2023年9月10日から10月15日までの2歳・1歳出資馬の近況まとめです。
記事執筆当日の15日に勝ったアンモシエラの他、この期間内にレイデラルースとスウィープフィート、地方出資馬のトレベルオールもそれぞれ初勝利を挙げてくれました。
また、新たにキングズロアがデビューを果たし、ヴィレム・ドリームクルーズなどは11月デビューを目指して順調に調整中。
一方アスロスが重度の骨折で転厩、カポデテュティカピやパリッドキャリアは体調が整わずなかなか本州移動が出来ないなど、徐々に出資馬中でも明暗が分かれてくる感じに……。
悲喜こもごも。
1歳馬では、新たにワラウカドでファハンミューラ22・キングズロア22・アップワードスパイラル22の3頭に出資しています。
というわけで以下、出資馬たちの近況確認です。
2歳出資馬たちの近況
以下、各馬の現況への所感です。
広尾サラブレッド俱楽部
アンモシエラが見事に初勝利。リヤンイヴェールはそろそろ帰厩しそうな気配。
アスロスは2戦目の後に骨折し転厩、パリッドキャリアは体調が……。
リヤンイヴェール(美浦・栗田徹厩舎)牝・未勝利

チャンピオンヒルズ在厩。
先月時点の予想よりも更に復帰は遅れそうですが、調整自体は概ね順調に進んでいるようです。
週2回の速めを開始してから1ヵ月以上が経ち、「進めていくなかでも背腰の状態に問題はないですし、速めの本数を重ねていくにつれて、いい意味で馬がピリッとし始めています。調教師にも順調度を報告済みですので、東京開催のうちに復帰の運びとなるのではないでしょうか」(10月11日近況・畠山厩舎長)というコメントも貰っていますので、そろそろ帰厩の動きも出てくるのではないでしょうか。
我がチームのこの世代初陣組として同週デビューをしたレイデラルース・アンモシエラに初勝利は先を越されてしまいましたが、デビュー戦での着順が一番良かったのはこの馬。
復帰したら初戦から期待!
アンモシエラ(栗東・松永幹夫厩舎)牝・1勝C

通算3戦目となった9月23日の阪神ダ1800未勝利戦で後方から脚を伸ばして2着(→レース記事)すると、そのまま続戦で迎えた10月15日の京都ダ1800未勝利戦では好スタートから先行、直線入り口で先頭に立ってそのまま後続を突き放し、2着馬に7馬身差をつける圧勝で見事に初勝利(レース記事は後日)。
気分爽快!
9月2日の2戦目の前から在厩を続けていることもあって、結果にかかわらずレース後は放牧の予定だったという事ですが、正式には木曜くらいまで様子を見てから決めるとのこと。
どういうローテを採られるかはまだわかりませんが、無事なら今後も長く楽しませてくれそうです。
パリッドキャリア(栗東・清水久詞厩舎)牡・未入厩

吉澤ステーブル在厩。
何かアクションを起こそうとするとどこかに疲労が来てしまい、この1ヵ月まったく進捗が無い状況。
「ピンポイントでどこが悪いというよりも、肩やトモ等々全体的にお疲れモードに入ってしまう形。各所をかばい合うように対角や反対側にも疲れがくる悪循環、加えて大型馬であることも影響しているのかもしれません」(10月13日近況・本田広報担当)という事のようですが……。
まだまだかかりそう……
アスロス(美浦・蛯名正義厩舎)牡・未勝利

札幌でのデビュー戦後、本州に移動してそのまま続戦。
中2週で迎えた2戦目はなんとダート戦(阪神ダ1400未勝利戦)となり、3着に敗退(→レース記事)。挙句に(おそらくレース中に)骨折していました。
第三中手骨の骨折でしたが患部の下に小さな骨片が飛んでいるところがあり(自然治癒待ち)、「通常の第三中手骨骨折よりも時間を要する見込み」という獣医師見解が出ている為、見舞金申請は9ヵ月となったようです。
つまり順調に回復したとしても復帰は3歳未勝利戦最終盤、もし少しでもトラブルがあった日には……。
悲哀の極み……
血統的にこういう事も覚悟の上だったとはいえ、現実になってしまうとやはりツラい。
なお、この状況を受けて矢作厩舎からは暇を出されてしまい、蛯名正義厩舎に転厩することが決まりました。
正直な話、最初から蛯名厩舎預託という事であれば7200万円の募集価格では出資していなかったと思いますので、僅か2戦で放出されたことに思うところが無いと言えば嘘になります。
しかし、2戦目の使われ方やコメント内容を見る限りでは矢作厩舎内ではそもそもアスロスの評価が微妙だったとも考えられますので、むしろ環境が変わるのはいい方に出るかもしれません。
矢作厩舎ではTT型っぽい使われ方は望めなかったでしょうし……。
まあなんにせよ、すべては傷を癒してからの話。
アスロスは2本のボルトで患部を固定する手術の成功後、2週間の安静を経て10月12日にジェットレーシングへ移動。
ここで経過観察とリハビリを続け、戦線復帰を目指していくことになります。
先は楽ではないでしょうが、
どうにか頑張っておくれ!
ワラウカド
人気を裏切る形にはなりましたが、キングズロアが無事デビュー戦を終えています。
ヴィレムはデビュー戦に向けて最終調整中、フラーハもゲート試験に合格。
一方、カポデテュティカピはウイルス感染症からの回復が遅れている様子。
カポデテュティカピ(栗東・矢作芳人厩舎)牡・未入厩

ファンタストクラブ在厩。
先月のウイルス感染症罹患後、歩様や動きに問題はないものの脚の腫れが引かないという事で、本州移動は持ち越されている状態。
最新10月13日の近況では馬体も寂しく見えるとの報告もあり、年内デビューは厳しそうな情勢になってきました。
お大事に……
キングズロア(栗東・藤原英昭厩舎)牡・未勝利

10月9日東京芝1600新馬戦でデビュー。2番人気に推されましたが、先行争いで引いてしまうとそのまま巻き返せず、中位で回ってくるだけの6着に敗退しました(→レース記事)。
レース後も大きな問題は見られなかったようですが、左前肢の骨膜が少し気になるという事で吉澤ステーブルWESTへ短期放牧に出ています。
歩様に出るような痛みがあるというわけでは無く、早めに戻す予定ではあるとのことですので、獣医診断で問題なければ年内には2戦目を迎えられるでしょう。
即巻き返し期待!
ヴィレム(栗東・藤原英昭厩舎)牡・新馬

吉澤WESTで調子が上がってきたという事で、10月6日に栗東帰厩。
第3回京都競馬でのデビューを目指していくことになりました。
まだ軽い時計しか出していないようなので、11月半ば~後半の番組になるでしょうか?
期待してますのでヨロシク!
フラーハ(美浦・嘉藤貴行厩舎)牝・新馬

先月入厩してからまずゲート試験に挑んでいましたが、存外に苦戦。
9月22日の最初の受験で枠入りを渋って落第、28日の2度目の受験では発馬が悪く再び落第。
10月4日の三度目の試験で調教師自らが跨って受験し、ようやく合格を果たしました。
その後1本追い切りましたが、ピリピリしたところが出てきているという事でリフレッシュのため10月12日にK2ステーブルに移動。
長く放牧する予定は無く、リラックスして状態が戻ってきたらすぐに入れて始動するとのことです。
叩いてからかもしれませんが、
楽しみ!
YGGオーナーズクラブ
スウィープフィートが初勝利、トレベルオールも初勝利、ホルトバージは1勝Cで見せ場アリのレースをしてくれるなど概ね順調。
唯一上手くいっていないコスタドラーダも、ようやくまともに調教が出来るようにはなってきています。
ホルトバージ(栗東・寺島良厩舎)牡・1勝C

宇治田原優駿ステーブルで順調に過ごした後、9月26日に栗東帰厩。
飼葉食いにやや課題はあるもののそれ以外は順調で、10月3週のレースに向かうことに決定。
もみじS・柴菊賞・プラタナス賞の三択で考慮された末、京都芝1800の1勝C戦である柴菊賞へ向かうことになりました。
結果5頭立ての4着でしたが、あわや3着といういい末脚を発揮し見せ場は充分。2着馬とも差は無く、「良く頑張ってくれたかなと思います」(寺島師)という内容(レース記事は後日)。
この後も続戦の模様で、レースはまだはっきり決まっていませんが、JBC2歳優駿(Jpn3・門別ダ1800)に登録だけはしてみるとの話が出ています。
どうなるかな?
スウィープフィート(栗東・庄野靖志厩舎)牝・1勝C

9月15日に帰厩し、10月8日の京都芝1600牝馬限定未勝利戦に出走。
未勝利戦としてはかなりのハイレベル戦でしたが、大外まくりの横綱相撲で見事な完勝劇を演じてくれました(→レース記事)。
レース後すぐに、暮れのG1を目指すという調教師コメントが出ました。
ローテーションは、白菊賞(11月26日京都・芝1600・牝馬限定1勝C)で良い競馬が出来れば中1週で向かうという予定。
11日に宇治田原優駿ステーブルに放牧。まずは走り切ったことによる疲れを取り除いてから、白菊賞に向けて調整されていくことになります。
ここからも順調に!
コスタドラーダ(栗東・牧浦充徳厩舎)牡・未入厩

森本スティーブル在厩。
先月に乗り出し開始してからは今のところ新たな頓挫は無し。
トモの弱さがあるという事ですが、坂路でハロン18秒のところまでは進められているようです。
このまま無事でお願いします。
トレベルオール(佐賀・真島正徳厩舎)牡

10月8日の佐賀2歳-5組(ダ1300)戦での佐賀競馬移籍初戦では、スタートからハナを奪うとそのままゴールまであっさり押し切り楽勝(→レース記事)。
道営時代から通しての初勝利となりました。
気性面の課題なども克服されてきているようで、この先も期待できそうです。
レース後も状態に問題は無く、予定ははっきりしていませんが次開催も使われる方向。
次も頑張れ!
DMMバヌーシー
レイデラルースが初勝利。ドリームクルーズはゲート試験に合格し、デビュー予定が出ました。
シャンパンポップも順調で、帰厩後の方針が出ています。
レイデラルース(美浦・手塚貴久厩舎)牡・1勝C
9月17日の中山芝2000未勝利戦で、1番人気に応え優勝(→レース記事)。
レース中に左後肢に外傷を追っていたとのことですが軽いもので問題は無く、次走は12月の葉牡丹賞と早々に予定も発表されました。
以降はノーザンファーム天栄にて順調に調整中。
勝ったとはいえまだまだ色々矯正中の身ではありますが、同舞台になる次走でもいい走りを期待したいところ。
更なる上昇を!
シャンパンポップ(栗東・武幸四郎厩舎)牡・新馬
ノーザンファームしがらき在厩。
動き出しは相変わらず固めなもののトモの動きは良くなり、坂路で速め調教を重ねられるまでになっています。
右手前が苦手なので右回りの方が良さそうとのこと。
芝デビューは脚元の関係上怖いので、12月の阪神ダート1800でのデビューを視野に進められていくようです。
このまま無事デビューできますように!
ドリームクルーズ(美浦・戸田博文厩舎)牝・新馬
美浦在厩。
9月21日にようやくゲート試験を受け、合格。
11月5日もしくは11日の東京でデビューを目指すとの予定も出ました。
8月16日の入厩後、一から馬を作り直そうとしていたのかここまでやたらと時間がかかりましたが、どうにかデビューの目途が立ったのは一安心。
他馬を気にするメンタルに課題は残すものの状態自体は良さそうなので、待たされた分初戦から好勝負を期待したいところです。
よろしく頼みますよ~
1歳出資馬たちの近況
以下、各馬の現況への所感です
広尾サラブレッド俱楽部
ディメンシオン22、シンボリバーグ22が育成場へ移動し、これで出資全馬が育成に入りました。
ゴッドフロアー22(栗東・矢作芳人厩舎)牡

シュウジデイファーム在厩。馬体重490キロ(10月上旬測定)。
既に馴致を終え、週2~3回のBTC入りを開始。ダートトラック1800~2000mのハッキングの他、坂路にも入れ始めて軽くキャンターを行っているようです。
「新しい物事にも動じることなく対応してくれますし、おとなしくて良い子」という評価を貰っています。
シンボリバーグ22(栗東・矢作芳人厩舎)牡

10月12日にシュウジデイファームへ移動。馬体重449キロ(10月上旬測定)。
シンボリ牧場ではセリなどで仲間が減っていく中、1頭だけでも問題なく放牧されていたようですが、来場した調教師の「いい筋肉」という言葉で育成場への移動が決まったとのこと。
ディメンシオン22(栗東・藤原英昭厩舎)牡

10月3日に吉沢ステーブルに移動。馬体重420キロ(10月11日測定)。
現在は馬具に慣らす段階で、本格的な初期馴致はこれから。
じっくり成長を促しつつ進めていきたいとのこと。
レトロクラシック22(美浦・奥村武厩舎)牡

ファンタストクラブ在厩。馬体重432キロ(9月初旬測定)。
初期馴致を終え、コース入りを開始。ダートコースにて縦列で2000~2400m、併走で1600mのハッキングを消化。
現在は初期馴致を終えて新たに加わった馬たちを引き連れていく役割を担っているそうで、自身は坂路入りのタイミングを窺っているところ。
ワラウカド
募集開始日に3頭に出資。今年は全体的に(数字上)スリムな馬が多いので、頓挫なし・早期デビューを目指していってほしい!
ファハンミューラ22(栗東・友道康夫厩舎)牡

募集時馬体重459キロ。
キトゥンズロア22(美浦・久保田貴士厩舎)牡

募集時馬体重465キロ。
アップワードスパイラル22(栗東・藤原英昭厩舎)牝

募集時馬体重455キロ。
YGGオーナーズクラブ
ウェルアウェイ22は育成場に移動しましたが、初っ端にトラブル発生。
ウェルアウェイ22(美浦・大竹正博厩舎)牡

9月13日に森本スティーブルに移動。馬体重437キロ(9月25日近況)。
馴致を開始しましたが、ロンギ場で壁を蹴飛ばして左トモの蹄を外傷してしまい、流血もしたので現在は休ませているとのこと。
蹄が伸びれば問題なかろうとの話ですが……。
DMMバヌーシー
両馬ともに小さなトラブルはあれど、概ね順調。
レインオンザデューン22(栗東・矢作芳人厩舎)牡
シュウジデイファーム在厩。馬体重452キロ(9月26日近況)。
中間熱発もあったようですが大過は無く、既にBTCで周回コース・坂路での調教を開始。
一番進んでいる組で順調に調整中とのこと。
キストゥヘヴン22(美浦・戸田博文厩舎)牡
吉澤ステーブル在厩。馬体重438キロ(9月26日近況)。
9月末に馬房で擦って左目が腫れ、調教を休んでいる時期がありましたが、現在は既に回復しBTCの坂路にも入っている模様。
全体の所感
2歳馬は順調な馬とそうでない馬の差が激しくなってきましたが、全体的に見ればやはり順調だと判断できるでしょう。
夏のうち(8月まで)にデビューできた5頭の内、これで4頭が勝ち上がり達成(ホルトバージ・レイデラルース・スウィープフィート・アンモシエラ、残る1頭はリヤンイヴェール)。
4頭の内、スウィープフィート以外はデビュー戦で掲示板を外しているので、ここまで順調に勝ち上がってくれるのは望外の喜び。
やはり早期デビューは正義!
9月以降はデビューペースが落ちてきていますが、それでも他の馬も年内にデビューできそうな馬が多いので、皆頑張ってほしいところ(アスロスは残念ですが……)。
1歳馬はワラウカドの3頭が新たにチームに入り、計10頭の布陣になりました。
まだ広尾やYGGの秋募集を始め、各クラブの追加募集がありますが、予算的にここまでが限界となりそうです。
これ以上は我慢しなければ……!
それでは今回はここまで。
お読みいただき、おおきにありがとさんです。
(記事中の写真・公式情報は広尾サラブレッド俱楽部様・ワラウカド様・YGGオーナーズクラブ様各公式HPより許可を頂き掲載しております。また、DMMバヌーシー様にはブログ運営の通知を行い認知を得ております。公式HPの写真等は使用しておりません)
