こんにちは、まちかね太です。
12月9日の阪神7レース・2歳未勝利(芝2000)に、ワラウカドでの出資馬ヴィレムが出走しました。
悔しい悔しいハナ差負けを喫した新馬戦から1ヵ月、今度こそ勝利を掴みたい2戦目。
ここで勝てればまだまだクラシックにだって間に合います。
相手も揃った感じはありますが、将来もっと上で戦う事を想定するなら泣き言を言えるものではありません。
ルメール騎手が継続して乗ってくれるというのも心強く、ここできっちり決めてしまいたい。
そして王道へ!
以下、勝利だけを熱望して見ていたレースのレポートです。
出走馬プロフィール・ヴィレム
ヴィレム
(牡2・キズナ×ポウリナズラヴ by Mizzen Mast)
栗東・藤原英昭厩舎

ここまでの戦績:1戦0勝(0・1・0・0・0・0)
前走:11月12日・メイクデビュー京都(2歳新馬)(京都・芝2000)2着(→レース記事はこちら) 中3週
レースまでの状況
単勝1.8倍に支持されながらも僅差の2着に敗れた前走でしたが、想定より太め残りだったという事などもあり、陣営に悲観の色は無し。
鞍上ルメール騎手からも「まだ子供っぽいけど伸びしろはある」というポジティブコメントを貰いました。
レース後にも馬体に問題はなく、3日後の11月15日近況では次走目標として12月9日の阪神芝2000戦もしくは同日中京の芝2000戦を考えていると早々に公表。
翌週23日の近況で、9日の阪神戦の方が目標になると明言されました。鞍上は引き続きルメール騎手に依頼(のちに騎乗確定)。
騎手本人が前走後にまた乗りたいと言ってくれていたということで、リーディングジョッキーに見込まれたという事実には単純に胸躍ります。
文句なしの敏腕に連続騎乗による慣れの力を加え、初戦よりも更に高いパフォーマンスを見せてくれることを期待!
改めて宜しく頼んます!
なお、同日には動きに硬いところがあるため当週の追い切りは行わなかったという報告もありましたが、疲労感を残さないようにするための措置で問題になるようなものでは無さそう。
実際に回復は順調だったようで、その後は二週続けて福永技術調教師による追い切りが行われ、上々の内容を披露。
良い状態でレースに臨むことが出来そうです。
そして迎えたレース当週、目標の芝2000m未勝利戦の出走馬は10頭。
頭数こそお手頃になりましたが、ヴィレムを含め7頭が前走で掲示板に入っているという、なかなかにハイレベルなメンバー構成となりました。
なかでも最大のライバルと目されるのはヘザルフェン(父Golden Horn)。
9月のデビュー戦から3戦続けて2000m戦を使い、3→2→2着としている外国産馬。前走・前々走では勝ち馬からそれぞれハナ差・クビ差の接戦を演じており、キャリア・実績共にヴィレムを上回る存在と言っても過言ではありません。
他にも、9月のデビュー戦2着以来のジンセイ(父ジャスタウェイ)、ヴィレムの前週に京都2000でデビューし逃げて3着に粘っていたダンツトレント(父スワーヴリチャード)、デビューからの2戦を1600m4着→1800m3着とし更に距離を伸ばして来たエラトー(父Saxon Warrior)、夏のデビューから芝1800ばかり6戦し2着2回3着2回4着2回という堅実派ライフセービング(父ビーチパトロール)など、いずれも勝ってもおかしくない実績の持ち主が集いました。
しかしこのメンバーの中にあっても、どうやらヴィレムが一番人気に推されることになりそうです。
ヘザルフェンやダンツトレントら、芝2000を経験している他の有力馬たちに比べるとヴィレムの持ちタイムは3秒以上遅いのですが、その点を問題視する向きはあまり強くはない様子。
客観的に見ての
その評価は心強い!
枠は大外8枠10番に決定。
好走率は悪くない、というかむしろ良い枠ですが、早めに前目に付けたい(と思われる)ヴィレムにはやや微妙な枠か。
鞍上ルメール騎手のコース実績は流石に良好。
川田騎手(ジンセイ騎乗)がおかしな好走率を叩き出しているので今回の騎手中では2番手グループになっていますが、不安視する要素は無し。
キズナ産駒のコース実績も良好。
今回はライバル陣営の父馬にデータが少ない馬が多いので相対関係としては不明瞭な部分もありますが、騎手同様こちらも不安視する要素はないでしょう。
展開面で大外さえ問題にならなければ、全体的なコースデータとしては普通に好相性。
ヴィレムの勝利を後押しする材料と見て良さそうです。
いざ初勝利へ!
レース内容
レース当日の阪神競馬場は晴、芝は良のコンディション。
2レースの未勝利戦に同じくルメール騎乗で臨んだ僚馬キングズロアがまさかの7着(9頭立て)に敗れ(レース記事は後日簡易版にて)、直後に行われたレクチャーはお通夜状態でしたが、なればこそ余計にヴィレムへの期待もヒートアップ。
そんなこちらの気持ちを反映したわけでは無いでしょうが、その時点でのヴィレムの単勝オッズは1.5倍を示していました。
……ちょっと待って?
皆様、もう少し落ち着かれた方が
よろしくてよ?
評価してもらえるのは嬉しいのですが、いささかやりすぎ感が。全然弱メンでもないのに。
逆に不安になってくる……。
しかし時間が経ってもオッズは動かないまま、7レースのパドックを迎えます。
前走からマイナス8キロの526キロで登場したヴィレムは、堂々とパドックを周回。二人引きなのは前走と変わりませんでしたが、明らかに前走より落ち着いており、大きな存在感がありました(出資者のひいき目かもしれませんが)。
デビュー戦を叩いて、定石どおりに良化しているのは間違いなさそうです。
パドックを出ていくヴィレムを見送った後、ちらりとオッズボードを見れば1.4倍。
うっひょ~い!?
しかし、この状態ならこの評価に応えるに不足は無い!
逆に意を強くしてレース観戦に向かいます。
ワラウカドの先輩バクマツらに導かれて出走各馬が本馬場入場。その後もトラブルはなく、枠入りも概ね順調に進行。
大外ヴィレムは最後にゆったりとゲートインし、準備完了。
ゲートオープン!
ヴィレムは枠入りの最後に離れていく係員さんの方に顔を向けていたように見えたのでちょっと心配しましたが、まずまず無難にスタート。
ただ、内の馬たちがスッと前に出ていくのに対し、若干ダッシュがモタついた感はあり、今日は中団から進める形になるのか……と思いきや、200m標識を超えたあたりで行き脚が付いて一気に前へ。
最初のゴール版を通過する頃には大外から2番手まで上がり、内から先手を取った2番エラトーをほとんど交わすような勢いで1コーナーに入ります。
が、コーナーワークもあってエラトーがそのまま先頭をキープ。
そしてこの1~2コーナーあたりで全体の隊列もほぼ確定。
エラトーに1馬身前後の差で続くヴィレム。その後ろには2馬身ほどの差が付き、ジンセイやダンツトレント、ライフセービングといったあたりは5~7番手くらいの中位の位置に。ヘザルフェンは馬群からやや離れ、後ろから2番手を追走しています。
いい流れでは?
向こう正面はそのまま淡々と流れ、馬群は3コーナーへ入ります。
相変わらずエラトーが先頭、ヴィレムがぴったりと2番手。3番手にはダンツトレントが上昇、ヴィレムの外に並びかけんとする動き。
後方にいたヘザルフェンも一気に進出を開始し、ジンセイと並ぶ5~6番手の位置まで上がってきました。
3~4コーナー中間地点、ヴィレムがエラトーの外に並びかけていきます。ほとんど並走状態まで持っていったこの動きについていけなかったダンツトレントは振り落とされ、徐々に後退。
代わって内目からジンセイ・ライフセービング、外からヘザルフェンが進出の構え。
4コーナー、コーナーワークでヴィレムを振り切ったエラトーが単騎先頭で直線へ。
いつの間にかまた1馬身の差を付けられていたヴィレムも、彼女を追いかけて2番手で直線へ向きました。
手応えは悪くない、しかしエラトーの手応えも……!
……おや?
エラトー、逃げる逃げる! 差が詰まらない!
残り200手前、ヴィレムに右ムチ!
……差は詰まらない!
イヤ~~!
もう一度右ムチが入り、200標識通過後に今度は左ムチ!
ヴィレム、ここで遂に加速開始!
一時は2馬身近くまで開いていたエラトーとの差がみるみる詰まり始めます!
おっしゃ差せ差せ差せー!
しかしエラトー、まだまだ粘る粘る!
それでも残り100、ヴィレムはエラトーの後ろ脚を捉える!
よし行け!!
ここまで来ればもう流れは変えられない!
迫撃するヴィレム!
半馬身、クビ、アタマ、交わして、そしてクビ差リードを広げてゴールイン!
カモーーーン!!
優勝はヴィレム!
粘りに粘ったエラトーがクビ差の2着。3着にはいつの間にか3/4馬身差まで迫ってきていたジンセイが入りました。ヘザルフェンは5着まで。
(なお、確定オッズではヴィレムの単勝は2.0倍でした。直前に他馬に大量投票でもあったのかな?)
結果
2歳未勝利(阪神・芝2000・良)
ルメール(56)馬体重526
1着(10頭・1人気)
所感
結果的には順当勝ち!
直線半ばまではエラトーの粘り腰にビビり散らしましたが、終わってみればきっちり捉えて完勝です。
着差は開かなかったものの、この強力メンバーでも一枚上の横綱相撲を展開してくれたと言って良いのではないでしょうか。
今回も前回もスタートで即飛び出すという感じではありませんでしたが、その気になれば二の脚でハナを奪えるくらい行き脚が付けられるのは今後も大きな武器になるでしょう。
ムチが入った際に若干フラつくシーンはありましたが、前回に引き続きレースの最初からきっちり折り合って最後までしっかり駆け抜けてくれましたので、内容的にも文句はありません。
藤原厩舎スタッフの皆様、ルメール騎手、外厩や育成先の皆様、そしてクラブ関係者の皆様、ありがとうございました!
レクチャーも午前とは打って変わって祝福ムードに満ち満ちていました。人数も3倍くらいはいたような。
が、当然この勝利ひとつで満足できるような馬でもありません。
父がダービー馬キズナ、母が米国重賞勝ち馬ポウリナズラヴという血筋から、当然もっと上の舞台での活躍を期待している人がほとんどのはず。
今回は前走から一気に5秒も持ちタイムを縮め、2レース後に行われたエリカ賞の勝ち時計との差は0.1秒しかありませんでした。
現状でも上のクラスで戦える力はあるでしょうが、安定した先行力を磨いて更にレベルアップし、この先大きな舞台を目指していってほしいものです。
気が早い話ですが、今後のローテとしては個人的には若駒S→弥生賞→皐月賞のディープインパクトローテを希望。
祖父の軌跡を辿りたい!
中5週の連続になりますので間隔的にも丁度いいのでは?
まあ現実は希望通りには行かないでしょうが、藤原厩舎はエポカドーロであすなろ賞→スプリングS→皐月賞というマイナーローテでの成功体験もありますし、ヴィレムにも良いローテを考えてもらえるでしょう。
ルメール騎手は流石に本番ではノーザン系の有力馬に取られてしまうでしょうから、少しエンジンがかかるまで時間がかかるという特性を理解してもらうためにも早めに本番用の騎手も見繕っておいてほしいところ。
こんなことを言っていると、未勝利ひとつ勝っただけで何浮かれとんねんという向きもあるでしょうが、踊れるときに踊れないとこの趣味の楽しみを大いに毀損すると自分は思っていますので、大いに踊り倒すつもりですよ!
同じアホなら
踊らにゃソンソン!
そして、踊る舞台を与えてくれたヴィレムの健闘には最大限の感謝を!
自分の妄想に留まらず、ここから真に王道を突き進んでくれることを願っています!
それでは今回はここまで。
お読みいただき、おおきにありがとさんです。
(記事中の写真・公式情報ワラウカド様公式HPより許可を頂き掲載しております。)