こんにちは、まちかね太です。
9月11日の中山5レース・メイクデビュー中山(2歳新馬)(芝1600)に、YGGオーナーズクラブでの出資馬トレブランシュが出走しました。
ゲート試験合格は5月20日で、夏競馬でデビューするかなと思っていましたが、なかなか調教師のゴーサインが出ず秋の中山開幕まで待たされることになりました。
と言っても、調整過程からは早めのデビューを期待していたのは事実ですが、晩成傾向がはっきりしているオルフェーヴル産駒という事もあり、個人的には仮に早めにデビューしたからとて初戦から勝ち負けの期待までしていたというわけでもなく、それはデビューが9月まで延びても同じこと。
毎週の近況での調教師の評価にやたら渋いコメントが多かったのも、その考えに至る一因だったと言えるでしょう。
しかし、育成場での評価は動画でのコメントを見る限りではなかなか良かったようで、デビュー戦に騎乗する津村騎手が追い切りに乗った際にもそれなりに手ごたえがあるようなコメントが出ていました。
最終的には調教師も競馬新聞などで「強気」と判断されるコメントを発するに至っていたようですので、もしかするとそれなりに好勝負してくれる可能性もあるかも……と、少し期待も出てきていました。
上手くすれば入着は
狙えるかも。
以下、出来れば掲示板に入って、次走以降出来るだけ早い段階で勝ち負け出来る展望が立つような走りを見せてくれれば嬉しいな、という気持ちで迎えたデビュー戦のレポートです。
出走馬プロフィール・トレブランシュ
トレブランシュ
(牝2・オルフェーヴル×トレサンセール by Rip Van Winkle)
美浦・稲垣幸雄厩舎

ここまでの戦績:初出走
レースまでの状況
トレブランシュは、この世代の出資馬の中では最も出資するか否かを迷った馬でした。
厩舎実績が足を引っ張ったことで個人的な出資基準値を満たせず、迷っていた当時は420キロにも満たない小柄な馬体。
ガサのない牝馬が目に見える地雷原なのは百も承知ですし、推し種牡馬オルフェーヴル産駒とはいえ父の栗毛を受け継ぎませんでしたし。
しかし今後都合よくオルフェの子に出資できる機会がポンポン訪れるとも限りませんし、毛色がどうあれ派手な顔面は好きですし、血統構成も好み。
ちょうどクラブがポイントを大盤振る舞いしてくれたこともあったので、結局出資することにしました(出資金は全額ポイント払いで収まりました。ありがたや)。
爆死の可能性も覚悟の上ですが、この馬の毛色因子はヘテロ鹿毛で確定なので、上手くいって繁殖入りするようなことがあれば子供には栗毛が出る可能性はありますし(子供がクラブで募集されるのかどうかは知りませんが)。
それでも期待半分不安半分、いや期待2割不安8割くらいの心情でいたワケですが、育成先の森本スティーブルではなかなか評判は良かったようで、体は大きくならないながらも
もしかしてソコソコやれそう?
と、徐々に期待の度合いが増していくようになりました。
4月26日に本州(森本スティーブル美浦エリア)に移動し、5月13日には早々に稲垣厩舎に入厩。
5月20日にはゲート試験にも合格し、一応はいつでもデビューできる態勢は整いました。
とはいえ流石にこの時点で即デビューへ、という話にはならず、トモに力が付ききっていないため外厩でトモのケアと強化を行ってからデビューへ向けて進めていくという方向に。
この時点での調教師の適性評価は「パワー型の短距離馬」というもので、「デビューは芝でもいいが、それでスピードが足りなければダートを使えばいい」というコメントでした。
その後、5月24日には予定通り森本スティーブル美浦エリアに戻り、以降デビューに向けて調整を重ねていきます。
一時は酷暑の影響で調教ペースを落としたり、若干弱っている雰囲気が出たりもしたようですが、大過はなく8月2日に美浦に帰厩。
当初は8月27日新潟芝1600か9月4日新潟芝1400(牝)でのデビューを目標に、という話でしたが、どうにも調教師の評価が上がってきません。
「走りのバランスとして後ろが使えていない」「動きにメリハリが足りない」「走りがワンペース」とメタクソ。
ありゃりゃ?
ちょっとずつ上がってきていた期待値が一気に萎んでしまうようで残念な感じでしたが、
まあこれが現実よね~
と、とりあえずは無事にデビュー戦を迎えられればまずはOKという風に気持ちを切り替えました。
オルフェの仔には2歳戦は飾りです。3歳未勝利戦が終わる頃までに形になっていればいいのです。
そして8月24日の近況では「悲観するような内容ではない」との注釈付きながら、「最後の1ハロンがまだ切れない」「だらけてしまう」ということで、31日のレースに使うには状態が足りず、9月4日の1400戦では忙しくなる可能性があるという判断を下され、改めて中山開幕週(9月11日)の1600戦でデビューする方針が示されました。
ここまでの調教師コメントは悲観一辺倒と言えるもの(いくら悲観するような内容ではないとか言われたってねえ……)でしたが、次週8月31日のコメントでやっとポジティブな発言が出ました。
いわく「だいぶ動けるようになってきた」「スッと反応出来る様にもなってきました」。
馬体重の問題もあるので軽めの調整に終始してはいますが、動きの評価も上がったことで予定通り9月11日のレースを目指すことが確定。
騎手も津村騎手に決まりました。
レース直前の9月7日の追い切りでは、津村騎手を背に馬なり3頭併せで最先着。「他の2頭が最後手応えがなくなってトレブランシュが一番良い形で上がってきたんですが、それでもまだ余力があった」と、なかなか好内容だったようです。
津村騎手も「この時期の2歳としては凄く乗りやすい」と高評価だったようで、調教師コメントも「そんなに速い時計は出さなかったんですが動き自体は良くなっています」「息の入りも良くなってきている」と一時と比べるとだいぶハイトーンに。
一度オトされているので、
鵜呑みにはしませんがね!
それでもちょっと期待値も回復。
そんなこんなで迎えたデビュー戦。当週の芝の新馬戦は東西で計5鞍あり、このレース以外の4鞍は出走頭数1ケタでしたが、この中山1600戦だけが除外まで発生するフルゲート大盛況。
除外には引っかからずに無事に出走を果たしたトレブランシュでしたが、枠順は8枠15番に決定。
サ・イ・ア・ク……
誰もがご存じの通り、中山1600は外枠不利。しかも開幕週。
これなら偶数番なだけ大外の方がまだマシだった……。
俄然レースの組み立てが難しくなってしまいました。
その上、有力とみなされた出走馬たちはウィットサンデー(父ミッキーアイル)、ダノンゴーイチ(父イスラボニータ)がともに2枠に入るなど、軒並み内枠。外目に行ったのは5枠10番のサルヴァトーレ(父キズナ)くらいで、それとてトレブランシュよりはだいぶマシな枠。
運がないなぁ……
しかし、決まったものを嘆いてばかりいても仕方ない。
オルフェ産駒のこのコースの過去3年勝率は、出走馬の父馬の中ではイスラボニータ・キズナに次ぐ3位なので、2歳戦という事に目をつぶれば好条件。
鞍上津村騎手はこのコース取り立てて得意なわけではありません(過去3年104戦5勝)が、場数は踏んでいるので同じような状況も何度も経験しているハズ。
トレブランシュを上手く導いてくれることを祈って。
目指せ掲示板!
レース内容
週中は天候がグズつく日もありましたが、レース当日の中山競馬場は曇り、芝は良。
前日に中山芝1600で行われた2歳戦2鞍(未勝利戦とアスター賞)は、共に2番人気馬が逃げ切り勝ちしている状況です。
トレブランシュの最大の懸念点であった馬体重ですが、428キロでの登場となりました。
小さいは小さいですが、出資時にはレース時400キロを割る恐れもあると思っていましたから、この馬なりに成長してくれたと言えるでしょう。
パドックでは太くも細くも見えず、歩きは脚の回転が速いように思えますがイレ込みもなく、まずまず良さげに見えます。
グリーンチャンネルのパドック評でも評価が良かったせいか、当初6~7番人気くらいだった人気が締め切りが近づくにつれどんどん上がり、最終的には11.2倍の4番人気の支持を受けるに至りました。
マジ? 期待に応えてほしい!
上位人気馬はウィットサンデー(3.7倍)、サルヴァトーレ(4.3倍)、ダノンゴーイチ(4.4倍)の順。
返し馬ではやや引っ掛かり加減なようにも見えましたが、特にトラブルもなくゲート入りへ。
映像が各馬の枠入りを映すころには既に馬体をゲートに収めていたトレブランシュ、隣の14番枠アスクエブリーワンが少しチャカついているのに引っ張られて多少うるさくするシーンも見られましたが、大きな問題はなく大外レイナバレンティアのゲート入りを待ちます。
出遅れだけはご勘弁やで……
そこはかとなく不安を感じながらレイナバレンティアの枠入りを見送り、ほどなくゲートオープン!
かなりバラついたスタート!
トレブランシュは!?
つい出遅れ組の方から確認してしまいましたが、後方組にYGGの勝負服はナシ。
すぐに前へ目線を移すと、好スタートを切った内のダノンゴーイチを外から軽く気合を付けながら躱して先頭を奪っていくトレブランシュの姿が!
よっしゃOK!
内側に切れ込みながら最初の2コーナーを回る頃には、2番手に上がってきていたウィットサンデーに2馬身ほどの差をつけて完全に単騎先頭。
開幕週で出来るだけロスのないルートを通るためには最適解の一つ。
ええぞ津村ー!
トレブランシュはそのまま軽快に飛ばし、先頭のまま3コーナーへ。
4コーナーへのカーブの途中、2番手集団の外側に居たアスクエブリーワンが進出を開始した直後に、2番手集団の一番内側に居たウィットサンデーが勝手にトモを落としたような形になって一気に後退。
ウィットサンデーのすぐ後ろにいたダノンゴーイチが飛び上がるようにしてそれを避けるなど中団がゴチャつきましたが、逃げるトレブランシュには当然影響はありません。
4コーナーを回り直線に向こうとするときには、トレブランシュの外からアスクエブリーワンが馬体を併せに来ましたが、トレブランシュが持ったままなのに対してアスクはかなり手が動いており、手応えの差は歴然。
その後ろとはまだ2馬身ほどの差をキープ。
これイケんじゃね!?
逃げ切りの期待が大きくなり、見ている方にも俄然力が入ります。
直線に入り、ノーステッキのままアスクエブリーワンを引き離したトレブランシュ。
しかし、いつの間にか内側から進出してきていたダノンゴーイチが外目へと進路を変更しながら風のように接近。
アスクを外からスッと躱し、そのままの勢いでトレブランシュにもグイグイ迫ってきました。
あー!
待ってー!!
残り200手前、津村騎手がムチを入れますが、手応えは外から伸びるダノンの方が上。
トレブランシュも並ばれてからしばらくの間は抵抗しましたが、残り100m地点で遂に躱し去られてしまいました。
くぬうう~~
ダノンゴーイチはそのまま差を広げ、余裕の完勝でゴールイン。
トレブランシュは2馬身半差の2着。
しかし、トレブランシュも最後は流しながら3着オークアンドモルトに5馬身差を付けており、充分に力を示したデビュー戦となりました。
結果
メイクデビュー中山(2歳新馬)
(中山・芝1600・良)
津村(54)馬体重428
2着(16頭・4人気)
所感
相手が悪かったが、
頑張りました!
アクシデントをものともせずあの脚を使われては、脱帽するしかありません。
今回のメンバーではダノンゴーイチの力がちょっと抜けていましたね。
しかし、トレブランシュも後続に5馬身という決定的な差を付けています。
力上位は明白でしょう!
レース前は次走以降に希望が持てるような走りを見せてくれればそれで満足、と思っていましたが、思った以上に希望の花が咲きまくりの結果だったと言っていいと思います。
先行きは明るい!
敢えて重箱の隅をつつく真似をするならば、走破タイムが前日の芝1600未勝利戦では7着相当であるとか、上がりタイムは大して速くもないとか、ツッコミどころはもちろんあります。
しかし、そんなことを言い出したらトレブランシュの走破タイムはアスター賞1着のドンデンガエシより速いワケで。
タイムは強さを示す参考値にはなりますが絶対指標であるとはとても言えませんので、過分に気にする必要はないでしょう。
今回のレースで、トレブランシュは外枠の不利を覆せるだけのスタートの良さ、ダッシュ力、外から来られても怯まない精神力などを示してくれました。
新馬戦で逃げることを嫌がった馬が多かったのかもしれませんが、外枠からああもあっさり先手を奪える先行力は今後も大いに武器となってくれるでしょう。
真の課題は、この後2走目以降にも今回示した力を安定的に発揮できるかどうという事。
馬体は小さいので使い減りの不安もありますし、オルフェの牝馬なので2走目以降どんどん気性がアレになっていく可能性もゼロではありません。
そのあたりさえクリアできれば、順番はすぐにも回ってくることでしょう。
レース後の調教師&騎手コメントでは、「右回りだと左に張るので左回りの方が良さそう」「真面目で一生懸命過ぎるので、距離はもう少し短い方が良さそう」ということで、次走は東京1週目の芝1400戦(10月8日)を目指すという方針が早速示されています。
オルフェで短縮の1400……
オルフェ産駒の傾向的には中山1600から東京1400へのコース替わりは悪手だとは思いますが、母方の血もありますし。
……母方もあんまり東京向きという感じじゃないような気もするな?
ま、まあ、血統よりも
実際の馬を見ての判断の方が
実情に即しているハズ!
中山も東京も腐るほど騎乗している津村騎手が東京1400向きというんですから、そうなんでしょう。
この時期の未勝利戦では、1戦目を惜敗した評判馬はマイル以上の距離を狙う傾向にありますから、1400戦なら相手関係的にもそこまできつくならない可能性は高いです。
まず1勝!
トレブランシュの今回のレースを見ると、次走ですぐに勝ち上がることを期待したくなってしまいますが、決して高望みではないはずです。
しかしまずは、無事に次走を迎えられることを願って。
それでは今回はここまで。
お読みいただき、おおきにありがとさんです。
(記事中の写真・公式情報はYGGオーナーズクラブ様公式HPより許可を頂き掲載しております。)