こんにちは、まちかね太です。
6月9日の東京8レース・3歳以上1勝クラス(芝2000)に、ワラウカドでの出資馬ヴィレムが出走しました。
ダービーへの出走権を賭けた前走プリンシパルSでは健闘するも4着に敗れ、春の王道へ進むことは遂に出来ませんでした。
しかしこれまでの先行策から一変、上がり1位の差し脚を繰り出して披露して新たな一面を披露。
今後に向けてはむしろ楽しみが大きくなった一戦でもありました。
それから1ヵ月、同じく府中の芝2000の舞台で迎える仕切り直しの自己条件戦。
再び頂を目指して行く為の新たなる戦いが、ここから始まります。
このクラスでは地力は確実に上位なだけに、見事勝利して道行きに弾みをつけたいところ。
新たなる武器を手に、
力で未来を切り開け!
以下、力を見せつけてくれることを願って見ていたレースのレポートです。
出走馬プロフィール・ヴィレム
ヴィレム
(牡3・キズナ×ポウリナズラヴ by Mizzen Mast)
栗東・藤原英昭厩舎

ここまでの戦績:4戦1勝(1・1・0・1・0・1)
前走:5月4日・プリンシパルS(L)(東京・芝2000)4着(→レース記事はこちら) 中4週
レースまでの状況
プリンシパルS4着後の最初の近況更新となった5月8日のレポートで、「待機策を取ったのは現状での最善を図っての戦術的選択である」「成長が春には間に合わなかった」という内容の藤原師からの報告がありました。
前走記事で自分も述べましたが、「(結果の良し悪しはともかくとして)なぜいきなり待機策に出たのか」という疑問を持つ方は結構いた印象がありますので、それらに対する回答でもあるのでしょう。
事後であれきっちり意図の説明をしていただけるのはありがたく、納得も出来ます。
ゆえに、前回小賢しく私見を並べ立てたことについてはこの場をもちましてお詫びさせていただきます。
失礼いたしました!
ただ、当ブログの趣旨は「記事執筆当時の自分の感情の備忘録」であるため、内容の撤回は致しませんので悪しからずご了承願います。
さて閑話休題。
同日の近況更新には「秋に向けてもう一つ勝たせてから休みを取らせたい」という目論見も記されており、一旦吉澤ステーブルWESTには出ますがそう間を置かずに次のレースに向かう事になりそうでした。
そして実際、外厩移動後も特に疲労などは感じられないということで、すぐに乗り出しを開始。
以後もなんの問題も無く10日程度を無事に過ごし、5月21日に再び栗東帰厩。
馬体重は変わらないもののコンディションは維持できているということで、6月2週目(8・9日)の芝2000m1勝クラス戦が目標と発表されました。
当該週には8日の京都に一乗寺特別、9日の東京に平場戦と二つの芝2000m1勝クラス戦が組まれており、当初は東京出走に傾きつつも京都も検討、という流れでしたが、結局5月29日の近況でほぼ東京遠征の方向で固まったと報告がなされました。
陣営のヴィレムのコース適性に対する評は、プリンシパルS前は「東京はスピード面で不安」というものでしたが、実際の走りを見たことで「東京は合っている」という判断に変わって来ており、その変遷を目の当たりにするのも馬の成長を見ているようで面白いものです。
なお鞍上は前走に引き続き北村宏司騎手になる事も発表。
ヴィレムは先行するにしろ差しに出るにしろ仕掛け所でのエンジンの掛かりがやや遅いタイプのように思えるので、癖がわかる騎手が乗ってくれる方が安心。継続騎乗は歓迎です。
中間の調教は順調で追い切り時計も良く、ニュースにも取り上げられるほど。
そのまま無事に進められていましたが、レース当週水曜時点の出走想定にヴィレムの名前が無かったのでトラブルでもあったのかとヒヤリ。
が、木曜の確定出馬表には何事も無くその名が載っており一安心。
という訳で出走確定した6月9日の平場1勝クラス戦、出走頭数は11頭となりました。
最有力馬は当然ヴィレム……と言いたいところですが、互角或いはそれ以上の評価を受けている馬が一頭。
それはスティンガーグラス(父キズナ)。新馬勝ち直後にスプリングSに挑み、出負けしながらも6着。ここはそれ以来のレースとなります。
ダノンファンタジーの半弟という良血であり(当然ノーザンF生産)、木村哲也厩舎所属、ルメール騎手騎乗という鉄板の背景を持つ馬。
ルメール騎手はヴィレムに初勝利をくれた恩人ですが、今回は強敵となって立ちはだかります。
他に印が多い馬には、素質に期待されるも順調さを欠いているドゥムーラン(父ドゥラメンテ)や前走同級2着のブラックヴァール(父ジャングルポケット)、ウイングランブルー(父ゴールドシップ)、3歳勢のロードヴェスパー(父キタサンブラック)などがいますが、上位2頭に比べると一枚落ちという評価でしょう。
下馬評ではスティンガーグラスとヴィレムの一騎打ちという構図。
スプリングSはG2、プリンシパルSはリステッドですが今年のメンバーレベルに大差は無かったと思いますし(私見ではむしろプリンシパルSの方が上のようにも)格負けすることはありえず、キャリア・コース経験もこちらが上。
臆するところはありません!
いざ真っ向勝負!
打倒ルメ……
スティンガーグラス!
枠は4枠4番に決定。好走率が取り立てて高い枠ではありませんが、府中2000ですし外枠だった前走よりは好枠でしょう。
騎手・種牡馬産駒のコース相性も悪くなく、前走の走りからもコースに不安は無し。
まあ過去3年コース実績ではルメール騎手が異常な数値を叩き出しているのでアレですが……。
昨日の友は今日の敵!
打倒ルメール!
それを果たした先に勝利が待っている!
レース内容
当日8レース時点の東京競馬場の天候は曇り、芝は良。
ヴィレムは前走比マイナス2キロの510キロでパドックに登場。4番枠ながら最後尾を歩いていますが、今日も一人引きでゆったり周回しており問題があるわけでは無さそうです。
単勝人気はスティンガーグラスの方が終始上位で、一時1.5倍対ヴィレム4倍弱くらいまで差が広がっていましたが、最終的にはスティンガーグラス1.9倍、ヴィレム2.4倍で収まりました。
ドゥムーランが6.9倍で続き、10倍以下はこの3頭だけ。
以降本場馬入場、輪乗りへと滞りなく進行。枠入りもスムーズで、大外トワイライトウェイも入って準備完了。
ゲートオープン!
ヨシ!
概ね揃ったスタートで、ヴィレムの出も悪くありません。ただしあまり前の位置を取ろうという気は無さそう。
外からハナを奪いに行ったウイングランブルーやそれに続くブラックヴァール、ユイアングレイスらを見送り、ヴィレムは馬なりのまま中位に付けて2コーナーへ。
今回は中庸な差し戦法を取るのかと思いましたが、向こう正面を目指して行く馬群の中でヴィレムはアタマを上げ気味となり徐々に後退。
向こう正面に入る頃には後ろから4番手に落ち着きました。
スティンガーグラスはヴィレムの2馬身ほど前、丁度真ん中くらいの位置取り。
3角に向かう途上、1400標識通過時点で後ろからロードヴェスパーが上がって行き、3角手前では中団馬群の各馬がそれぞれに動きを見せ始めましたが、ヴィレムはがっちり抑え込まれたままで後方3番手を淡々と追走。
んんー……
スローペースの流れで馬群は固まっているので先頭から最後方まででも10馬身程度ではありますが、動きが無さ過ぎて若干不安。
一方3コーナーから4コーナーへ向かっていく前方集団の方は、逃げるウイングランブルーに外から並びかけようとしていくブラックヴァール、続いて上がって行くロードヴェスパーなどが目立つ動きを見せています。ワンテンポ遅れてスティンガーグラスも外目から上昇を開始。
ヴィレムもその後ろからジワジワ上がってきてはいますが、まだ後方。
残り600を通過して4コーナーを回り切り、芝の荒れた内目を避けながらウイングランブルーが先頭で直線へ。
しかし更に外を回したブラックヴァールが早々に抜き去ろうとする構えを見せ、それに続くロードヴェスパー、その直後にはスティンガーグラスが虎視眈々。
ヴィレムはスティンガーグラスの2馬身ほど後ろ。4角を回り切る際に馬首を外に向け、大外へ。
若干ゴチャゴチャしている内目の馬たちを横目に、進路は完全にオープン。
後は伸びるだけ!
よし行けー!
残り400、ヴィレムはまだ8番手。しかし内にズラッと広がる前方各馬の間に差はほとんどなく、先頭に立ったブラックヴァールとの差もせいぜい3馬身程度。
ジリジリ差を詰めるヴィレム、右ムチが入っていざスパートというところで、すぐ内側のスティンガーグラスが進路を外に取ってきた影響を受け少し外へ膨れるような形になりましたが、改めてムチが入ると今度こそ点火!
残り200、スティンガーグラスに馬体を併せる!
勢いはこちらが上!
更に内側に居るブラックヴァールやスパークタイムリーも最早ほぼ同じような位置で、これらも確実に上回れる脚勢だ!
もらった!!
さあヴィレムが突き抜け……!?
んん!?
ところがスティンガーグラスが渋太い!
なかなか離せない、どころか差し返されるような動きも!
しかし、
大丈夫!!
こちらの脚が止まっていない以上、逆転される道理はない!
ヴィレムはまっすぐゴールに直進!
そのままスティンガーグラスを振り切り、最後は明確な差を付けてゴールイン!
うっしゃ!!
優勝はヴィレム!
2着スティンガーグラスとの差は最終的に半馬身。更に1馬身3/4差の3着にはブラックヴァールが入りました。
結果
3歳以上1勝クラス(東京・芝2000・良)
北村宏(55)馬体重510
1着(11頭・2人気)
所感
お見事!
道中はスローの中じっくり構えすぎて大丈夫かなと思いましたし、2着馬の粘り腰にも一瞬ヒヤリとしましたが、終わってみれば完勝と言っても良いのではないでしょうか。
上がり3Fは前走に続いて33.1、もちろん今回のメンバー中最速。
レースラップの後半3Fが11.5 - 11.3 - 11.1の流れの中を後方から差し切ったのですから、この末脚に関しては前走のみのフロックなどでは無くもう間違いなく本物だと言い切れます。
最高速まで瞬時に至る、という感じではないので今のところ直線の長い競馬場でゴチャ付かない事がこの脚を全開で発揮できる条件のようにも思いますが、いざ発動さえすればそんじょそこらの相手はまとめて撫で切ることのできる強力な武器として、これからも期待してよさそうです。
抜けば玉散る氷の刃!
道中の展開で不安になったという事は私自身がヴィレムのその力を信じ切れていなかったという事なので、大いに反省。
堪忍え~
そして力を信じて勝利に導いてくれた北村宏司騎手、東京適性を確信してここに狙いを定めた藤原師はじめ厩舎関係者の皆様、外厩スタッフの皆様、クラブスタッフの皆様には大いに感謝を。
レース前の目論見通り夏前に1勝クラスを突破。予定通りならこの後は夏休みに入るはずなので、ヴィレムにはこの先に続く戦いのためにもゆっくり休んで刀を研いでおいてもらいましょう。
すみれS後には2200は長いというコメントも出ていましたが、今回のレース後は距離延長に肯定的な手応えもある様子。
当時とは脚質を変えていますから、その影響もあるのでしょう。
そう言われるとつい満開の菊の花が頭をよぎりますが、まだ次走やその後の目標については何も発表がありませんので先走らないように自分を戒めてはおきます。
そうは言ってもヨダレが止まらぬわ!
グヘヘ……
まあ妄想は一口馬主の醍醐味ですしね……。ヒロシ……菊……キタサン……。
おっと戒め戒め。
まあこの先どういう道を進んで行くにせよ、1勝クラスを勝ったばかりの身からの成り上がりを目指して行く形にはなります。
しかし2走連続で見せた至高の切れ味は、征く道に立ちはだかる強豪たちをも切り伏せていくに充分足るものでしょう。
今回の勝利は、自分自身の力で得た武器を手に頂へと登る道への第一歩。
王道には至れませんでしたが、ここからは堂々覇道を突き進んで行きましょう!
それでは今回はここまで。
お読みいただき、おおきにありがとさんです。
(記事中の写真・公式情報はワラウカド様公式HPより許可を頂き掲載しております。)