使うごとにテンションが高くなっているのでメンタルのケアをお願いします」という調教師の指示があったようです。
実際移動時にはテンションに気になるところもあったようですが、近況の推移を見る限りでは一週間程度である程度落ち着いた様子が見られます。
外厩移動後は馬体脚元に問題はなく順調に調整できていましたが、馬体がそんなに戻ってきているわけでは無いということで、11月16日の近況で次走候補だった12月10日のつわぶき賞(中京・牝馬限定芝1400)はパスし、年が明けてからの東京・春菜賞を目指す方向と発表されました。
この時点では23年の番組は公表されてませんでしたが、11月20日に発表されたので内示はあったのかな?
春菜賞は例年と同じ芝1400牝馬限定戦の条件で、2月4日に施行となりました。
次走まで間が空く形になりましたが、外厩では毎週坂路でハロン15秒くらいのメニューをこなし、調整はそのまま順調に進捗。
そして年が明けた1月5日、満を持して美浦に帰厩。
予定通り春菜賞に向けて進めていくことになりましたが、13日の更新で津村騎手には他場での騎乗予定があるという事で石川裕紀人騎手にバトンタッチすることが発表されました。
その13日、そして続く19日、26日の近況では調教師コメントは相変わらず辛口の評が多く、折り合い面の他、主に腰の甘さと口向きの悪さを強調されている感じ。
とはいえ調教時計は悪くなく、調教師コメントも全体を通して見れば「課題は多いが上向いては来ている」という風に読み取れるので、トレブランシュなりに順調に来ていると言えるでしょう。
……が、レース当週2月1日の最終追い切りで、南W82.5 - 68.1 - 54.5 - 40.7 - 14.0というトンデモ時計を計時。
なんじゃコリャア?
少なくとも当週に出走しようかという馬の調教時計ではあまり見たことのない数字。
最初からハロン13秒台でかっ飛ばしてそのまま13秒台で走り続け、最後止まったという事のようです(なので全体の時計だけ見れば悪くない)。
「今日は結構前半からハミ掛かりが良くて、引っかかってる訳ではないんですけど、こちらもあまり喧嘩もしたくないという所でハロン13秒台のラップで平均的に行ってる」という調教師コメントが出ているので暴走したわけでは無いようではありますが。
調教師サイドとしては、怪ラップよりも右のハミの強さ、モタれ具合の方が気になる様子。
なんにせよ不安が残るやり取りではありますが、とりあえず最終追い切りもこなしたということで予定通り春菜賞に出走することに。
……為せば成る!
そうして迎えた春菜賞は11頭立てとお手頃な頭数。
特に有力視されている馬は2頭。
ここ2走重賞に挑戦してきているアンタノバラード(父ダノンバラード)と、11月の未勝利戦を勝って以来となるトーセンローリエ(父サトノクラウン)です。
トーセンローリエはトレブランシュが前走で2着に下した馬。直後のレースで未勝利を抜け、互いにそれ以来のレースとなりますが、ここでは評価が逆転する形となってしまいました。
さもありなん。
悔しい気もしますが、トレブランシュの最終追い切りを見てはそうなるのも仕方なし。
とはいえトレブランシュも人気暴落という訳でもなく、メインクーン(父ハーツクライ)、シルヴァーゴースト(父トビーズコーナー)、エントラップメント(父マジェスティックウォリアー)といったあたりと並んでの、上位2頭に続く評価のグループにはいます。
最終追い切りだけで見限るには早い力の持ち主であるとは認められているのでしょう。
きっとそう!
枠は大外8枠11番に決定。
東京芝1400では好走率が最も高い枠ですが、逃げると思われるトレブランシュに利するかどうかはややギャンブル。
まあ11頭立てですし、素直に利点と捉えて問題ないか。
石川騎手の過去3年コース実績は、今回の騎乗騎手中では相対的に下位。少なくとも強調点には成り得なさそう。
オルフェーヴル産駒の過去3年コース実績は、10月の前走時点のものに加わった唯一の好走例がトレブランシュ自身の勝利なので、評価は変わらず。
それこそトレブランシュ自身は勝っているコースなので、気にする事は無いでしょう。
データ条件はともかく、前走このコースで下したトーセンローリエが人気している以上、普通に走れれば普通に勝ち負けになるはずです。
普通に走れれば!
普通に走れますように……!
レース内容
当日は仕事があったので録画観戦。
当日9レース時点の東京競馬場は晴、芝は良。
トレブランシュは前走比プラス10キロの434キロで登場。馬体重が成長分なら、間を開けた甲斐もあったというもの。
パドック動画ではかなり気合が入っている様子で足早には見えましたが、動画の範囲ではイレ込みという程には見えません(回っているシーンはありましたが)。
人気はトーセンローリエが1番人気(2.7倍)。アンタノバラードが3.8倍、メインクーンが5.6倍で続き、トレブランシュは5.9倍で4番人気。エントラップメント(6.9倍)までの5頭が10倍を切るオッズとなっていました。
それらを確認し、いざレース映像へ。
大外トレブランシュの枠入りから映像スタート。ゴネる事もなくスッとゲートに収まり、準備完了。
ゲートオープン!
ロッソランパンテなどが好発馬を見せましたが然程行き脚はつかず、大外から少し促されただけのトレブランシュが早々にあっさりハナを奪います。
ヨシヨシ……
まずは予想通り展開。
トレブランシュは馬群から1馬身飛び出し、徐々に内へ切れ込みながら単騎逃げ態勢を確立。
1馬身差の2番手は1番枠のシェーンプリマー、さらにエントラップメントとロッソランパンテが差なく続き、その2馬身後ろにトーセンローリエ。さらに2馬身後ろにアンタノバラード。そのさらに後方は1~3馬身おきにポツンポツンと馬が続いていく感じで、各馬がかなりバラついた感じに。
1400戦なのになぜここまでばらつく流れになっているのかと言えば、それは先頭の馬がかっ飛ばしているからに他なりません。
そう、トレブランシュです!
最後尾の馬まで映してカメラが先頭を再び映し出す頃には、トレブランシュはもう3~4角中間地点、残り800の標識に差し掛かるところ。
2番手との差はいつの間にか大きく開いています。
4コーナーを通過。実況は「大逃げ、後続に7馬身のリード」と淡々と伝えます。
石川騎手はまだ手綱を持ったまま。動き出す気配はありません。
もしかして!?
イケるか!?
残り400、後続との差はまだ4馬身。
2番手はまだシェーンプリマーが頑張っていますが、内からトーセンローリエがジワジワと接近。外からはアンタノバラードも追い出し始めました。
残り300ほど、トレブランシュ鞍上石川騎手が追い出しを開始。さらにムチも飛びます!
トレブランシュ、頑張る!
しかし2番手に抜けだしたトーセンローリエが、そのままジワジワトレブランシュにも迫りくる!
その差はもう2馬身!
うぬぅ~~
残り200、トレブランシュ逃げる逃げる!
しかし直前にムチを入れたトーセンローリエがラストスパート!
差は1馬身! 手応えは……。
ダメかあぁ~~
そこからもトレブランシュは抵抗しましたが、残り100手前で並びかけられると万事休す。
トーセンローリエに抜け出しを許すと、その後ろを追いかけてきたアンタノバラードにも続けて交わされ、3番手で入線。
レースはトーセンローリエが2着アンタノバラードに1馬身半差をつけ快勝。
トレブランシュもよく粘りましたが、2着馬から更に1馬身半差の3着という結果になりました。
結果
春菜賞(1勝クラス・牝馬限定)
(東京・芝1400・良)
石川(54)馬体重434
3着(11頭・4人気)
所感
残念!
しかし敗れて強し!
勝てなかったという意味では残念には違いありませんが、レースのラップが11.8-10.9-11.0-11.6-11.4-12.1-12.1だったという事で、このペースを作り出してなお3着に残れたのは強さの証明以外の何物でもないでしょう。
トレブランシュ自身の走破タイム1.21.4も、次の10レースで行われた古馬2勝クラスの同距離戦テレビ山梨杯の勝ち時計1.21.5を上回ります。
もちろん向こうはスローペースのレースでしたし単純な時計比較で強さを測れるとは思ってはいませんが、完全に自力でこの時計を出しているので、現時点でもやりようによっては古馬2勝クラスでもいい勝負が出来るポテンシャルがあるとは思っていいのでは。
が、このレースぶりは強さの証明であると同時に危うさの証明でもあるのもまた間違いのないところ。
レース後の調教師コメントでは「ムキになって気持ちだけで行き過ぎている」という事で、以後1200への距離短縮が示唆されました。
ここまでの経過から、仮に勝ったとしても桜戦線に向かう可能性は低いかなとは思っていましたが、これで完全に短距離路線に舵を切る事になりそうです。
まあそうでしょうね。
血統的には短距離とは思えないので、もし自分が無関係な一ファンだったら「もっと道中抑えることを覚えさせないと……」とか苦言を呈すると思いますが、出資者として過程を見ているのでそうそう気軽に批判は出来ません。
調教師サイドが頑張ってくれているのはわかるので(そこをどうにかするのがプロの仕事だろと言われたら、まあそうねとしか言えませんが……)。
幸いにも、レース前に調教師がずっと気にしていた右の口のハミの取り方についてはレースなどではそこまで気にならなかったとの騎手の談が出ているようなので、いい方向に向かっていってくれることを祈ります。
とりあえずロックディスタウン化だけはしませんように。
さて、ともかく現級では一枚上の力を見せてくれたトレブランシュですが、前走から10キロ増量したとはいえ馬体も小さいですし、レース後の飼い葉食いもどうなるかわからないという事で、このまま続戦するか否かはまだ未定のようです。
仮に続戦するとしたら3月12日中山の芝1200平場戦あたりになるかと思いますが(右回りですが)、そもそも晩成オルフェ産駒であるので、桜花賞路線から完全撤退した以上無理をする必然性は無くなりました。
これからしばらくは馬に合わせた無理のない使い方をしてもらえればそれでOKです。
……つまり今まで通りにしてもらえればOK!
それでは今回はここまで。
お読みいただき、おおきにありがとさんです。
(記事中の写真・公式情報はYGGオーナーズクラブ様公式HPより許可を頂き掲載しております。)