こんにちは、まちかね太です。
今回は久々のよもやま話コーナーとして、先日サウジアラビア・キングアブドゥルアジーズ競馬場で開催されたサウジカップデーWEB観戦の感想を書いてみたいと思います。
皆さんご存知の通り、日本馬が大活躍した夜になりましたね。
一番槍としてネオムターフCに登場したオーソリティが勝つのは順当の範疇、続く1351ターフスプリントでのソングラインの勝利も想定内でしたが、流石にレッドシーターフHに出走したステイフーリッシュがああも圧勝するとは思いませんでした。
更にサウジダービーでは日本のダートでの実績しか無いセキフウ・コンシリエーレが大健闘、挙句にパドトロワ産駒ダンシングプリンスがリヤドダートスプリントを1200mの重賞とは思えない着差で快勝。
勝利した馬たちの関係者各位、特に調教師の方々の喜びようも印象的でした。
どのレースも賞金はともかく格付け的にはG3ですが、ステイフーリッシュの矢作調教師以外は皆さん初の海外重賞制覇ということになりますから当然ですかね。
おめでとうございます!
勝った馬の鞍上は全てルメール騎手。
今年ここまで重賞未勝利で不調が囁かれていたのがウソのような無双っぷりで、日本のナンバー1ジョッキーの貫禄を見せつけてくれました。
リーディング2位なのに、たった2か月(厳密に言うと昨年12月4日のチャレンジC以来なので約3ヵ月)重賞を勝ってないだけで不調呼ばわりされる事自体が凄いことですけど。
ここまでの日本馬大活躍で、メインのサウジカップに挑んだマルシュロレーヌ・テーオーケインズにも当然期待が高まりましたが、残念ながら健闘及ばずそれぞれ6着・8着に敗退。
しかしこのレースでは、レース前は失礼ながらまったく存在感のなかった地元サウジアラビア調教馬Emblem Roadがダートの本場アメリカの強豪を鮮やかに差し切って優勝を飾り、レース後の競馬場はヒーローを讃える観客の皆さんが大フィーバー。
グリーンチャンネルWEBで見ていたのでPCの小さな画面越しでしたが、熱狂がこちらまで伝わって来るような喜びっぷりでしたね。
サウジの競馬ファンの皆さま、おめでとうございます!
私はギリギリ世代から外れているんですけど、オグリキャップが引退レースの有馬記念を勝ったときは日本もこんな感じだったんですかね。
度を越えて騒がしいのは個人的に好きじゃないんですけど、日本もこうやってヒーロー誕生の時くらい大歓声で迎えられるような状況に早く戻れればいいなあとは思います。
では、以下にレース個別の簡単な素人感想をつらつらと。
よろしければ最後までお付き合いください!
サウジの夜はお祭り騒ぎ!
2月26日にサウジアラビア・キングアブドゥルアジーズ競馬場で行われた第3回サウジカップ。
総賞金2000万米ドル、1着賞金1000万米ドル(現状1ドル=115円前後なので、日本円にして総賞金約23億円、1着賞金11.5億円)と破格も破格の賞金に加え、今年からG1の国際格付けを得た事で充分な名誉も得られる事になり、注目度はいや増していました。
また、アンダーカードの諸レースも総賞金150万米ドル、1着賞金90万米ドル(レッドシーターフHのみ総賞金250万米ドル、1着賞金150万米ドル)と賞金水準の高い日本のG1レースに匹敵する賞金額であり、更にこれらのレースも今年からG3の格付けを得た事もあって、日本からも多くの馬が挑戦。
多くのレースで日本馬は有力馬の一角として数えられ、主役格として臨みました。
(以下文中敬称略。また、感想で外国馬の成績などにも触れていますが、英語もロクに読めないオッサンがRacing Postのサイトなんかを見て得た情報が含まれますので、正確性を担保するものではありません。ご承知おきください)
ネオムターフC オーソリティ、快勝!
サウジカップデーの第1レースは芝2100mのG3・ネオムターフカップ(Neom Turf Cup・Group3)。
日本勢の1番手としてここに登場したのは、昨年のジャパンカップ(G1)でコントレイルの2着という実績があるオーソリティ(牡5・父オルフェーヴル)。
鞍上はC・ルメール、調教師は木村哲也、馬主はシルクレーシング、生産者はノーザンファーム。
オーソリティはここまでアルゼンチン共和国杯(G2)連覇、青葉賞(G2)と重賞を3勝。
それを含めて左回り(というか東京競馬場ですが)で5戦3勝2着2回、2着はジャパンカップと距離が長かった(ように見えた)ダイヤモンドSという事で、キングアブドゥルアジーズ競馬場が左回りなのもここへの出走を選んだ一因と思われます。
ジャパンカップでの好走が評価されているのか、出走14頭の中でもPyledriver(牡5・父Harbour Watch。コロネーションC(英G1)など重賞3勝)と並んで人気はトップ。
他に人気サイドだったのはコリーダ賞(仏G2)など牝馬限定重賞を4勝し、昨年のサンクルー大賞(G1)でBroomeの2着した実績のあるEbaiyra(牝5・父Distorted Humor)や、前走10月のPreis der Deutschen Einheit(独G3。直訳すればドイツ統一賞みたいな感じ?)を制して重賞2勝目を挙げて名門W.ハガス厩舎に転厩したGrocer Jack(牡5・父Oasis Dream)などのようですが、正直このあたりとならオーソリティの方が格上でしょう。
実際、人気も差があったようです。
PyledriverとEbaiyraは昨年末の香港ヴァーズ(G1)でグローリーヴェイズの2・3着だった馬たちでもあり、戦力比較も比較的容易。
オーソリティがグローリーヴェイズに大きく劣るとは思えず、地理的に香港は日本勢の準ホームグラウンドみたいなものである事を差し引いても、香港の結果から見てもオーソリティの勝機はかなり高いと思われました。
そしていざレーススタート。
好スタートを切ったオーソリティは、そのまま前目の位置へ。前目の……ってアレ?
えっ、逃げるんスか?
先行を通り越して集団の先頭へ出てしまいました。日本では逃げた事は無かったですが、ルメール騎手は抑える素振りはまったく見せずにそのまま当然のように逃げ態勢を継続。
他陣営はどういう展開を想定していたかは不明ですが、少なからず予想外だったのではないかとは思います。
2番手に付けたSolid Stone(騙6・昨年8・9月にウィンターヒルSなど英G3を連勝して以来の休み明け)が少々つついてくるような感じにはなりましたが、隊列はあっさりと決まってその形のままレースが流れていきます。
Pyledriver、Ebaiyra、Grocer Jackなど他の人気馬たちは中団から後方の位置取りに。
3角まで来ても大きな動きは見られませんでしたが、4角へ向けてのコーナーで中団以降の馬たちが仕掛け始めます。
つついてきていたSolid Stoneはこのあたりで鞍上の手が動き始めて脱落するも、オーソリティは余裕を持って先頭をキープしたまま4角を回り、直線へ。
オーソリティと2番手に上がって来たHarrovian(騙6・Solid Stoneが勝ったウィンターヒルSの3着馬)との差は2馬身程度、手応えは全然余裕そう。
イケる!
一目散にゴールへと駆けるオーソリティを、Harrovian、Ebaiyra、Grocer Jack、Kaspar(牡5・Grosser Preis der Badischen Wirtschaft(バーデン経済大賞、かな?)独G2勝ち馬)らが追ってきますが差が詰まらず、2着争いの様相。
なおオーソリティ最大のライバルと目されたPyledriverは4角時点で手応えが悪く、直線入ってすぐに起きたChannel Catの落馬にも影響を受けて既に完全に圏外に。
オーソリティは残り200時点で完全に勝ち確となっており、激しい2着争いを尻目にそのまま余裕のゴールイン!
よっしゃー!
2着争いを制したのはKasper。
G2勝ちの他、オイロパ賞2着・ドイツダービー3着・ベルリン大賞3着などの独G1で上位争いをして来た馬でしたが、今回からサウジに移籍してのレースだったようなので、地元馬が2着したという事になります。
今回は結構な大穴扱いだったようですね。
以下3着にEbaiyra、4着Harrovian、5着Grocer Jack。Pyledriverは11着に沈みました。
実質G2くらいのメンバーレベルはあったと思いますが、オーソリティ、完勝でしたね。
逃げを打ったのは正直予想外でしたが、さすがはルメール騎手といったところでしょうか。
個人的には推し種牡馬オルフェーヴルの子である事からも嬉しい結果でした。
とは言えここは結局G3。エピファネイアの甥にしてシーザリオの孫という血筋から、現時点の実績でも種牡馬入りできてもおかしくないとは思いますが、ノーザンFはオルフェに力を入れてはいなさそうなので将来を確実にする為にはG1タイトルが欲しいところ。
このままドバイに転戦してドバイシーマクラシック(G1)を目指すという事なので、是非とも中東の地で連勝を飾り、G1ホースとなって日本に帰って来てもらいたいものです。
シーマCは日本馬にとって結構な鬼門やけど、きっとやれると信じてる!
1351ターフスプリント ソングライン、G1馬に競り勝つ!
オーソリティ完勝の余韻も残る中、続いて行われた第2レースは芝1351mのG3・1351ターフスプリント。
1351mというやたら中途半端な距離は、サウジアラビアのイスラム暦での建国年に由来するらしいですね。距離だけで見れば、スプリント専科の馬にはやや長く、マイラーにはやや短い少し難しい距離と言えるかもしれません。
ここに登場した日本馬は3頭。
最も人気があったのは、昨年のNHKマイルC(G1)でシュネルマイスターとハナ差の激戦を演じた牝馬ソングライン(牝4・父キズナ)。
鞍上はC・ルメール、調教師は林徹、馬主はサンデーレーシング、生産者はノーザンファーム。
NHKマイルCの後は関屋記念(G3)を3着に敗れたものの、富士S(G2)で古馬・牡馬を撃破して重賞制覇。
ただ、その次走で久々の右回りだった阪神C(G2)を1番人気で15着に完敗して以来の出走となります。
前走の敗因は距離なのか、回りなのか(それとも単に気分が乗らなかったのか)。
いずれにせよまともに走れば力は足りるというのが衆目の一致した見解のようで、前走ドバイのG2アルファヒディフォートを勝ってきたNaval Crown(牡4・父Dubawi)に次ぐくらいの人気だったようです。
他の日本馬2頭は共に人気がありませんでしたが、ラウダシオン(牡5・父リアルインパクト)は勝利した重賞が一昨年のNHKマイルC(G1)・昨年の京王杯スプリングC(G2)、2着した重賞が富士SとファルコンSという、左回り1400~1600の条件に好成績が集中している馬。
いまや欧州の一流ジョッキーとなったC・デムーロ騎手の手綱で一発を狙います。
調教師は斉藤崇史、馬主はシルクレーシング、生産者は社台コーポレーション白老ファーム。
エントシャイデン(牡7・父ディープインパクト)は成績的には苦しいものの、昨年の仏G1フォレ賞に挑み3着した経験があります。
今や日本で最も海外競馬での実績を残していると言える矢作芳人調教師が、その愛弟子坂井瑠星と共に番狂わせに挑みます。
馬主は前田幸治、生産者はノースヒルズ。
Naval Crownやソングラインに次ぐ人気だったのは、リチャード3世S(英L)勝ち馬でG2上位入着歴が何度かあるPogo(牡6・父Zabedee)、3歳春にサンディレーンS(英G2)など重賞2勝を挙げたもののその後G1の壁に跳ね返されていたRohaan(騙4・父Mayson)など。
出走馬12頭に近走で絶好調! という馬があまりおらず、近走格の高いレースで跳ね返されていたり、峠を過ぎた実績馬が多かったような印象。
ある意味G3らしいメンバー構成とも言え、人気に推されたソングラインはもちろん他の2頭の日本馬も充分好走の目はあると言えるでしょう。
そしてレースへ。
ゲートが開くと、ややスタートはごちゃついた感じに見えました。正面カメラなのではっきりわかりませんが、ソングラインはあまり出はよくなかった様に思います。
人気のNaval Crown、Pogoが好スタートから前へ。外枠から行ったNaval Crownが先手を取り切りはしたものの、すぐ内のPogoが半馬身程度の差でピッタリと追走、Naval Crownにはやや厳しい展開になったか。
ソングラインは馬群に入って中団を追走、ラウダシオンは後方外目、エントシャイデンは後ろから2~3頭目の位置に。
4角を回るとNaval Crownが突き放しにかかろうとしたものの伸びきれず、残り200m手前で急失速。
入れ替わりにいつの間にか馬場の中ほどに持ち出していたソングラインと、その内目を馬群を縫うようにして上がって来ていたHappy Romance(牝4・ハックウッドS・英G3勝ち馬)が先頭に躍り出て、2頭が激しく競り合う!
手応えはソングラインの方がやや優勢か!?
よし、イケる! んっ!?
しかし残り100m地点で、大外から一気に伸びて来るピンク色の勝負服!
アメリカのG1馬Casa Creed(牡6・ジャイプールS米G1勝ち馬)の強襲です!
内で粘るHappy Romanceもしぶとい!
それでも、残り50m地点でソングラインがHappy Romanceを完全に振り切ります。
その間にも外から迫り来るCasa Creed!
ゴールゴールゴールはよう来や!
ソングラインが体半分前に出たまま、Casa CreedがHappy Romanceと並んだあたりでゴール版。
3頭がなだれ込むように通過した順位は、1着ソングライン、クビ差2着Casa Creed、更にクビ差3着Happy Romanceでした。
ヒヤヒヤしましたが、ソングライン優勝です!
なお、3頭の激戦から3馬身半遅れてはいたものの、ラウダシオンも後方から追い込んで4着に入線と健闘。
エントシャイデンは残念ながら後方ままの12着でした。
逃げ潰れた人気のNaval Crownは11着まで後退しています。
という事で、日本馬3頭は1・4・12着という結果に。
ソングラインはお見事でした。人気を考えればエントシャイデンはある意味順当、ラウダシオンはかなり頑張ったと言えるのではないでしょうか。
今回日本馬が結果を残した事で、来年以降1200では短いタイプの馬がこのレースを目標にする事も増えて来そうですね。阪急杯の倍以上の賞金ですし(リスクも高くはなりますが)。
見事優勝を飾ったソングラインはこれで帰国。記事執筆時点で既に無事に日本に帰って来ているようです。
春に関しては、次の目標はヴィクトリアマイルあたりになるんですかね。
林調教師には私の出資馬(ウィンダミア・ボカイウヴァ20)も預かってもらっているので、どんどん活躍して経験をフィードバックしてもらいたいものです。
よろしくお願い致します!
ラウダシオンとエントシャイデンはこのままドバイのアルクオーツスプリント(G1)に転戦するとの事。
メンバーレベルは上がると思いますが、健闘を祈ります。
レッドシーターフH ステイフーリッシュ、4年ぶりの勝利は紅い海の果てで
日本馬&ルメールの連勝で沸き立つ中、第3レースはアンダーカードで最高賞金となる芝3000mの長距離戦・レッドシーターフハンディキャップ(G3)。
1着賞金150万米ドルは天皇賞・春(1着賞金2億円)に匹敵するものであり、もし今年JRA・G1の賞金増額が無ければ(為替次第の面もありますが)完全に抜かれていました。
最近は馬ごとに最適距離の細分化が進んでいるように思います。3000m超級でないとベストパフォーマンスが発揮できないような馬も普通に見受けられますので、そういう馬でレートが足りているならば積極的に参戦する価値が充分以上にあるレースだと言えるでしょう。
ゲームじゃないので、口で言うほど簡単ではないでしょうけどね。
実際にこのレースに挑戦してきた日本馬は、天皇賞・春やステイヤーズSの上位馬ではなく、3000m超級のレース出走歴は3歳時の菊花賞11着のみという7歳馬・ステイフーリッシュ(父ステイゴールド)でした。斤量60キロを課されながらの挑戦。
鞍上はC・ルメール、調教師は矢作芳人、馬主は社台レースホース、生産者は社台ファーム。
しかしこのレース、オーソリティ・ソングラインと人気馬がいたここまでの2レースと比べると、明らかに勝機は薄いと思われるレースでした。
何しろステイフーリッシュの最後の勝利は2018年5月の京都新聞杯(G2)であり、丸4年近く勝利が無い馬なのですから。
4年間重賞ばかり使われて2着5回・3着6回を記録しているので決して弱い馬ではありませんが(というか安定して強いですが)、7歳を迎えた馬が殆ど経験のない距離を60キロの斤量を背負った海外のレースで勝ち負けできるか? と言われると、常識的に考えて厳しいと言わざるを得ない。
大阪杯には2回挑んでいますが天皇賞・春には1回も出ていないというのも、陣営が元来はステイヤーではないという判断をしていた証拠ではないかと思ってしまいますから。
しかもこのレース、相手が強い。明らかにG3レベルではない。
最も人気があったのは前走ドバイ(メイダン)のリステッドを5馬身半差で圧勝してきた上がり馬Siskany(騙4・父Dubawi)だったようですが、他の上位人気馬は欧州の長距離G1・G2級の上位馬だらけだったのです。
昨年の愛セントレジャー(愛G1)の勝ち馬で、ヨークの名物レース・イボアHも勝っているSonnyboyliston(騙5・父Power)。
その愛セントレジャー3着馬で、コンセイユドパリ賞(仏G2)など重賞3勝のBaron Samedi(騙5・父Harbour Watch)。
ケルゴルレイ賞(仏G2)など重賞3勝、昨年のロイヤルオーク賞(仏G1)2着のSkazino(騙6・父Kendargent)。
ロイヤルオーク賞3着馬で、ドーヴィル大賞(仏G2)など重賞3勝のGlycon(騙6・父Le Havre)。
一昨年のカドラン賞(仏G1)勝ち馬で、昨年のアスコットゴールドカップ(英G1)で2着したPrincess Zoe(牝7・父Jukebox Jury)。
などなど。
ほとんどが騙馬ですし、欧州の長距離レースと比べるとケタ違いの高額賞金レースを本気で獲りに来たのかもしれません。
ステイフーリッシュは一応人気順としては彼らに次ぐ位置にはいたようなのですが、14頭立ての7~8番人気といったところで、穴馬の域を出るものではありませんでした。
成績的にPrincess Zoeあたりは3000mでも短いタイプでしょうからそのあたりには先着できるかもしれませんが、相手なりに走る持ち味を出し切り、有力馬の何頭かが凡走したとして5着くらいが関の山かな……と思っていたのですが。
結論から言うと、ステイフーリッシュ、圧勝しました。
いやあビックリ。
ゲートが良かったステイフーリッシュ、鞍上のルメールはオーソリティの時同様先手を取りに行きました。
7歳・30戦目にして初の逃げ戦法です。
2番手には内からSiskany、外にPrincess Zoe。SonnyboylistonがSiskanyのすぐ後ろと、人気サイドは比較的前目の位置取りに。
レースは淡々と流れ、途中でNayef Road(牡6・サガロS英G3など重賞2勝)がPrincess Zoeの外から位置を上げていきましたが、ステイフーリッシュを躱していくまでは至らず、ほぼその形のまま4コーナーへ。
ステイフーリッシュの手ごたえは良く、逆に直線入口で直後に居たグループの内Nayef RoadとPrincess Zoeが早々に脱落。
それよりも後ろにいた組からも勢いよく上がって来る馬はおらず、先行組で生き残っていたSiskanyとSonnyboylistonのみがステイフーリッシュについていく形に。
そして、その2頭すらその後はステイフーリッシュの影すら踏めず、追い詰めるどころかどんどん差は広がっていく一方に。
結局2着Sonnyboylistonに4馬身1/4差をつけて、ステイフーリッシュが鮮やかに逃げ切り。3着はSiskany。
典型的な逃げに追随した後ろの馬がバテるパターンでしたね。
キングアブドゥルアジーズ競馬場の標準ペースがどれくらいなのかはわかりませんが、日本の中距離メインで走っていたステイフーリッシュの「普通のペース」が、欧州長距離戦をメインの舞台としている馬たちには速すぎたんでしょうか。
そして、3000mをバテずに走り切るスタミナがステイフーリッシュにはあったという事も証明されました。
もう7歳なのがやや惜しいですが、これからも長距離戦でもう一花咲かせる事が出来そうですね。
余談ですが、同厩のパンサラッサが日本で翌27日に行われた中山記念(G2)をハイペース逃げで後続を潰し、圧勝。
折り合い選手権よりは、こういうレースの方が見ていて楽しい気がします。
ステイフーリッシュはこのままドバイへ移動し、ドバイゴールドカップ(G2)に挑戦するようです。
格付けは上がりますが賞金的には落ちる(総賞金100万米ドル・1着賞金58万米ドル)レースになりますが、次は初の連勝目指して頑張って欲しいですね。
思ったより長くなったので一旦ここまで。残りのレースの観戦記は次回のよもやま話をご覧ください。
本日はお付き合いいただき、おおきにありがとさんです。
次回のよもやま話(サウジカップデー観戦記の続き)
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