こんにちは、まちかね太です。
さる5月27日、広尾サラブレッド俱楽部にて6月10日11時より受付開始を予定(※今回より会員グレードにより受付開始時間が変わるようです。後述)している2023年・2024年2歳馬募集『Hiroo no REIWA』募集馬6頭の価格・所属厩舎などの詳細が発表されました。
皆さんご存じの通り、1歳馬がステラリード21・ミスペンバリー21・セイリングホーム21・パーフェクトラヴ21・ラズベリータイム21の5頭、当歳馬がキャッツアイ22の1頭というラインナップです。
また、5月30日・6月1日更新の近況にて、先行募集の馬たちを含む1歳募集馬の測尺も発表されています。
ほぼ材料が出そろったという事で、彼ら彼女らへの現時点での感想を書いてみたいと思います。
例によって、馬体を見る目も血統を読む力も無い私の、本当にただの感想ですが。
なお、募集価格の参考値ともなる種牡馬の種付け料に関しては、種付け当時ではなく募集時の相場でないと意味が無いと思いますので、最新のものを記載します。
よろしければ最後までお付き合いください!
※以下文中敬称略。各種実績は記事執筆時点の物になります。
21年産(23年2歳)募集馬
今回の募集のメインとなる21年産馬は5頭。
今までよりも募集時期が早いとはいえ測尺がやけに小さい馬が多い気がしますが、どうなんでしょう。
気にする人はとことん気にする数値なだけに、各馬の売れ行きに与える影響も大きいかもしれませんね。
なお、7月いっぱいまでに出資完了すれば早特1の対象として18%のポイント加算があります(8月~23年1月までは9%、それ以降は通常の3%のみ)。※詳しい条件は公式HPを確認してください。
ステラリード21

| 父 | レイデオロ(種付け時 6歳) |
| 母 | ステラリード(出産時 14歳) |
| 母の父 | スペシャルウィーク |
| 性別 | 牡 |
| 誕生日 | 2/19 |
| 生産牧場 | 木村秀則 |
| 調教師 | 矢作芳人 |
| 募集価格 | 7200万円 |
| 遺伝子型 | TT型(晩成長距離) |
父・レイデオロ
2014年生まれの日本産馬。父キングカメハメハ、母ラドラーダ、母の父シンボリクリスエス。
母ラドラーダはJRA18戦4勝、最終クラスは1600万下(現3勝クラス)。英オークス2着馬ウインドインハーヘアの孫で、3冠馬ディープインパクトの姪に当たる。
レイデオロ以外にもレイエンダ(エプソムC-G3)・ティソーナ(マーガレットS-L)とオープン級勝ち馬を2頭輩出し、彼らを含めた現4歳以上の産駒6頭がすべてJRA2勝以上を挙げているという優秀な繁殖牝馬。
レイデオロ自身の競走成績は17戦7勝(うち海外2戦0勝)。日本ダービーなどG1・2勝を含む重賞5勝。
2歳10月のデビュー戦から3連勝でホープフルS(当時G2)を制し、休み明けの皐月賞5着から臨んだ日本ダービーを早めにまくり上げる半ば奇襲のような形で勝利し、世代の頂点に立つ。
4歳時には天皇賞・秋-G1も制覇。王道路線の主役の一頭として活躍した。
2020年から種牡馬入り。
サンデーサイレンスの血を持っていないことから比較的配合面での制約が少なく、かつ近親のディープインパクトやブラックタイドが種牡馬として成功していることから、レイデオロへの期待値も高い。
ステラリード21はその初年度産駒。
2022年種付け料:700万円(受胎確認後)。
社台スタリオンステーション繋養。2021年の種付け頭数は170頭。
初年度から600万円という高額種付け料でありながら195頭もの繁殖牝馬を集め、以後も人気を保っている。
母・ステラリード
2007年生まれの日本産馬。父スペシャルウィーク、母ウェルシュステラ、母の父Zafonic。
母ウェルシュステラ(アイルランド産)は広尾TCの前身サウスニアの所属馬としてJRAで走り、37戦3勝。最終クラスは1000万下(現2勝クラス)。
ステラリード以外にゴッドフロアー・レトロクラシックと、2頭のJRA勝ち馬を産んでいる(共に3勝)。
ステラリード自身の競走成績は31戦2勝。広尾所属馬として走り、函館2歳S-G3を制した。
デビュー2連勝で重賞ウイナーとなったものの、それ以降は29連敗。降級後の1000万下戦(ダート1400)で2着が1度あるだけという完全なる早熟馬。
繁殖としてはかなり優秀で、4番仔パラスアテナ(紫苑S-G3・2着)・5番仔カイザーノヴァ(クローバー賞-OP)が上級クラスで活躍。
そして6番仔キングエルメスが京王杯2歳S-G2を勝利し、重賞馬の母となることに成功した。
ステラリード21は第8仔。
生産牧場・木村秀則
広尾TC関連の母馬を数多く預かって頂いている、メインの預託先。
今年広尾TCのパンサラッサがUAEのG1・ドバイターフを同着優勝し、G1馬輩出ブリーダーの仲間入りを果たした。
2021年JRAリーディング56位。
代表生産馬はパンサラッサの他にキングエルメス(京王杯2歳S-G2)、クレッシェンドラヴ(福島記念-G3など重賞2勝)など。
調教師・矢作芳人
広尾民に神と崇められるリーディングトレーナー。
今年パンサラッサ・バスラットレオンをドバイで勝利に導いた快挙は記憶に新しい。
2021年JRAリーディング2位。
代表管理馬はコントレイル(クラシック3冠などG1・5勝を含む重賞7勝)、ラヴズオンリーユー(ブリーダーズカップフィリー&メアターフなどG1・4勝を含む重賞5勝)、リスグラシュー(有馬記念などG1・4勝を含む重賞6勝)、マルシュロレーヌ(ブリーダーズカップディスタフ-G1など重賞(Jpn含む)5勝)など。
騎手は所属騎手を起用する事が多い。
測尺
馬体重378キロ・体高150センチ・胸囲166センチ・管囲19.0センチ(5月中旬計測)
所感
Wow! 強気~!
兄キングエルメスが重賞を制したとはいえ、その倍以上の価格を設定してくるとはずいぶんと強気に出たなとは思います(キングエルメスの募集価格は3200万円)。
ラインナップ発表時のリスト順からミスペンバリー21より高値っぽいと予測した時点でこのくらいの価格も想定の範疇でしたから、特に意外でも何でもありませんが。
あとは会員各位がその価格に見合う価値が当馬にあるかどうかをおのおので判断するだけですね。
やや高齢に差し掛かってきましたが、母ステラリードは間違いなく優秀な繁殖。
パラスアテナ・カイザーノヴァ・キングエルメスと連続して上級クラスで活躍する産駒を送り込み、現2歳のテラステラも現状での手応えは悪くありません。
柳の下に4匹も5匹もドジョウがいるのかどうかというのは確かにありますが、産んだ子供のほとんどが一定以上の活躍を見せる名繁殖牝馬という存在も最近では昔に比べると多くなっているようにも思いますし、初期産駒3頭がイマイチだったとはいえステラリードもその系譜に連なる存在であるとしても何もおかしくはありません(活躍の程度が7200万円に値するかどうかというのは置いといて)。
それに、走らなかった初期の産駒3頭は、それぞれに理由付けすることも出来ます。
第1仔ステラバレット(父シンボリクリスエス)は、母が31戦走った後の初仔という事で繁殖としての能力を十全に発揮することが出来なかった。
第2仔エンジェルリードは、父ワークフォースが根本的に日本向きではなかった。
第3仔プシュケ(父ノヴェリスト)に関しては、そもそも故障でデビューできませんでしたし。
こじつけというか、後付けですがね。
それでも繁殖能力に疑いの余地はないでしょう。
しかし、不安点ももちろんあります。
3番仔プシュケが故障でデビューできなかったと先ほど述べましたが、パラスアテナも当初体質が強くなく、デビューは年明け。
逆に早期デビューを果たしたカイザーノヴァは3歳早々、キングエルメスは2歳秋に、復帰まで約半年を要する骨折を経験。
どうにもこの兄弟には故障・頓挫が多くみられるという一面があります。
次に、早熟性の問題。
パラスアテナは3歳秋の紫苑S2着→秋華賞4着を経て飛躍が期待された4歳以降、忌憚なく言ってしまえば現状期待外れの成績。
カイザーノヴァは骨折明けの3歳秋以降、2勝Cで掲示板外を繰り返しています。
それぞれに不振の理由付けは出来ますが、現実として古馬になってからの成長が見られない成績になってしまっているのは事実。
母ステラリード自身が典型的な早熟2歳重賞ウイナーという成績だったことから考えても、この血統に成長力という面で過大な期待は持てないかもしれません。
そして父レイデオロ。
なにしろこの世代が初年度産駒となる新種牡馬なので、今のところ海の物とも山の物とも知れたものではありません。
個人的には成功の可能性はかなり高いと勝手に思ってはいますが世紀の大失敗という恐れももちろんありますし、仮に成功の場合でも血統(キングカメハメハ×シンボリクリスエス×Seeking the Gold)の字面だけ見るとダート種牡馬になってもおかしくはないわけで。
ステラリード21の素質が高かったとしても、もし「早熟」「ダート馬」だった場合、日本の競走体系で7200万円をペイ出来るかはかなり怪しくなりますからね。
維持費等もろもろ諸経費込みだと更に厳しくなりますし。
でもTT型なんで早熟の心配はあまりしなくてもええんかな?
また、ステラリード21の現状の測尺値もあまり大きくはなく、順調に成長したとしても450キロくらいの、牡馬としては中の下くらいの馬格に落ち着くのが関の山かもしれません。
父レイデオロが480キロ前後、母ステラリードが440キロ前後で競馬していたことを考えると妥当の範疇かもしれませんが。
ただ、これも芝向きステイヤーとして考えるなら全然許容範囲とも。
ディープインパクトやオルフェーヴルと似たようなサイズと考えれば全く問題ないような気も。
当馬の適性が芝なのかダートなのか、短距離なのか長距離なのか、どう捉えるかで馬格の問題を重視するべきか否かも変わってくるでしょう。
なお、現状の値から全く成長しないパターンは考慮の外です。
さすがにそれはないと思いたい。
あとは、人によってはリスクとも取れるのが厩舎。
矢作厩舎なので、場合によっては招待レースではない海外戦に連れていかれる可能性もありますからね。
この価格で募集される以上、最低でも重賞級の期待値は掛けざるを得ないわけですから、もしそれが現実のものとなった場合は当然そういう話も出てくるでしょう。
バスラットレオン・キングエルメスという前例が既に出来つつありますのでね。
海外……。夢は大きいですな。
実際問題そう都合よくいくかどうかは別として、仮にそうなった時には夢と引き換えに遠征費というリスク加算もあり得るという事は考えておいた方がいいでしょう。
こうして並べ立てていくと不安点の方が大きいようにも感じられますが……。
総じて、リスクは過大(特に金銭面)ですが仮にうまくいったときに見られる夢も相応に大きいのがこのステラリード21という事になるでしょうか。
もし未勝利に終わったらと思うと怖いですが、当たった時の(主に精神的な)リターンは計り知れない……かも?
ただ、純粋な金融ファンドとして見た時に十分な利潤を得られる可能性は正直高くない気はします。
当馬の7200万円もかなり高額の部類ですが、価格億越えの期待馬が1勝も挙げられないことも珍しくないのがこの業界。
トップステーブルの矢作厩舎であってもそれは例外ではありません。
外れた時に(特に金銭面で)後悔してしまう精神性の場合はやめておいた方が無難かな。
でも、夢にお金をかけることに躊躇がなく、色々な意味でスリルを楽しめる精神性なら大いに買いかもしれませんね。
ここまで書いていて思ったのですが……普段馬券を買われるような方なら大体そういう精神性なのでは?
さあ、賭ケグルイましょう!
なんてね。
ミスペンバリー21

| 父 | キズナ(種付け時 11歳) |
| 母 | ミスペンバリー(出産時 19歳) |
| 母の父 | Montjeu |
| 性別 | 牡 |
| 誕生日 | 2/19 |
| 生産牧場 | 木村秀則? |
| 調教師 | 高柳瑞樹 |
| 募集価格 | 5400万円 |
| 遺伝子型 | TT型(晩成長距離) |
父・キズナ
2010年生まれの日本産馬。父ディープインパクト、母キャットクイル、母の父Storm Cat。
母キャットクイルは英国で2戦0勝も、パシフィカス(ビワハヤヒデ・ナリタブライアン兄弟の母)の妹という良血。キズナの15歳上の姉としてファレノプシス(桜花賞などG1・3勝を含む重賞4勝)を産んでおり、他にもピーターパンS-G2勝ちのサンデーブレイクも出している。
キズナ自身の競走成績は日仏で14戦7勝。日本ダービー-G1など重賞5勝。
ニエル賞-G2で同い年の英ダービー馬Ruler of the Worldを下して勝利し、凱旋門賞でも4着に入るなど、海外でも一定の実績を残した。
2016年から種牡馬入り。
社台SS繋養ではあるものの、外様のせいか社台グループ(というかノーザンF)にはあまり力を入れられている様子は無かったが、産駒は初年度からコンスタントに活躍。
初年度・2年目産駒の世代別アーニングインデックスはそれぞれ1.7を超えるという高パフォーマンスでありながらG1ウイナーが出て来ない事だけが悩みの種だったが、21年11月にアカイイトがエリザベス女王杯を制してその呪縛も解けた。
他の代表産駒はディープボンド(フォワ賞-G2など重賞4勝)、バスラットレオン(ゴドルフィンマイル-G2など重賞2勝)、ソングライン(富士S-G2など重賞2勝)など。
初年度・2年目の二世代だけで、重賞勝ち馬は10頭を超えている。
ミスペンバリー21は5世代目の産駒。
2021年JRA総合リーディング4位、2歳リーディング10位。
2022年種付け料:1200万円(受胎確認後)。
社台スタリオンステーション繋養。2021年の種付け頭数は195頭。
種牡馬入りから6年連続で150頭以上に種付けしている超人気種牡馬。
母・ミスペンバリー
2002年生まれの愛国産馬。父Montjeu、母Stitching、母の父ハイエステイト。
母Stitchingは半弟に愛インターナショナルS-G2など重賞2勝のGreat Daneを持つが、自身はアイルランドで10戦0勝。特筆するような産駒もいない。
ミスペンバリー自身は藤澤和雄厩舎所属の外国産馬としてJRAで走り6戦0勝、地方(交流競走)1戦0勝。
競走成績は貧弱だが繁殖としてはかなり優秀で、現4歳以上の産駒7頭中4頭がJRAで勝ち上がり、パンサラッサ(ドバイターフ-G1など重賞3勝)を筆頭に、エタンダール(青葉賞-G2・2着)、ディメンシオン(京成杯オータムH-G3・2着)と重賞級の産駒を複数輩出している。
ただ、ミスペンバリー21の全兄にあたる現3歳のアシタカは現在3戦未勝利と苦戦中。
ミスペンバリー21は第9仔。
生産牧場・木村秀則?
木村さんだと思いますが、記事執筆時点でJBISにもスタッドブックにもミスペンバリー21の情報がないため正確なところは不明。
スタッドブックのミスペンバリーの項目には「産駒が血統登録申込されていない」との注がついていますが……。
大丈夫ですよね?
調教師・高柳瑞樹
関東の若手中堅調教師。関西の高柳大輔調教師の実兄。
今年スターズオンアースが牝馬クラシック2冠を制覇し、一躍スターダムへ。
厩舎の活躍馬には牝馬が多い。
広尾TC関連馬ではパラスアテナを活躍させ、以降も毎世代預託馬を設定されているものの、ここ3世代(18産~20産世代)は不幸が続き、走らせるところまで辿り着いていない。
2021年JRAリーディング67位。
他の主な管理馬はホウオウイクセル(フラワーC-G3)、ヴィータアレグリア(マリーンC-Jpn3)など。
騎手は三浦皇成騎手をよく起用。その他、ド新人よりは数年以上の経験を積んだ中堅以上の騎手を起用することが多い模様。
測尺
馬体重311キロ・体高148センチ・胸囲158センチ・管囲18.0センチ(5月中旬計測)
所感
思ったより安いな?
というのが最初に情報を見た時の第一印象。
いえ、冷静に考えれば十分高額なんですけどね、全兄アシタカの5000万円よりも高いですし。
それでも、半兄パンサラッサが海外G1を制した今となっては確実に6000万円を超えてくるだろうと思っていましたから(それより高いだろうことが予想できていたのでステラリード21の値段にも驚かなかった)。
厩舎がパンサラッサやアシタカと同じ矢作厩舎ではなく、ディメンシオンと同じ藤原厩舎でもなく、関東の中堅どころである高柳(兄)厩舎である分のサービス価格なのかなと思っていましたが、測尺が出て納得。
これは流石に小さいのでは。
2月生まれでこの測尺では、どう成長したとしても3歳5月現在510キロを超えている全兄アシタカとは比べるべくもないサイズにしかならないことは容易に予想がつきます。
ただ、エタンダールはデビュー時438キロ、牝馬ですがディメンシオンはデビュー時444キロ。パンサラッサもデビュー時は458キロと、活躍した兄姉はそこまで大きな体を誇っていたわけではありません。
むしろ、アシタカやマグナムインパクトなど、500キロ超級の兄たちは期待されながらも頓挫でスムーズに行かず苦汁をなめているケースの方が目に付くので、この兄弟はむしろ大きすぎない方がいいのかも。
そうは言っても流石に小さいのでは。
このくらいの時期なら1年後までに100キロ以上増えることも普通にあるとは思いますが、この馬の場合仮に100キロ増えてもようやく400キロを少し超えるくらいですからね。
母もかなりの高齢出産ですし、価格を考えてもノールックで出資するのはかなり躊躇せざるを得ない感じ。
動きや血統面に魅力を感じたとしても、せめてしばらくの間は成長過程を確認したくなるのは仕方がないでしょう。
ほぼ体格と価格の話しかしていませんが、大抵の人はそうなってしまうのではないでしょうか。
ただし、皆がそれで躊躇するなら、全兄(アシタカ)が募集開始即満口となった広尾の目玉血統の牡馬に無風で出資できるかもしれません。
正直な話、ステラリード21以上にリスキーなギャンブルだとは思いますが……。
賭ケグルって……みます?
無風なら急ぐ意味もないんじゃ……というツッコミはナシの方向で。
セイリングホーム21

| 父 | シュヴァルグラン(種付け時 8歳) |
| 母 | セイリングホーム(出産時 6歳) |
| 母の父 | Shamardal |
| 性別 | 牡 |
| 誕生日 | 5/6 |
| 生産牧場 | 木村秀則 |
| 調教師 | 高柳大輔 |
| 募集価格 | 2000万円 |
| 遺伝子型 | CT型(普通成長中距離) |
父・シュヴァルグラン
2012年生まれの日本産馬。父ハーツクライ、母ハルーワスウィート、母の父Machiavellian。
母ハルーワスウィートはJRA22戦5勝。勝ったレースは全て平場のレースで、最終クラスは1600万下。
繁殖牝馬としては最優クラスで、現4歳以上の産駒5頭中4頭がJRAで勝ち上がり、そのうちヴィルシーナ(ヴィクトリアマイル-G1連覇など重賞3勝)、シュヴァルグラン、ヴィブロス(ドバイターフ-G1,秋華賞-G1)の3頭がG1タイトルを手にしている。
シュヴァルグラン自身の競走成績は33戦7勝(うち海外3戦0勝)。ジャパンC-G1など重賞3勝。
2歳時から素質の片鱗は見せていたが、3歳10月の500万下勝ちから3連勝でオープン入りし本格化。4歳春の阪神大賞典で重賞制覇を飾り、以降長距離戦線の強豪として活躍。5歳秋のジャパンCでレイデオロ・キタサンブラックを下してG1タイトルも奪取した。
基本的には善戦ホースというキャラクターでもあり、G1タイトルはジャパンC1勝のみだが2着は3度、3着は4度経験している。
2020年から種牡馬入り。
日本ではあまり人気のない長距離戦特化のカテゴリに属する馬だが、良血とリーズナブルな種付け料が評価されたか初年度129頭に種付けを行っている。
セイリングホーム21はその第1世代産駒。
2022年種付け料:80万円(受胎確認後)or 120万円(産駒誕生後)。
ブリーダーズスタリオンステーション繋養。2021年の種付け頭数は91頭。
長距離型種牡馬なので、評価を維持するためにも早めに活躍馬を出すことが必須。
母・セイリングホーム
2015年生まれの英国産馬。父Shamardal、母Tidespring、母の父Monsun。
母Tidespringは独仏14戦2勝。独セントレジャー-G3で2着などの実績がある。その母Sweet Streamはヴェルメイユ賞-G1など重賞3勝の活躍を見せたイタリア産馬。
セイリングホーム自身は英仏11戦1勝。特筆すべき実績はない。
セイリングホーム21は第1仔。
セイリングホームはパングロス所有なので、高齢となったミスペンバリーやハイアーラヴに代わり、これからの広尾の基幹牝馬として期待されているのかもしれない。
生産牧場・木村秀則
ステラリード21の同項目参照
調教師・高柳大輔
進境著しい関西の若手調教師。高柳瑞樹調教師の実弟。
2017年の調教師デビューから年々着実にリーディング順位を上昇させ、2021年にはテーオーケインズでチャンピオンズCを制しJRAのG1を制覇。
今のところダート路線での活躍馬が目立つ。
広尾TCとはアドバンスマルス転厩以来の付き合いになり、2017年世代以降毎年預託馬がいるものの、故障馬が多く活躍馬といえるほどの馬はいない。
しかし、概ね順調に走れたスターリーソングは勝ち上がれはしなかったが11戦を重ね、手当込みなら控除前回収率100%オーバーを達成している(募集価格700万円)。
2021年JRAリーディング37位。
他の主な管理馬はソリストサンダー(武蔵野S-G3)、ヴァニラアイス(端午S-OP)など。
騎手は松山騎手・松若騎手などをよく起用。
測尺
馬体重340キロ・体高148センチ・胸囲164センチ・管囲19.0センチ(5月中旬計測)
所感
この馬が1番人気かな?
高柳大輔厩舎預託の2000万円募集栗毛牡馬ということで、昨年のドンカルロと共通項が多いような気がする募集馬。
ドンカルロは色々とありましたが、この馬には何もトラブルが起きないことを願います。
この馬も測尺値はやや小さめではありますが、遅生まれという事もありますし450~460キロくらいまで育つことは充分期待できるでしょう。
シュヴァルグランの現役時のイメージと母系の活躍馬たちから想像される血統的適性から芝中長距離を目指すのだとすれば、多少コンパクトな馬体でも問題はあまりないと思われますし。CT型ですけど。
Machiavellianの3×4の他、Haloのクロスもあるので、意外にスピード面や早熟性でも期待が持てるかもしれません。
公式HPの血統解説でも色々詳しく述べられていますが、他の血統に詳しい人の解説も見てみたいところですね。
シュヴァルグランの由緒正しき良血ぶりはかなりのものだと思いますから、広尾初見参の母セイリングホームと併せて、いろいろな人がいろいろな見方を持っているのではないでしょうか。
自分はそういう血統分解みたいなことをすることは全くできませんが、人様が解説しているのを読むことは結構楽しいので。
さて、血統面の事はともかくとしても、今回の募集馬で一番マイナス点が少なそうなのはこの馬のように思えるので、早々に満口馬が出るならこの馬になるような気がします。
評価されそうな点は
・価格がお手頃
・父は最近まで現役だった馴染みのある名前
・母もそこそこの良血馬で若い
・育成シュウジデイF→外厩チャンピオンヒルズとなる可能性の高い高柳(弟)厩舎
など。
逆に嫌われる要素は初仔、馬格の不安、遅生まれ、父が長距離系新種牡馬といったところですかね。
不安点が気にする人は気にする系の項目ばかりなので、去年のレトロクラシック20(元ドンカルロ)やクエストフォーワンダー20(セントアイヴス)ほど早々に売り切れはしないかもしれませんが、それでも今回の募集馬の中では一番人気なのではないかと思います。
2000万円の募集価格ならコンスタントに出走しつつ1~2勝できれば十分ペイが狙えますし、よって今回募集の価格上位馬2頭よりも遥かに投資効率は上と言えるでしょうから、この馬が勝ち上がり可能な力を持っていると判断される方々には最有力選択肢の候補でしょう。
魅力を感じながらも様子見しようとされる方は、タイミングを間違えないように気を付けた方がいいかもしれませんね。
パーフェクトラヴ21

| 父 | サトノクラウン(種付け時 8歳) |
| 母 | パーフェクトラヴ(出産時 4歳) |
| 母の父 | オルフェーヴル |
| 性別 | 牡 |
| 誕生日 | 3/5 |
| 生産牧場 | 木村秀則 |
| 調教師 | 鈴木慎太郎 |
| 募集価格 | 1600万円 |
| 遺伝子型 | CT型(普通成長中距離) |
父・サトノクラウン
2012年生まれの日本産馬(持ち込み馬)。父Marju、母ジョコンダⅡ、母の父Rossini。
母ジョコンダⅡは愛8戦2勝。リステッド勝ちやキラヴーランS-G3で3着などの実績がある。
繁殖成績も優秀で、サトノクラウン以外にも輸入前にライトニングパール(チーヴァリーパークS-G1など重賞2勝)、ジョリージョコンド(タイロスS-G3・3着)を、輸入後にポンデザール(札幌日経OP-L)、フィリオアレグロ(青葉賞-G2・3着)を産んでいる。
サトノクラウン自身の競走成績は20戦7勝(うち海外3戦1勝)。宝塚記念-G1、香港ヴァーズ-G1など重賞6勝。
2歳10月のデビューから重賞2つを含む3連勝でクラシック戦線に臨むも皐月賞6着、ダービー3着。以降G1では苦戦が続いていたが、4歳冬の香港ヴァーズで念願のG1制覇。5歳の宝塚記念ではキタサンブラック・ゴールドアクターらを破って国内G1タイトルも手にした。
ピンかパーかはっきりしているタイプで、7勝を挙げた反面、敗れた13走の内11回は掲示板すら外している。
2019年から種牡馬入り。
パーフェクトラヴ21は第2世代の産駒に当たる。
2022年種付け料:100万円(受胎確認後)。
社台スタリオンステーション繋養。2021年種付け頭数91頭。
種付け数が漸減傾向にある評価を巻き返す為、今年デビューの第1世代の活躍に期待がかかる。
母・パーフェクトラヴ
2017年生まれの日本産馬。父オルフェーヴル、母ハイアーラヴ、母の父Sadler's Wells。
母ハイアーラヴは英独7戦1勝。リステッドレースのチェシャーオークスで2着の実績がある。
産駒にクレッシェンドラヴ(七夕賞-G3・福島記念-G3)、Alive Alive Oh(サルサビルS-L)。
広尾TC基幹牝馬の1頭。
パーフェクトラヴ自身はJRA1戦0勝。
広尾TC所属馬として2歳夏の札幌新馬戦でデビューし5着としたが、直後に屈腱炎を発症して無念の引退。
パーフェクトラヴ21は第1仔。
生産牧場・木村秀則
ステラリード21の同項目参照。
調教師・鈴木慎太郎
2021年にデビューしたばかりの新人調教師。
広尾ではカイザーノヴァの転厩先としておなじみ。
データが少ないのでどうこう言えるようなこともありませんが、厩舎の公式HPで方針として「出走回数へのこだわり」を掲げているので、積極的な出走には期待できそう。
2021年JRAリーディング177位。
騎手の起用は内田博幸騎手、宮崎北斗騎手などが目立つ。
測尺
馬体重337キロ・体高153センチ・胸囲163センチ・管囲19.5センチ(5月中旬計測)
所感
価格はお手頃ですが……。
牡馬でこの価格というのはかなり魅力的ではありますが、同価格帯と言っていいだろうセイリングホーム21と比べるとギャンブル感が強い印象。
・測尺値が小さい(生まれ月の関係から最終的にセイリングホーム21より一回りは小さくなりそう)
・父の種牡馬能力が未知数。欧州色が強い血統の為、高速馬場適性に一抹の不安アリ
・母が未勝利。1戦のみの為、能力的にはそれ以上の可能性はあるが、故障での早期引退という事で脚元の弱さが遺伝していないかという不安アリ。また、気性に難しいところのあるハイアーラヴ牝系に気性難で有名なオルフェーヴルを合わせた母ということで、産駒にも気性面に問題が出る恐れも。
・厩舎力が未知数。更に関東厩舎(相対的に外厩が貧弱)。
以上のように、不安点が多いのは間違いないでしょう。
ただし、これらの不安点はいずれも「かもしれない」系の不安であり、蓋を開けてみれば全然問題なかったという事も十分あり得ます。
だからこそギャンブルチックな印象があるとも言えるわけですが。
それぞれに考えていくと、まず馬格面。
父サトノクラウンはデビュー時468キロ、母パーフェクトラヴは424キロ。素直に両親の体格を受け継いでいれば、やはり息子もそんなに大きくはならない可能性が高いでしょうか。
父の種牡馬能力面については、この夏デビューする初年度産駒を見たいところではあります。
が、スピード対応力への不安に関してはサトノクラウンは血統的にはむしろ短距離志向の構成(欧州型ではありますが)であり、アドマイヤムーンのように「自身の競走成績は中距離型だったが上級産駒は軒並みスプリンター」みたいな結果になってもなにもおかしくはないかと。
自身も2歳から実績を残していたので、早熟性も備えているかもしれません。
母の不安点に関しては、完全に出たとこ勝負。
脚部不安も気性問題も、ある程度は調教が進んでいかないと判明しないでしょうからね。
ここが最もギャンブル要素の強い部分でしょう。
厩舎に関しては、カイザーノヴァの転厩後の経緯は会員なら確認できますから、結果はともかくとしてマネジメントに納得できるなら良いのではないでしょうか。
鈴木師は情報発信に結構力を入れておられるようで、厩舎公式HPやSNSも駆使されています。
カイザーノヴァもtwitterに登場したりしているので、クラブの公式情報だけで満足できない方にはいい厩舎ではないかと思います。
舌出しノヴァ君かわいい。
厩舎からの情報発信が多く、出走回数を多くしてくれるのであれば、競走結果がどうあれクオリティ・オブ・一口馬主ライフはそれなりに満足度の高いものになる可能性はあります。
まあそれも、厩舎に居て出走できるように、健康を維持できていることが最低条件ですが。
そのあたりをどう考えるかが、この馬を出資候補にするかどうかの焦点になるでしょうかね。
ラズベリータイム21

| 父 | ダンカーク(種付け時 14歳) |
| 母 | ラズベリータイム(出産時 18歳) |
| 母の父 | フジキセキ |
| 性別 | 牝 |
| 誕生日 | 2/24 |
| 生産牧場 | 木村秀則 |
| 調教師 | 田村康仁 |
| 募集価格 | 1000万円 |
| 遺伝子型 | CT型(普通成長中距離) |
父・ダンカーク
2006年生まれの米国産馬。父Unbridled's Song、母Secret Status、母の父A.P.Indy。
母Secret Statusは米19戦8勝。ケンタッキーオークスに加え、当時トリプルティアラの一つだったマザーグースS(現在はG2)と、米国3歳牝馬の主要G1を2勝した名牝。全弟にファイエットSなどG3を2勝したAlumni Hallがいる。
ダンカーク自身の競走成績は米5戦2勝。
デビューから2連勝後のフロリダダービーで2着し、有力馬の一角としてケンタッキーダービーに挑むも11着。トリプルクラウン最終戦のベルモントSで2着と巻き返したが、これが現役最終戦となった。
2010年から米国で種牡馬入り。初年度産駒からシャンペンS-G1を制したHavanaを輩出し、2歳ファーストシーズンサイアーチャンピオンに輝いた。他に南米チリのG1ウイナーを2頭出している。
2014年に日本へ輸入。期待は大きく、翌2015年の日本供用初年度には150頭の繁殖牝馬を集めた。
しかし今のところ期待ほどの活躍馬は出せず、地方競馬での勝ち上がり率は悪くないもののアーニングインデックスは中央・地方共にイマイチ。
重賞勝ち馬も、日本での第4世代産駒であるアイスジャイアント(JBC2歳優駿-Jpn3)1頭のみに留まっている。
ラズベリータイム21は、日本供用6世代目の産駒。
2022年種付け料:70万円(受胎確認後)or 100万円(産駒誕生後)。
イーストスタッド繋養。2021年種付け頭数65頭。
母・ラズベリータイム
2003年生まれの日本産馬。父フジキセキ、母レディストロベリー、母の父Caerleon。
母レディストロベリーはロードHC所属のマル外として日本で走り、JRA5戦0勝、地方3戦0勝。
繁殖としては広尾所属馬でダービー卿チャレンジT-G3を制したブリッツェンを産んでいる。
ラズベリータイム自身は広尾所属馬として走り、JRA18戦3勝。最終クラスは1600万下。
繁殖としての現4歳以上の産駒は6頭が走り、ミトノレインボー(3勝)とマーヴェラスクイン(1勝)の2頭がJRA勝ち馬になっている。
21年産の出産を以て繁殖を引退したという事で、ラズベリータイム21は第9仔にして最後の産駒。
ラズベリータイム21の全兄姉になるダンカークとの子供は上に3頭おり、先述のマーヴェラスクイン(JRA19戦1勝)の他、ミツカネエースが地方2戦0勝、エベーヌがJRA2戦0勝・地方3戦0勝という成績。
生産牧場・木村秀則
ステラリード21の同項目参照
調教師・田村康仁
関東の中堅ベテラン調教師。
今年はアスクビクターモア(弥生賞-G2)がクラシックで活躍している。
広尾関連馬では長く1勝Cで戦ったカナロアガールを管理していた。
2021年JRAリーディング29位。
主な管理馬はメジャーエンブレム(NHKマイルC-G1、阪神JF-G1など重賞3勝)、ディアジーナ(フローラS-G2、クイーンC-G3)、ケイアイドウソジン(ダイヤモンドS-G3、阪神スプリングジャンプ-JG2)など。
騎手は、三浦騎手を中心に関東の上位ジョッキーを多く起用。
測尺
馬体重395キロ・体高152センチ・胸囲169センチ・管囲20センチ(5月中旬計測)
所感
安い! ……が……
今回の新規募集馬の中で唯一の牝馬。安い理由の一因はそこにもあるでしょう。
が、測尺では今回の新規募集馬たちの中で最も立派と言ってもいいくらい。
とはいえ、妥当な成長をするなら最終的に中格サイズといったところでしょうが。
個人的に種牡馬ダンカークをあまり評価していない(元ドンカルロはいい馬だと思いますが……)こともあり、申し訳ないのですが私にとってあまり魅かれるところのない馬です。
母はそこそこの実績馬ですが全兄姉の成績に強調する部分はなく、高齢出産。
厩舎も関東ですし。カナロアガールの扱いの件で色々耳にも入ってきてますしね。
ただ、母の最後の産駒という事なので、思い入れのある方には嬉しい価格なのではないでしょうか。
1勝できれば簡単に元が取れそうです。それでなくとも元気に数を使ってくれればそれなりに回収も望めるでしょう。
数を使ってさえくれれば。
使ってくれるかな?
22年産(24年2歳)募集馬
今年生まれたばかりの当歳馬の募集は、キャッツアイ22の1頭だけ。
早特のポイント加算は7月まで18%、23年1月まで15%、23年7月まで12%、24年1月まで9%。
キャッツアイ22

| 父 | タワーオブロンドン(種付け時 6歳) |
| 母 | キャッツアイ(出産時 5歳) |
| 母の父 | スピルバーグ |
| 性別 | 牝 |
| 誕生日 | 4/4 |
| 生産牧場 | 不明(新ひだか産) |
| 調教師 | 蛯名正義 |
| 募集価格 | 2000万円 |
| 遺伝子型 | CC型(早熟短距離) |
父・タワーオブロンドン
2015年生まれの日本産馬(持ち込み馬)。父Raven's Pass、母スノーパイン、母の父Dalakhani。
母スノーパインは仏国7戦2勝。特筆すべき実績はなし。
タワーオブロンドン以外に現4歳以上の産駒が3頭いるが、JRAで勝利した馬はいない(1頭は輸出)。
タワーオブロンドン自身の競走成績は18戦7勝(うち海外1戦0勝)。スプリンターズS-G1など重賞5勝。
2歳時から1400m~1600mの重賞戦線で活躍していたがG1には届かず、スプリントに舵を切った4歳秋にスプリンターズSを制して念願のG1制覇。
ゴドルフィン所属馬なので、勝負服が広尾に似ている。
2021年から種牡馬入り。
キャッツアイ22は第1世代の産駒。
2022年種付け料:150万円(産駒誕生後)。
ダーレージャパン・スタリオンコンプレックス繋養。2021年種付け頭数134頭。
スプリントG1を一つ勝っただけの実績の割に強気な種付け料だが、人気は高い。
母・キャッツアイ
2017年生まれの日本産馬。父スピルバーグ、母スイートマカロン、母の父Tale of the Cat。
母スイートマカロンはJRA6戦0勝、地方(門別)1戦1勝。JRAでの最終クラスは500万下(現1勝C)。
産駒に3勝を挙げたグランソヴァールなどJRA勝ち馬が3頭。
キャッツアイ自身の競走成績はJRA5戦1勝。
3歳2月の遅いデビュー戦を2着し、2戦目であっさり勝ち上がり。昇級戦でも2着し活躍が期待されたが、9月の5戦目の後に屈腱炎が判明して引退を余儀なくされた。
種牡馬スピルバーグの現状16頭しかいないJRA勝ち馬の内の1頭。
キャッツアイ22は第1仔。
残念ながら出産後にキャッツアイは世を去ってしまったという事なので、この母にとって最初で最後の子供という事になる。
調教師・蛯名正義
今年デビューしたルーキートレーナーにして、元2500勝ジョッキー。
調教師としての研修先だった名門藤沢厩舎から一部のスタッフなどを引き継ぎ、注目度は高い。
広尾では20年産世代からさっそくランドオブラヴを預託し、関係を築いている。
所感
かわいい。
以上!
馬は生後2か月、父は新種牡馬、母の初仔、調教師は今年デビューで、語れることなど何もありませんね。
価格が少々お高めに思える、というくらいでしょうか。
そんな価格面のことも考えると流石にすぐ売り切れることは無いと思うので、当面は静観でも問題ないかと思います。
しかし、正式に募集馬としてラインナップされたという事は定期的に近況更新があるという事なので、母(もしくは父)に思い入れがある人には嬉しいのではないでしょうか。
ある意味サービスの一環としてのラインナップ入りなんでしょうかね?
募集要項の変更について
今回の募集から、出資申し込みの受付開始時間が会員グレードにより変わるという発表がありました。
上位グレードホルダーになるほど、下位グレードよりも1時間ずつ受付時間が早まるという仕様のようですね。
当初6月10日11時受付開始とアナウンスされていた、今回の募集に関しては以下の通り。
G1グレード:午前8時受付開始
G2グレード:午前9時受付開始
G3グレード:午前10時受付開始
※いずれもネット申し込みのみの受付。電話申し込みは一律11時開始。
その他の会員及び新規入会希望者は、当初の発表通り11時開始という事のようです。
また、募集馬の母馬に出資していた会員に関してはG2グレード相当の午前9時からの受付となるようです。
いわゆる母優の一種という事になるでしょうか。
最近の募集で開始早々のアクセス集中によるサーバー過負荷が問題になっていたので、それに対する対策ということでしょう。
また、新規入会者無料4口施策を実施している広尾TCでは、人気の募集馬に無料出資希望者が殺到して、お金を払って出資しようとする既存会員が出資できないという事も起こっていたので、そちらへの対策もあるのでしょうね。
今回の変更には各会員の立場からそれぞれ賛否両論あるでしょうが、私としては否やはありません。
上記二つの問題点は毎度言われていたことですので、何もしなけりゃそれはそれで文句を言う人は必ず現れます。
何事においても、それまでのやり方を変える際に万人が納得するという事はほぼあり得ないので、反発の声が上がることは仕方がありませんし、反発する人は声を大きくしがちなのでどうしても目立ちます。
その大きな声が真にマジョリティであるのかノイジーマイノリティであるのかは、実際に運用してしばらくしてみないとわからないでしょうね。
つまり現状では気にするだけムダなので、粛々と改革を断行して問題点が洗い出されたらブラッシュアップを図っていくという方向でいいと思います。
そして、現段階でも思いつく問題点はあります。
改革に否やがないからと言ってなにもかもに無批判なわけではありませんからね。
というわけで、「なんでやねーん」と思ったことをいくつか。
①グレードUPしてのメリットは1時間だけなんスか?
当日仕事がある人とかだと、1時間程度の優先権では行使できない人も結構おられるのでは?
1日単位とかにしてはダメだったのか?
例えば、木曜日=G1グレードのみ 金曜日=G1・G2グレードのみ 土曜日=G1~G3グレードのみ 日曜日=新規含めた全希望者
クラブ的にもこの方が余裕を持てるのでは?
②母優はG2グレード相当なのはなぜ?
そもそも最初からG2グレード(以上)保持者の場合、まったく意味のない制度になってますし。
一口馬主界にはキャロット等の母優先駆者がいますから、母に出資していた人で枠が埋まるのはある程度許容されると思うので、むしろG1グレードより上でも良かったのでは。
それならG1グレードで母馬に出資していた人にも意味のある制度になるでしょう。
③告知が遅いうえに手段がおかしくないスか?
最大の問題点はこれ。
まず、変更内容の良し悪し関係なく、告知が募集開始の約10日前とか遅すぎます。
郵送物の配達日時によっては、もっとギリギリになる人もいるでしょう。
そもそも、一度公式HPで正式に受付開始日時と方法を発表した後に、郵送物のみで変更を通知するって常識で考えておかしくないですか?
記事執筆時点では公式HPに変更点の告知はありません。
おそらく、公式HPの告知は新規入会希望者も見るだろうから、混乱を招かないようにというご新規さんへの善意で新規加入者の受付開始時間しか載せていないのでしょう。
だいぶ明後日の方向を向いた善意だと思いますが。
そこまで頭が悪い人ばかりではないと思いますよ?
大体、既存会員だって公式HPの情報を元に動いてるんスけどね?
せめてメールの一斉送信とか出来ませんでしたか。
郵便物に紛れ込ませられると、私みたいにカタログはデジタルでOK派の人間は下手すると気づかないんですけども。
全会員に郵送物が行き渡るだろうタイミングでメールなりHP上での発表なりがあるのかもしれませんが、わざわざ通知を遅らせる意味あるか?
申し訳ありませんが正直なところクラブに対して事務関係の諸々については最初から期待していないとはいえ、今回の経緯は残念です。
と、つい思ったことを書きなぐってしまいました。
私の感想がマジョリティなのかノイジーマイノリティなのかはわかりませんが、これも一つの意見という事でご容赦いただきたく。
他にも色々な意見があるでしょうから、クラブには適当に拾い上げて今後のブラッシュアップに役立てていっていただければと思います。
まとめ
さて、今回の募集馬についての感想はここまでとなりますが、先行募集をかけられていた馬たちについても現時点での測尺が発表となっています。
・ステラエージェント21 馬体重388キロ・体高155センチ・胸囲166センチ・管囲20.5センチ(5月中旬計測)
・デプロマトウショウ21 馬体重437キロ・体高157センチ・胸囲171センチ・管囲20.2センチ(5月末計測)
・サンライズシェル21 馬体重416キロ・体高152センチ・胸囲169センチ・管囲20.5センチ(5月末計測)
・サンドクイーン21 馬体重453キロ・体高155.5センチ・胸囲179センチ・管囲20センチ(5月末計測)
・エンパイアブルー21 馬体重357キロ・体高152センチ・胸囲163センチ・管囲20センチ(5月中旬計測)
・ゼロカラノキセキ21 馬体重358キロ・体高148センチ・胸囲167センチ・管囲19.5センチ(5月中旬計測)
今回の新規募集馬たちよりも全体的に発育は良好な感じですね(特に桑田牧場産の牝馬2頭。さすがはパカパカファーム育成馬!?)。
ステラエージェント21とエンパイアブルー21以外の5頭はまだ残口もあります(皆「残口わずか」状態)ので、こっちに出資するのも手かもしれません。
3月の特別募集時に書いた先行募集馬考察記事はこちら(データなどは当時の物です)↓
さて私はどうしましょうという話ですが、実は6月募集の全容が発表された時点でサンライズシェル21に2口出資しました。
私の場合、考察……と言えるレベルか? まあとにかく考察は考察として楽しんでやっているんですけど、実際に出資するか否かは殆ど自分の作った基準ポイントを満たせるかどうかで半ば機械的に決めます。
今回の募集馬ではステラリード21以外に自己基準を満たす馬がいなかったのです。
厳密にはサンライズシェル21も基準に少し足りないのですが、実は今年の広尾の募集馬で基準を満たす馬が(秋に募集が予想される馬を考慮しても)ほとんどいない状況なのでちょっと甘く見て、夏募集馬の全容発表で厩舎などでの大きな加点でもない限りはサンライズシェル21に行こうと決めていました。
ちなみにこの世代では既にデプロマトウショウ21とサンドクイーン21にも出資していますが、サンドクイーン21も甘めに見ての出資です。
栗毛バンザイ!
あとはこの夏募集組なんですけど、唯一基準値を満たしているステラリード21は、お値段が本来の許容額の遥か彼方。
さてどうしましょうね。
うーん、賭ケグルイますかねぇ?
という訳で、本日はここまで。
お読みいただき、おおきにありがとさんです。
(記事中の写真・公式情報は広尾サラブレッド倶楽部様公式HPより許可を頂き掲載しております。)
※当記事はあくまで個人の感想であり、特定のファンドへの出資を推奨または制止するものではありません。
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