こんにちは、まちかね太です。
4月9日の中山7レース・3歳1勝クラス(芝1200)に、YGGオーナーズクラブでの出資馬トレブランシュが出走しました。
ムキになって行ってしまう面が解消されない限りはどうしても最後にお釣りが無くなるという事で、今回のレースは前走から更に距離を短縮することになりました。
一介のオルフェスキーとしては気性を理由にした距離短縮はオルフェ産駒にとってBADルート突入フラグ以外の何物でもないと思えてしまいますが、同時に一出資者として状況を見ている身としては一概に文句を言う気にもなりません。
いい方向に行くことを祈るのみ。
かなり強そうな相手もいるので相手関係面でも一筋縄では行かなさそうですが、ライバルにも自分にも打ち克って欲しい!
以下、そんな期待を込めて見ていたレースのレポートです。
出走馬プロフィール・トレブランシュ
トレブランシュ
(牝3・オルフェーヴル×トレサンセール by Rip Van Winkle)
美浦・稲垣幸雄厩舎

ここまでの戦績:3戦1勝(1・1・1・0・0・0)
前走:2月4日・春菜賞(1勝C・牝馬限定)(東京・芝1400)3着(→レース記事はこちら) 中8週
レースまでの状況
ハイペースでの大逃げを打つ形になって3着に敗れた前走のレース後コメントで「(力みが)解消されない限りは1400mでもこういう形になってしまうのかなという所はあるので、距離は短縮して1200mくらいの方が現状は一番良いリズムで行けるんじゃないかな」(稲垣師)と、すぐに短縮宣言。
正直なところ、オルフェ産駒にとっての嫌なパターンに嵌まってしまったかなとは思いました。
が、そもそもデビュー前にはダートの短距離馬という調教師評を受けていた馬ですし、デビュー後もずっと距離短縮方針を示唆され続けていたので、こちらももう既定路線として認識していたこともあり、粛々と受け入れるのみです。
状況的にも已む無しでしょうし。
ロックディスタウン化しないなら、まあ……。
しかしそう納得したとしても、何かと安寧に事が進まないのがトレブランシュ。
レース翌々日の2月6日の近況で、左の鼻から出血したとの報告。
内視鏡検査では異常所見が無く、外傷性の可能性が高いという事ではありましたが、これでは続戦など出来ようはずもありません。
元々「ある程度間隔を空けながら使っていく方が現状の馬の性格とか体の事を考えれば良いかな」(稲垣師)という見解を持たれていたこともあり、8日に森本スティーブル美浦エリアに放牧に出されました。
まあ晩成オルフェ産駒ですし、
ゆっくり体調を整えてくれれば。
桜花賞路線から完全撤退した以上、急ぐ理由は何もありませんしね。
と鷹揚に構えていたのですが、16日の近況更新で「馬房で寝違えたか右トモに2箇所擦り傷を作ってしまいました」と、軽いトラブル発生の報告。
急ぐ必要は無いけども、
ワザワザ遅らせんくてもええんやで?
外傷性鼻出血に続くアクシデントでしたが、幸い本当に軽度だったようで、続く23日の更新では元気に調教を駆けていて一安心。
その後は順調に調整され、3月9日に無事美浦に帰厩してきました。
帰厩直前に次走予定も発表されており、4月9日中山の平場1勝クラス戦(芝1200)を第一目標とし、もし除外の場合は翌週の雪うさぎ賞(福島・芝1200)に回るとの事。
帰厩直後は体のバランスを整えることに重点を置いた軽めのメニューで進められ、3月22日からレースに向けて強めの調教を開始。
そのまま最終追い切りに至るまで、今回は前走の一週前調教のような怪ラップを刻むこともなく、折り合い面も良くなっていると言われるなど、順調にメニューをこなしていくことが出来ました。
競馬本番で騎手との折り合いが付くかは未知数ながら、最終追い切り後には「今日の稽古に関して言えば良い形で追い切りは終えられたんじゃないかと思います」という調教師コメントも貰い、仕上がり状態に不安は無さそうです。
そして迎えた目標のレースは9頭立てとなり、除外の恐れは全くないまま出走確定。
ただしメンバーには1頭強力な馬が混じっています。
その名はスピードオブライト(父ロードカナロア)。
トレブランシュよりも更に小柄な400キロ前後の体で、前走まで重賞・オープンで3戦続けて上位入線を繰り返してきた強豪牝馬。
それらの好走は1400~1600の距離でしたが、デビュー戦では1200で勝利しており、距離は短い方がいいという評価もある馬です。どう考えても1勝クラスでは1枚上の力を持っているだけに、容易ならざる相手なのは間違いありません。
前走アネモネSでは逃げの手に出ており、トレブランシュにとっては展開的にもなかなか難しい存在。鞍上が前走でトレブランシュの手綱を握っていた石川騎手と言うのも、その印象に拍車を掛けます。
他にもクリノゴッホ(父マツリダゴッホ)、トーセンエスクード(父トーセンラー)、ゴキゲンサン(父リアルインパクト)など油断ならぬ相手はいますが、このレースではスピードオブライトにどう対処するかというのがトレブランシュを含めた相対する馬たち全てにとってのテーマとなるでしょう。
枠は2枠2番。
内枠の方が成績がいいコースなので良枠と言えますが、隣の1枠1番にスピードオブライトが入ってきたのがまた悩みどころ。
また、この週の中山芝は外伸び馬場になっているようなのでそこもどう出るか。
鞍上は乗り慣れた津村騎手に戻りましたが、同騎手のコース過去3年実績は今回の騎手中では明確に最下層レベル。
オルフェ産駒のコース実績が短距離の割には最悪レベルでは無いのは救いですが、向いているとまでは……。
ただ、トレブランシュに関してはまず自分との勝負に勝てるかという部分もあるので、外的要因をそこまで気にしていても仕方ないのかもしれません。
力を十全に発揮できれば、それはスピードオブライトにも決して見劣るものでは無いハズ。
克己奮闘を願う!
レース内容
当日は仕事がありましたので録画観戦。7レース時点の中山競馬場の天候は晴、芝は良。
トレブランシュは前走比マイナス10キロの424キロ。
ううーん……
前走で増えた馬体が元の木阿弥に……。
パドック動画ではそこまで細くは見えませんが、良い兆候とは思えません。これがどう影響するか。
人気はスピードオブライトが当然の1番人気で1.8倍。2番人気はトレブランシュ、と思いきやトーセンエスクードで(3.5倍)、トレブランシュは5.8倍の3番人気でした。
アラ?
完全に対抗格だと思っていましたが、出資者の欲目だったのか……。マイナス体重も評価に響いた?
まあ結果で見返してくれれば良いです。
そのあたりを確認した後、レース映像へ。
大外ペイシャフェリが枠入りした後、3番ゴキゲンサンが派手に立ち上がってヒヤッとしましたが、その動きが収まるとすぐゲートオープン!
隣のガチャつきが影響したかトレブランシュはいつもほどの好発ではありませんでしたが、それでも普通にいいスタートを切ると、特に促されもしませんでしたが二の脚を利かせてスーッと先頭へ。
よしよし。
1馬身ほど後の2番手にはシルバーレイズが付け、更に1馬身後ろの内目に人気のスピードオブライト。ゴキゲンサン、クリノゴッホなどはスピードオブライトを外から見る形で追走し、トーセンエスクードは馬群の後方へ。
少頭数という事もあってかあっさり馬順が決まり、速くはあれど淡々とした流れになるかと思われました。
しかし、すぐに迎えた3コーナー。残り600標識を過ぎた辺りで、シルバーレイズがトレブランシュに並びかけてこようとする構えを見せます。
あぁん?
すぐ後ろのスピードオブライトより一歩先んじた仕掛けをしようとしているのか?
意図はともかく、その動きはトレブランシュにとってはただひたすらに、
お邪魔ー!!
しかしこちらにはどうしようもない!
持ったままのトレブランシュに対しシルバーレイズはかなり追っつけての動きではありますが、4角では完全に馬体を併されてしまいました。
あまつさえ直線入り口ではシルバーレイズに前に出られてしまいます!
おぉーい!
ここでトレブランシュ鞍上津村騎手が追い出しを開始、するとコーナーワークもあってトレブランシュがシルバーレイズを僅かに抜き返し、そしてそのまま再びジリジリと差を広げていきます。
しかし、そんな2頭を1馬身後ろで見ていたスピードオブライト石川騎手もまた、ここで満を持して追い出しを開始!
残り200地点で2頭に外から並びかけると、ムチが入ってグンとひと伸び。
最内で頑張っていたトレブランシュは、この時点でシルバーレイズには競り勝ち確定でしたがそれ以上は流石に厳しく、抵抗虚しく残り100m手前で抜き去られてしまいます。
あああ~
そしてそのまま外から追い上げてきたペイシャフェリとトーセンエスクードの勢いにも飲まれ、ゴール前で交わされてしまいました……。
レースはスピードオブライトが人気に応えて完勝。1馬身1/2差の2着はトーセンエスクード、更にクビ差の3着がペイシャフェリ。
トレブランシュはそこから1馬身3/4差の4着に敗れました。
結果
3歳1勝クラス(中山・芝1200・良)
津村(54)馬体重424
4着(9頭・3人気)
所感
ぬぬぬ……
ちょっと、いや大分残念ですが、これが現状なのか……。
展開は主にシルバーレイズのせいでかなり厳しかったとは思いますが、逃げの戦法を取る以上早めに潰しに来られるのは有り得るリスク。
「放っとくとヤバい」と思われているからこそ早めに潰そうとされるわけですから、ある意味力を認められている証拠でもあります。
おそらくシルバーレイズの鞍上岩田騎手の思惑としては早めにトレブランシュを潰し、直線で早々に先頭に立ってスピードオブライト以下を出し抜く形を取りたかったのでしょうが、息の入らない流れにされつつもそれをさせずにシルバーレイズを抜き返したのは流石。
が、現状ではその上でスピードオブライト以下を振り切るまでの余力はトレブランシュにはまだ無かったという事なのでしょう。
1200という距離も、こと今回に関しては裏目に出たでしょうか。
距離もコースも馬場状況も違うのでラップ比較は参考にしかなりませんが、前半3F11.8 - 10.9 - 11.0で大逃げの形になった前走と違い、今回は12.0 - 10.4 - 10.9で後続にぴったりくっついて来られましたから、この展開も1200の洗礼と見ることも出来るでしょう。
ただ、レース後の騎手コメントでは「気ばかり空回りしている感じで、動きはバラバラでした」という言葉があり、10キロ減が影響したのかもというような話もあるようなので、力を十全に発揮できたわけでもないのかと。
そもそもオルフェーヴル産駒は晩成、本番は3歳夏から。ここからが本番、3歳春までの成績は飾りです!
偉い人にはそれがわかっているはずなのです!
という私の気持ちと同じ感想を調教師さんが持っているのかどうかは知りませんが、「この後は夏競馬に備える形でも良いかなと思っています」(稲垣師)というレース後コメントが出ています。
「平坦の福島だったり、北海道開催の洋芝を試しても良いかなと思います」という事なので、夏競馬といっても6~7月頃ということになりそうですが、とりあえず馬体を戻して立て直してもらえれば。
実際完成には遠いと思いますし今回は残念でしたが、スピードオブライトはともかく2.3着馬に先着を許したのは展開のアヤだと思いますので、仮に現状のままでも斤量差の大きい初夏の頃なら古馬混合1勝クラス戦は普通に勝てると思います。
「距離は正直これ以上は伸ばせないかなと思いますし適鞍も限られます」(稲垣師)というコメントにはやや不安を感じますが……。
1200を使う事に納得はしていますが、適性としてベストであるとは私には思えません(現実としても今回がデビュー以来最低着順です)ので、気性面の矯正を始めとした1200以外の距離を走れる努力を諦めて欲しくは無いとは思います。
まあ外野の戯言ですが。
ともかく、本番はこれから! 次にまた期待させてもらいますので、まずは無事に夏へ!
それでは今回はここまで。
お読みいただき、おおきにありがとさんです。
(記事中の写真・公式情報はYGGオーナーズクラブ様公式HPより許可を頂き掲載しております。)