こんにちは、まちかね太です。
今回は、前回の記事で書き切れなかったサウジカップデー諸競走後半3レースのWEB観戦での素人感想を書いていきたいと思います。
前回の記事(ネオムターフカップ・1351ターフスプリント・レッドシーターフHのWEB観戦記事)
よろしければ最後までお付き合いください!
続・サウジの夜はお祭り騒ぎ!
それでは引き続き、サウジカップデーのサラブレッド諸競走残る3レース、サウジダービー・リヤドダートスプリント・サウジカップについてレースごとにつらつらと感想を。
(以下文中敬称略。また、感想で外国馬の成績などにも触れていますが、英語もロクに読めないオッサンがRacing Postのサイトなんかを見て得た情報が含まれますので、正確性を担保するものではありません。ご承知おきください)
サウジダービー 日本馬、今年も好勝負!
ステイフーリッシュが制したレッドシーターフHの後、第4レースのサウジ調教馬限定戦・ジョッキークラブローカルH、第5レースの純血アラブ限定戦・オバイヤアラビアンクラシック(このレースも総賞金200万米ドル!)を経て、第6レースとして行われたのがダート1600mで争われる3歳戦・サウジダービー(G3)。
一昨年の第1回開催(当時サンバサウジダービー)ではフルフラットがMishriffを2着に下して優勝、昨年はダート初挑戦だったピンクカメハメハが驚きの優勝と、日本馬(というか森秀行厩舎所属馬)が連覇しているレース。
今年の遠征馬には森厩舎所属馬の名はありませんでしたが、日本勢としての3連覇を狙って若馬ながら2頭がサウジの地に赴きました。
2頭の内、より評価が高かったのはコンシリエーレ(牡3・父ドレフォン)。概ね2番人気くらいの評価を得ていたようです。
昨年8月の新潟新馬戦(ダ1800)と11月末のオープン特別カトレアS(東京ダ1600)を連勝し、ここはそれ以来のレース。
鞍上はC・ルメール、調教師は稲垣幸雄、馬主は吉田和美、生産者はノーザンファーム。
余談ですが、昨年の全日本2歳優駿(Jpn1)を制して2歳ダートチャンプとなったのは私が加入しているYGGオーナーズクラブ所属馬・ドライスタウトだったのですが、レース前の時点では賞金が足りずに出走できない恐れがありました。
それがコンシリエーレがサウジダービーに矛先を向けた事によって出走が叶い、結果勝利できたという事で、YGG出資者にはコンシリエーレに恩義を感じている人が多くおります。
ドライスタウトは私の出資馬ではありませんが、これも何かの縁なのでコンシリエーレも応援したいと思います。
もう一頭のチャレンジャーはセキフウ(牡3・父ヘニーヒューズ)。4~5番人気くらいの評価でした。
ビッグアーサーの半弟で、昨年の兵庫ジュニアグランプリ(Jpn2)勝ち馬。その後全日本2歳優駿で4着してからここへ。
騎手はC・デムーロ、調教師は武幸四郎、馬主は中辻明、生産者はバンブー牧場。
14頭の出走馬中圧倒的な人気だったのが、アメリカのPinehurst(牡3・父Twirling Candy)。
最近何かとお騒がせなB・バファート厩舎の所属馬で、デルマーフューチュリティ(米G1)を制した実績があります。全米2歳王者決定戦・ブリーダーズカップジュヴェナイル(米G1)では5着。
1月29日に行われたサンヴィセンテS(米G2)を叩いて(2着)ここに臨んできました。
それに続く人気だったのがコンシリエーレ、3番人気は仏G1ジャンリュックラガルデール賞(芝7F)2着のNoble Truth(牡3・父Kingman)。
セキフウ、Sovereign Prince(騙3・父Dubawi、メイダンの芝リステッド勝ち馬)、Kiefer(牡3・父Drosselmeyer、UAE2000ギニー(G3)2着のブラジル産ウルグアイ調教馬)あたりがその3頭からやや離れた4番人気争いという感じだったようです。
人気サイドの馬たちにもダートは走ってみないとわからないという馬たちが多く、日本馬2頭も初物尽くし。
ダート実績では抜けているPinehurstにしても初の遠征となる訳ですから、ぶっちゃけどんな結果になってもおかしくありません。
勝手に波乱の予感を感じながら、レーススタート。
ゲートはバラついた感じになりましたが、コンシリエーレ・セキフウは共にまずまずのスタート。
地元サウジ調教馬I Am Magic(牡3・父Magician)が内から先手を主張しますが、その外に人気のPinehurstが上がり、やや間を開けて併走。
コンシリエーレはその2頭の間のスペースを1馬身程後ろで追走、更に1馬身程後ろの外目にSovereign Prince。
この4頭が先団を形成し、セキフウは後方をかなり外を通っての追走に。
3角を回るとPinehurstが動き出し、I Am Magicを躱して単騎先頭へと出ようとします。
コンシリエーレも外側へ持ち出し、Sovereign Princeと共に上昇を開始。
4コーナー手前でI Am Magicは完全に脱落し、先頭に躍り出たPinehurstを1馬身程の差でコンシリエーレ、Sovereign Princeが併せ馬の形で追撃。
が、差が詰まらない!
こりゃムリや……。
プラット騎手に激しくムチを入れられガシガシ追われるPinehurstに余力があるようには見えませんが、追いかける2頭はもっと脚が残っていない。
後方からは外から来た地元調教馬Alnaader(牡3・父Teletext)、その更に大外を回してきたセキフウが伸びてきているのが見えますが、2着争いまでか。
しかし残り150m、セキフウがもう一段の加速!
おっ?
まずは一歩先に追い込みをかけていたAlnaaderを、相手も伸びているのにそれを上回る脚であっさりとパス!
おおっ!?
残り100m、脚が止まったSovereign Princeをパス!
残り50m、粘っていたコンシリエーレをも抜き去り!
おおおッ!?
最後に残ったPinehurstに迫るも……!
あ~~~っ、惜しい!!
半馬身差まで詰め寄ったところで、無情にもゴールが来てしまいました。
今年のサウジダービー(G3)優勝は、アメリカのPinehurst。
セキフウが2着、コンシリエーレは粘りぬいて3着。
残念ながら日本馬のサウジカップデー出走機会4連勝、並びにサウジダービー3連覇はなりませんでした。
いやあ、でも大健闘でしょう!
相手は曲がりなりにもダートの本場アメリカのG1ホース。それをここまで追い詰めたセキフウも、真っ向勝負に出たコンシリエーレも褒められこそすれ貶されるようなパフォーマンスではありませんでした。
これまでサウジダービーを勝ってきたフルフラットやピンクカメハメハは日本では芝レースでの勝ち鞍しかなかった(フルフラットはBCジュヴェナイル5着の経験がありますが)ので、国内ダートでの実績しかなかった今回の2頭がどれだけやれるのかというのは今後に向けてのリトマス試験紙の意味合いもあったと思いますが、サウジの馬場は日本のダート馬にも合っているという事が言えそうですね。
来年以降の日本馬の挑戦にも期待です。
今回健闘した2頭ですが、コンシリエーレは記事執筆時点で既に帰国。セキフウはドバイのUAEダービー(G2)へ転戦するようですね。
それぞれの更なる健闘を祈ります。
ライバルたちの台頭に、YGGの英雄となったドライスタウトもうかうかしてはいられませんね。
リヤドダートスプリント 夜の砂漠で華麗なる独演、ダンシングプリンス
サウジカップデーもいよいよ最終盤を迎え、メイン・サウジカップの一つ前、日本風に言えば準メインレースの第7レースとして行われたのが、ダート1200mのG3・リヤドダートスプリント。
昨年は1着コパノキッキング・2着マテラスカイで日本馬ワンツー決着したレース。マテラスカイは一昨年(当時はサウジアカップ)の2着馬でもあり、このレースも日本馬に相性のいいレースと言えるでしょう。
ダートのスプリンターは日本国内で番組に恵まれておらず、このレースとドバイゴールデンシャヒーン(G1)はトップスプリンターの格好の目標レース。
コパノキッキング・マテラスカイ・ジャスティンと3頭が参戦した昨年に続き、今年も3頭の日本馬が遠征を敢行しました。そして、人気の中心も日本馬だったようです。
1番人気に評価されていたのは、昨年のカペラS(G3)を制してここへの優先出走権をゲットしたダンシングプリンス(牡6・父パドトロワ)。
芝で勝ち上がれずに一旦は地方に転出しながらダート替わりで怒涛の連勝街道を突っ走り、中央復帰を挟んで準オープン戦まで6連勝。
重賞初挑戦だった一昨年のカペラSで3着、続く大和Sで6着と勢いが途切れたかにみえたものの、その次走京葉Sを快勝して懸念を払拭。
そして京葉Sから8か月振りのレースだったのが昨年のカペラSでした。ここはそれ以来のレース。
騎手はC・ルメール、調教師は宮田敬介、馬主は吉田千津、生産者は社台ファーム。
3番人気くらいの評価だったのが、連覇を狙って出走してきたコパノキッキング(騙7・父Spring At Last)。
10月の東京盃(Jpn2)以来となるローテーションに加え、鞍上に予定していたW.ビュイック騎手がコロナのせいで急遽変更となってしまったのは誤算でした。地力でどこまで、という感じでしょうか。
騎手はD.イーガン、調教師は村山明、馬主は小林祥晃、生産者はReiley McDonald。
思ったよりも大分評価が高く5番人気くらいだったのが、チェーンオブラブ(牝5・父ハーツクライ)。
3歳時にフェアリーS(G3)で2着し、桜花賞・オークスにも駒を進めたものの完敗。その後は準オープンで掲示板外を繰り返す頭打ち状態だったのが、昨年末のアクアラインS(3勝C)でダート初挑戦初勝利とダート替わりで変身。
ただ、その次走のオープン特別ジャニュアリーS3着したのが唯一のダートオープン級実績であり、ここではあからさまに格下だったと思うのですが、やけに人気していましたね。
騎手は坂井瑠星、調教師は小笠倫弘、馬主は前田幸治 、生産者はノースヒルズ。
日本馬以外の人気馬は、2番人気が前走ドバイ(メイダン)のダート6Fのリステッドレースを2着に9馬身3/4差をつけてぶっちぎり勝ちしてきたSwitzerland(騙8・父Speightstown、フランクJドフランシスメモリアルダッシュS・G3など重賞2勝)。
4番人気がここ3走リステッドで1→3→3着と来ていた昨年のG3・マハブアルシマール2着馬Good Effort(牡7・父Shamardal)。
チェーンオブラブと同じくらいの人気だったのがSwitzerlandが圧勝したリステッドで2着だったGladiator King(牡6・父Curlin、アルシンダガスプリント・G3など重賞2勝)。
海外馬の重賞好走は2年前くらいの実績だったりするので、字面から受ける印象程はレベルは高くないレースだったかもしれません。
チェーンオブラブが意外と人気していたのもそういうことなんでしょうね。
その分、当然日本馬たちの勝機は高くなっていたと言えます。
そして結果も違わず、ダンシングプリンスが圧勝しました。
短距離戦でほぼ行った行った決着だったので、特に書けるような感想も……。
スタートから逃げの手を取り、そのままゴールまでずっと先頭で終わりましたからね。
2着も2番手につけていたGood Effortなので行ったまんまの形になりましたが、2着に付けた着差は5馬身3/4。
短距離重賞ですし、今回のメンバーではスピードの絶対値が違ったという感じだったでしょうか。
ダンシングプリンスに辛うじてついていけたGood Effortから更に遅れる事3馬身後ろの3着争いは残る日本馬2頭の勝負となり、レース前半は後ろに控えていたチェーンオブラブが前目につけていたコパノキッキングを1/4馬身躱して制しました。
ダンシングプリンスと人気を分け合ったSwitzerlandは6着。
力の違いを見せつけたダンシングプリンスは既に日本に帰国。
次の目標レースは発表されていないと思いますが、無事ならアメリカのスプリント戦線に殴り込みをかけてみるのも面白いのではないでしょうか。
金銭面のリターンがあまり見込めないのでリスクの方が大きくなってしまいますし、アメリカの一級スプリンターは今回のメンバーとはモノが違うでしょうが、日本に留まっていてもレース選択に困りますしね。
せめてマイルまで距離が保てば話も変わってきますけども。
チェーンオブラブとコパノキッキングはドバイゴールデンシャヒーンに転戦。
健闘を祈ります。
サウジカップ まさかの地元馬優勝、ヒーロー爆誕フィーバーナイト!
ここまでの日本馬たちの無双っぷりから、必然的に期待が高まる中で迎えたこの日のメインイベント・第8レースはG1・サウジカップ。
ダート1800mを1着賞金1000万米ドルを懸けて争うのは14頭。
そのうち、日本から挑むのは2頭です。
まずは昨年のチャンピオンズカップ(G1)を6馬身差で圧勝し、新たなダート王の名を襲名したテーオーケインズ(牡5・父シニスターミニスター)。
チャンピオンズカップと同距離のここで欧米の強豪を打ち倒し、世界にその名を轟かせる事を狙います。
騎手は松山弘平、調教師は高柳大輔、馬主は小笹公也、生産者はヤナガワ牧場。
そしてもう一頭が、昨年のブリーダーズCディスタフで日本馬初のアメリカダートG1を勝利するという歴史的快挙を成し遂げた女傑マルシュロレーヌ(牝6・父オルフェーヴル)。
このレースを以て引退する事が決まっており、最後に牡馬をも打ち倒しての更なるビッグタイトルを加算し、有終の美を飾りたいところ。
騎手はC・スミヨン、調教師は矢作芳人、馬主はキャロットファーム、生産者はノーザンファーム。
昨年の覇者Mishriffが連覇を狙って出走してきましたが、アメリカのトップホースLife is Goodがここをパスしてドバイワールドカップに向った事で、一部で「今年はレベルが低い」などとも言われていましたが、全然そんな事は無いと思います。
まず先述のMishriff(牡5・父Make Believe)。
昨年のサウジカップの後も活躍を続け、ドバイシーマクラシック(UAEG1)でクロノジェネシス・ラヴズオンリーユーを、インターナショナルS(英G1)でAlenquer、Loveを撃破してジョッケクルブ賞(仏ダービー)に続くG1タイトルを加算。
欧州中距離戦線のトップホースとしての地位を完全に確立し、今年からG1となったサウジカップで改めて勝利を狙います。
他に欧州(UAE含む)から挑んで来るのは、以下の4頭。
・Sealiway(牡4・父Galiway)……昨年のチャンピオンS(英G1。英国中距離戦線のチャンピオンシップレース)でMishriff、Adayar、Addeybbらを下して優勝。他にジャンリュックラガルデール賞(仏G1)優勝、ジョッケクルブ賞(仏G1)2着。
・Real World(牡5・父Dark Angel)……ダニエルウィルデンシュタイン賞(仏G2)など重賞3つを含む5連勝中。
・Secret Ambition(牡9・父Exceed And Excel)……昨年のゴドルフィンマイル(UAEG2)など重賞3勝。
・Magny Cours(騙7・父Medaglia d'Oro)……パース賞(仏G3)勝ち馬。
ダートの本場アメリカから来る馬の筆頭格は、バファート厩舎の薬物問題のあれやこれやの結果レース直前に繰り上がりでケンタッキーダービー(米G1)のタイトルを手に入れる事となったMandaloun(牡4・父Into Mischief)。
もう一つのG1タイトルであるハスケル招待S(米G1)も繰り上がりでのものであり、ここで1着入線して実力を示したいところ。
他にアメリカから挑んで来るのは、以下の3頭。
・Art Collector(牡5・父Bernardini)……昨年のウッドウォードS(米G1)など重賞3勝。
・Midnight Bourbon(牡4・父Tiznow)……重賞勝ちはルコントS(米G3)一つだが、プリークネスS(米G1)などG1での3回を含む重賞2着が6回。重賞3着も3回あり、競走中止を除いて4着以下になったのは14戦中1回だけの超堅実派。
・Country Grammer(牡5・父Tonalist)……昨年のハリウッドゴールドカップ(米G1)など重賞2勝。
他の地域の出走馬は、南米最大のレースとも言われる5か国持ち回りのG1・ラテンアメリカ大賞(21年はウルグアイG1)を制したブラジル産馬Aero Trem(牡6・父シャンハイボビー)。
地元サウジ調教馬からは、共に前走サウジローカルG1を制してきたMaking Miracles(騙7・父Pivotal)とEmblem Road(牡4・父Quality Road)が出走。
アメリカの馬は全馬がG1級、マルシュロレーヌも含めてアメリカG1ホースが4頭。
テーオーケインズとAero TremはPart1国のダートG1ウイナー。
欧州馬はダート適性不明の馬もいるものの、少なくともMishriffはダートでもトップホース。
国際G1元年に相応しい好メンバーが揃ったと思います。
強豪ぞろいで人気もそこそこ割れたようですが、日本で言うところの10倍以下くらいの人気だったのはMishriff、Mandaloun、テーオーケインズ、Real World。
10倍台前半くらいがMidnight Bourbon、Magny Cours、Country Grammer、Sealiwayあたりで、この辺りまでが争覇圏内と見られていたと言っていいのではないでしょうか。
テーオーケインズはかなり高い評価を受けていたようですが、マルシュロレーヌはBCディスタフに続き穴馬扱いという事になりました。
そしていよいよレースが始まります。
ゲートが開くと、ややバラついたスタートに。
人気の一角Real World、地元のEmblem Roadが出遅れ。
テーオーケインズ、マルシュロレーヌは共にまずまずのスタート。
しばらくは先行争いがごちゃつく感じになり、テーオーケインズは先行争いに加わろうとするような素振りを見せましたが、周囲の圧力に押し負けるように中団馬群の中に後退。
いきなり厳しい洗礼……!
やがてSecret Ambitionが先頭に立ち、それをCountry Grammer 、Midnight Bourbon、Art Collectorのアメリカ勢が直後から追いかける形に落ち着きます。
Mishriff、Mandalounの人気2頭は外から先団に取り付こうとする位置へ。
マルシュロレーヌは中団の外、テーオーケインズはそのまま馬群の中に。
3角手前でテーオーケインズ鞍上松山騎手の手が動き始めるも、ペースアップしていくレースの流れについて行けず、3角を回る頃にはテーオーケインズは既に明らかに勝ち負けの圏外。
ああ……。
一方、マルシュロレーヌは外を回って上昇を開始したMishriff、Mandalounの後を追うようにスパート。
4角手前でいきなり勢いを無くして後退していくMishriffを内を掬って躱し、直線へと向かいます。Mishriffはここでそのまま脱落。
4角を回る頃の先頭集団は相変わらずSecret Ambitionが先頭に立っており、すぐ後を追っていたArt Collectorはここで苦しくなって脱落。
外から捲ろうとしていたMandalounも思ったより手応えが良くなく、更に外から来たMaking Miraclesに被されるとそのまま失速してしまい、脱落。
直線に入ってすぐ、コース内を逃げ粘るSecret Ambitionに、先行集団に居たCountry Grammer とMidnight Bourbonの2頭がやや離れた馬場の中ほどを併せ馬の形で迫ります。
2頭のすぐ後ろにはMaking Miracles、その後を追って上がって来ていたEmblem Road、そして馬場の内寄りにはマルシュロレーヌの姿も。
マルシュ頑張ってる! けど勝つのはムリやなぁ。
止まってはいないものの、残念ながら前を行くアメリカ馬2頭や外から来た地元馬たちに比べると手応えが劣るのは一目瞭然。
マルシュロレーヌに関しては、この時点であとはどれだけ上の着順のまま粘り込めるかに焦点が移ります。
先頭争いでは、Secret Ambitionが残り200m手前で完全に止まってしまい脱落。
相変わらず併せ馬の形のアメリカ馬2頭は止まらず、追いかける地元Making Miraclesの脚色は前と同じ感じになってしまい抜く事は出来そうにありません。
しかし残り200m地点で、Making Miraclesを更に外から躱す馬が!
もう一頭の地元馬、Emblem Roadです!
これは差し切るなぁ。
Emblem Roadの勢いは前の馬たちとは完全に違い、その姿がはっきり見えて来た時点でほぼ勝利を確信。
残り100m地点でMidnight Bourbonを競り落としたCountry Grammerが最後抵抗を見せたものの、残り50mでそれも完全に抜き去ってEmblem Roadが見事先頭でゴールイン。
今年のサウジカップは地元馬Emblem Roadの鮮やかな優勝で幕を閉じました。
おめでとうございます!
2着はCountry Grammer、3着は今回もほぼ定位置のMidnight Bourbon。
4着はMaking Miracles、5着にAero Trem。
マルシュロレーヌはその後の6着、テーオーケインズは8着でした。
なお、人気のMishriffは一応完走はしたようですが勝ち馬から80馬身遅れての最下位。
Mandalounはテーオーケインズから4馬身程遅れての9着で入線しています。
テーオーケインズは3角での状況を考えるともっと惨敗していてもおかしくなかったように思いますが、どうにか中位に留まりました。
ペースについていけていなかっただけで、バテていた訳ではなかったということなんでしょうか。その結果、完全にバテた馬を抜き返すくらいの事は出来たという事でしょうかね。
マルシュロレーヌは頑張ったと思います。
レース展開が「とにかくぶっ飛ばしてバテた馬から脱落していく我慢比べ大会」という完全に典型的アメリカ型になったと思うので、BCディスタフの時のようにもう少しじっくり構えていたらあと1つ2つ上の着順もあり得たかも知れませんね。
欧州馬が壊滅状態になったのは、実力やダート適性うんぬんよりもこの展開に慣れていなかった面も大きいかもしれません。
そしてこの展開を一番活かす事が出来たのが、勝ったEmblem Roadだったのでしょう。出遅れて前半は後方追走していたのが逆に良かったんでしょうね。
それこそBCディスタフでマルシュロレーヌがやった形を今回はこの馬がやったという事になるでしょうか。大穴を開けたというのも共通していますね。
このパフォーマンスを継続して出し続けられるのか、次走が試金石となるでしょう。
なお、テーオーケインズ・マルシュロレーヌ共に既に無事に帰国しているようです。
マルシュはこれから母としての第2の戦いが待っていますね。まずは健康に過ごして、いい子を産んでください。
夢をありがとう!
テーオーケインズはもう一度立て直しですかね。5歳になったばかりと若いので、まだまだ伸びしろはあるはず。更に力を付けて是非来年リベンジに挑んで欲しいものです。
まとめ
という訳で、サウジカップデーのWEB観戦記はこれでお終いです。
最後のサウジカップこそ少し残念な結果に終わってしまいましたが、アンダーカード諸競走では日本馬無双状態で、日本の競馬ファンとしては身近な馬が外国で活躍するのが見られて楽しかったです。
着差のあるレースも多かったですし、ほとんどゲームみたいでしたね。
来年以降レースレベルがさらに上がって来るようならさすがにここまで好き勝手は出来なくなってくるとは思いますが、期待はしておきましょう。
出来れば自分の出資馬が出てくれればなお嬉しい。
みんな頑張っておくれ。
しかし、一番印象に残ったのはむしろレース後の光景だったかもしれません。
地元馬が優勝した事を喜ぶ現地のファンの方々の熱狂が、中継の最後までずっと流れっぱなしでしたからね。
一番最初にも書きましたが、少し羨ましいとも思います。
そして、酒など無くてもあれだけ酔える競馬はやはり素晴らしい。
用法用量には注意が必要ですがね!
それでは本日のよもやま話はここまで。
思ったよりだいぶ長くなってしまいましたが、お付き合いありがとうございました!
前回のよもやま話
