こんにちは、まちかね太です。
7月8日の福島7レース・3歳未勝利(芝2000)に、ワラウカドでの出資馬ヘリックスが出走しました。
昨年4月に本州に移動し、6月に入厩。夏のデビューを目指していましたが、その後怒涛のごとき頓挫ラッシュに見舞われて進展がないまま一年が経過。
それでもようやくナリが整い、ついにデビューの日を迎えることができました。
夏デビューは夏デビューでも3歳夏という形になってしまい常識的には厳しい状況ではありますが、客観的な評価はそこそこ高そうで、初戦から期待しても良さそうです。
目指せ遅れてきた大物!
以下、不安は持ちつつそれ以上に期待もして見ていたレースのレポートです。
出走馬プロフィール・ヘリックス
ヘリックス
(牡3・サトノダイヤモンド×アップワードスパイラル by Teofilo)
美浦・大竹正博厩舎

ここまでの戦績:初出走
レースまでの状況
2021年の募集でラインナップされたサトノダイヤモンド初年度産駒の牡馬、それがアップワードスパイラル20ことヘリックス。
半兄スパイラルノヴァは当時1勝馬でしたが、前年秋にアイビーS-Lで3着に入っており、クラブの未来を担う1頭として将来を嘱望されていた存在。
その半弟であるヘリックスへの期待も当然高く、兄とは違い関東厩舎であることには少し引っ掛かりましたが、個人的な出資基準値は普通に満たしていたので出資を決めました。
22年1月からファンタストクラブでの本格的な育成が始まった当初は馬体重を減らしてしまい、なかなか体が出来てこない様子でしたが、春になると良化が顕著になったようで育成場コメントのトーンも上がっていきます。
22年4月1日の近況では、馬見に来た大竹師から「力強さとバランスのとれた好馬体で、成長進度も報告で聞いているものからの想像以上でした」というコメントを貰い、早めに本州に持っていく方針が示されました。
そして4月25日にファンタストクラブを出発し、翌日松風馬事センターに到着。若干の発熱があったもののすぐに落ち着き、血液検査など各種検査も問題なくクリア。
一息入れて削蹄を施してから、ゲート練習と乗り込みを開始しました。
この時に「右回りは問題ありませんでしたが左回りで少し動きがぎこちないところがあります」(大竹師)、また5月27日近況では隔週で行っているエコー検査の結果「左前の深管に軽い反応がありました」という報告がありましたが、ともに修正・ケアをすれば大きな問題ではないとの認識。
実際その後は特に心配になるような報告もなく、メニューをこなしながら入厩を待つ感じになりました。
5月31日に週末の検疫で入厩させるという報がありましたが、結果的に検疫枠が取れず先送りに。
その後も検疫枠の確保には苦労したようでしたが、6月17日の近況で「週末の検疫で入厩させます」と報告され、ようやっと入厩を果たしました。
この時に、ゲート試験合格後は新潟でのデビューを目指していくとの展望も示されています。
しかし6月22日の更新で、おそらく寝ているときの所作が原因で右トモに血腫が出来てしまい、運動が出来ていないことが報告されました。
しかし痛がるわけでもないことから、そのままゲート試験に向けて調整が進められ、6月30日に合格。
ただし血腫は大きくなってきており、暑さも厳しくなってきたことから新潟開催をパスして外厩でリフレッシュすることに決まりました。
すぐにデビューしないと決まったこともあってか、松風馬事センターに戻った7月1日に血腫の切開を敢行。しばらくはケアに当たることに。
回復は順調で、7月末からは騎乗運動も再開。帰厩のおおまかな見通しも出るなど予後は良好に見えましたが、8月12日の近況で暗雲。
「跛行とは言えないのですが、水曜の調教後に右前の蹄に少し違和感があるような反応がありました」という報告が来たのです。
レントゲンでは問題なく、挫跖などの所見もないということで原因は不明。
念のためエクイパックで蹄底を保護しながら調教を進められていきますが、この後も「ダートで動かしている分には問題ないのですが、固い地面だと少し歩様が固いので若干どこか響いているのだと思います」という状態がしばらく続きます。
幸いにも9月に入ると安定して徐々に調教ペースも上げられ、10月のエコー検査などでも問題はなく、10月22日に美浦に再入厩。
結局血腫発症から4か月も時間を要してしまいましたが、どうにか無事にデビューへ向けて進められるかと思いきや、10月25日の調教でまたも歩様に固さが出たとのことで検査する羽目に。
検査結果ではこの時も異常は発見されませんでしたが、「アスファルトでの歩様チェックで軽い跛行が見られました」とのことで調教は完全に休止し消炎鎮痛剤を処置して休ませることになりました。
以後は在厩のままで投薬治療を続けられましたが、良化は遅々としたまま2ヵ月が経過。
年が明けて23年最初の近況となった1月5日のレポートで、ようやく「投薬を止めても状態は安定しており、一昨日から厩舎前で軽めの引き運動をさせながら経過観察をしておりましたが、歩様に問題はなく触診時の拍動も安定して問題ない状態が続きましたので、JRAの診療所獣医と開業獣医と相談した結果、運動再開に向けて問題なしとの判断に至りました」と一応の完治宣言が出されました。
良かった……
とはいえもちろんすぐにバリバリ調教再開というわけにはいかないので、一旦松風馬事センターに戻して態勢を整えることに。
「安静期間がありましたのですぐにレースに向かう体制にとは行きませんが、2回中山後半から3回中山に行ければと思っております。
この世代では本馬に自分も期待していますので、なんとかまずはレースに出して良い結果を出せるよう頑張って行きたいと思います。今年もよろしくお願い致します」(大竹師)というのが年初の調教師コメントでした。
宜しくお願い致します、切実に!
経過から考えると2回中山後半から3回中山(つまり3月後半から4月)に間に合うとはとても思えないというのが正直な感想でしたが、間に合わせようと思ってくれているなら結果としてダービーの頃にはデビューできるかな、と淡く期待。
結局再立ち上げは蹄底部を保護しつつ慎重に慎重を重ねたものとなり、1月いっぱいは歩様チェックに費やされ、2月にロンジングで速歩、3月にダクからハッキング15~20分3000m程度の騎乗運動と推移。
3月後半に間に合わせようというメニューではないのは一目瞭然ですが、経緯を考えればむしろ当たり前なので別に不満もありません。
壊れるくらいなら
慎重大いに結構です。
4月からは普通キャンターも再開し、トラック3200mを17/Fで乗り込むところまで進捗。
4月28日の近況で、GW中にトレセンに移動させる方向で準備を進めていると再々入厩の意向が示されました。
「脚元の状態が安定してきているので、この後はトレセンで調教を進めてレースに向かわせたいと思います。
外厩では負荷の上限を決めていましたので、トレセンに入れてすぐにレースに向かえる状態ではないと見ており、1ヶ月半程度は時間を頂くことになると見ております。
限られた負荷の中で松風の方で工夫して身体を維持してくれていましたので、この後は身体を絞りつつ、心肺機能の底上げなど進めてレースに行きたいと考えています。
厩舎でお預かりしているこの世代の馬達の中でも、かなり上位の素質を持った馬ですので、まず限られた時間で一つ決めることに集中して行きたいと思います。」(大竹師)とのこと。
信じていいのね?
信じまっせ?
その後少し予定からは遅れましたが、5月16日に美浦に入厩。ここから改めてデビューへ向けて進めていくことになりました。一応の目標は東京の最終週(6月末)。
5月31日の近況で、蹄鉄打ち換えの際に改装鉄が合わずに脚元を気にしたため軽めの調整にしたとの報がありヒヤリとしましたが、幸い大事には至らなかった様子。
その後は脚元の様子を窺いつつ徐々に調教の強度を上げ、6月15日には美浦南Wコースで併せ馬の追い切りを行い、6F馬なり84.5 - 69.1 - 54.2 - 39.2 - 25.5 - 12.6で既走未勝利馬に先着。
動きの評価も良く、蹄と蹄鉄の間に充填剤を入れているおかげか脚元も持ちこたえており、東京開催には間に合わないものの福島開催には間に合わせたいとのコメントがありました。
以降本番に向けてピッチを上げられ、「スピードを上げていくと左に張る(6月21日近況)」などの懸念点や小さな負傷などもありはするものの、概ね順調に態勢を整えていき、7月8日もしくは22日の福島芝2000m未勝利戦でのデビューが決定しました。
6月29日の近況では調教師による現況についての詳細な説明があり、
・脚元の懸念は100%解消しているわけではないが、現在の装蹄に効果があるので順調にペースアップ出来ている
・ゲートの再試験もクリアし、動きもまずまず
・左に張るところと左回りの時にはうまく手前が変えられないところが見られる。右回りのほうが良さそう
・指示に対しての反応にやや遅れるところはある。反応面で遅れた場合により挽回ができそうな条件であると考え、芝2000mでデビューする
などの内容でした。
「脚元の懸念は解消しているわけではない」との言葉通り、調教までは蹄はエクイパックを充填した上でカバーをかけて過ごしており、また、指動脈には塗布薬を塗った上でテープで保護しているといった状態のようです。

ここまでの状況からは、やはり万全を期待するのは酷な話ではあるのでしょう。
それでも現時点の状態での態勢は整ったということで、7月8日のレースでのデビューが決定。
ようやくこの日が来た……
まずはデビューを迎えられることに感謝を。
フルゲート16頭が埋まったヘリックスのデビュー戦。
このクラスで堅実な走りを見せている馬はそれなりに多く、メンバー中ではネクストブレイク(父エピファネイア)、グランツグリーン(父リアルスティール)が一枚上と見られてはいるようですが、他にもウインネモフィラ(父ゴールドシップ)、サクセスパルス(父エピファネイア)、キラメクホシ(父ゴールドシップ)などに印が分散してなかなかの混戦模様。
そしてここがデビュー戦のヘリックスも、3番手グループと同格の評価を得ている様子。
経緯に不安はあれど、未勝利戦ならハナから通用してもおかしくないと見る人がプロにもそれなりにいるということですから、心強いことです。
期待に応えてほしい!
枠は3枠6番。
勝率をはじめ好走率が軒並み最低レベルの枠で、端的に言って最悪。
逆に鞍上津村騎手の過去3年コース好走率は、今回の騎手中では上位(ただし試行数は9回のみ)。
サトノダイヤモンド産駒は過去3回しかこのコースを走っていないのでデータ不足。一応3着が1度あります(22年7月2歳新馬のフジブルーダイヤ。他の2戦は11着と12着)。
データ的にはコース条件は少なくとも有利には働かなさそうではありますが……。
そもそも、まずは無事にレースを終えてくれるのが一番というのが大前提ではありますし、状態も決して万全というわけではないというのも承知の上ですが、時期も時期ですしいきなりから好勝負も期待させてもらいたいのが人情というもの。
なんとか……!
その力はあるはず! どうにか頼みます!
レース内容
レース当日7R時点の福島競馬場は曇り。芝は良。
ヘリックスは468キロでデビュー戦の舞台に登場しました。
んー……
外厩在厩時には500キロくらいあったので、レース時点でも480キロくらいはあるんじゃないかと思っていましたが、思ったよりも……というのが本音ではあります。
16番の馬より後ろで回っていたパドックではそこまで細く見えたというわけではありませんが、気持ち後ろ捌きが固めには見えました。若干物見しがちでもあったかな?
最終人気はネクストブレイク(3.0倍)、グランツグリーン(3.6倍)、キラメクホシ(5.8倍)、サクセスパルス(6.6倍)の順になり、ヘリックスは彼らに続く8.9倍の5番人気。オッズ10倍以下5頭の中に滑り込みました。
頑張ってや~
以降本場馬入場、返し馬、輪乗りと問題なく進んでいき、ゲート入りもスムーズ。大外サクセスパルスも枠入りして準備完了。
ゲートオープン!
うむ!
ヘリックス、微妙に伸びあがるような感じにも見えましたが大きな問題はなく、まずまずのスタート。
鞍上津村騎手に促す素振りは見られませんが、ヘリックスは自身で勝手にポジションを前に上げていきます。
しかし外から先行狙いの馬たちがダーッと上がってくるとそれに対抗することはなく、彼らを前に行かせてその後ろの位置へ。
外からのプレッシャーに押し込まれるような形で最内のコース取りになりながら、7~8番手くらいで1コーナーを回ります。先頭からは4~5馬身。
前方での逃げ争いは激しくならず各馬の位置取りはあっさり固まり、馬群は団子状になってスローペースで淡々と流れていきます。
ヘリックスは最内を通ったまま、集団は3コーナーへ。
中位から後方の組を中心に動き出そうとする馬が現れ始め、ざわついた感じになる馬群。
相変わらずインベタのヘリックス鞍上津村騎手も手綱を動かし始めているようですが、
んんー……
むしろ若干周りに置かれていくような感じか? これが反応の遅れ?
それでもヘリックスは大きく遅れることはないまま4コーナーを回り、直線へ。
コース取りは変わらず内目。先頭までの差も変わらず4馬身程度。
しかし手応えは……。
ダメだ~~
前を交わせる脚色はなく、外側の同じような位置にいた馬たちに対しては明らかに劣勢。
ラストスパートにかかった周囲からは遅れる形になってしまい、ゴールまでそのまま流れ込むのが精いっぱいでした……。
レースは早めに捲ったサクセスパルスがキラメクホシの猛追をハナ差抑えて優勝。3着は3/4馬身差でグランツグリーン。
ヘリックスは11着での入線となりました。
結果
3歳未勝利(福島・芝2000・良)
津村(56)馬体重468
11着(16頭・5人気)
所感
……まあ無事なら……
レース内容としては最初から最後まで中団をついて回っただけというものになってしまいましたので、特にどうこう言うようなことはありません。
ただ、馬混みや外から被せられるような形は得意ではないかもしれませんね。
内に押し込められたまま終始窮屈な競馬を強いられた(道中外に出せる隙がなかった)こともこの結末の一因だとは思いますから、馬なりであの位置を取れるのなら前半もっと積極的に行ってもう少しポジションを良好に出来ていれば多少は……とも思いますが、それも結果論。
今回の上位馬は後方から進めた馬が多かったので、そうしていたとしても流れは向かなかったように思いますし。
期待していたのは事実なので残念な結果ではありますが、どうやらレース後も脚の状態に問題は出ていないようなので次が迎えられそうなのは不幸中の幸い。
今回のレースで露呈した問題点に対しては陣営のほうで対策を打って次走に向かってくれるようなので、一度叩いた次が本当の試金石になるでしょう。
次走は札幌戦を考えているということなので、優先権なしでも出走できるかどうかにもよるでしょうが8月5日の芝2000戦や6日の芝2600戦あたりが直近の候補となるのでしょうか。
試金石ではありますがラストチャンスとなる可能性もある次走、どうにか秘めたる力の片鱗を覗かせてくれることを祈ります。
試練の果ての昏き底から天へと逆巻け、ヘリックス!
それでは今回はここまで。
お読みいただき、おおきにありがとさんです。
(記事中の写真・公式情報はワラウカド様公式HPより許可を頂き掲載しております。)