一口馬主 広尾サラブレッド俱楽部

アンジアン、光遠く……(広尾TC出資馬出走報)

アンジアン、光遠く……

こんにちは、まちかね太です。

5月21日の新潟5レース・3歳未勝利(牝)(芝1800)に、広尾サラブレッド俱楽部での出資馬アンジアンが出走しました。

デビュー戦となった前走2月20日の新馬戦(阪神・ダ1400)。
調教でまったく動かないままに迎えたレースで、ある意味予定調和の惨敗を喫してしまったアンジアン。

それ以来の出走となる今回、芝替わり・距離延長と条件の変更に加え調教の動きも前回よりは遥かに良く、今度は持てる力を発揮することが出来そう。

逆に言えば、時期的にもこのレースである程度目途を立ててくれなければ今後の見通しは……。

ここはまさに試金石の一戦。

まちかね太
まちかね太

変わり身を見せてほしい!

以下、レースのレポートです。

出走馬プロフィール・アンジアン

アンジアン

(牝3・キングカメハメハ×サティアナ by Street Cry)
栗東・藤原英昭厩舎

ここまでの戦績:1戦0勝(0・0・0・0・0・1)

前走:2月20日・3歳新馬(阪神・ダ1400)12着(→レース記事はこちら) 中12週

レースまでの状況

2月20日の前走後、仕切り直しとリフレッシュを兼ねて22日に吉澤ステーブルWESTへ放牧。

3月前半までは馬体が増えず覇気もないという事で冴えない感じの近況更新が続いていましたが、3月終わりごろからは馬体重が増え体調・体質共に良化が窺えるという内容に変わってきました。

コンディションが上向く中、4月15日に栗東へ帰厩。

以降は主にCWコースで調教され、28日には併せ馬で6F85.7-69.2-53.4-38.0-11.8(8) を計時。
騎手騎乗だったとはいえ古馬を追走して併入し、ラスト11秒台を記録するというマトモな調教を披露

調教師コメントも「前回よりは馬がしっかりしてきており、ある程度は攻めることができますからね」と、デビュー戦前よりは良化していることを示唆。

デビュー戦前はBコース以外では全く時計を出せず、「この状態で出走しても結果は知れてるなあ」感がアリアリだった(そして実際その通りになってしまった)のですが、もしかすると今回は一味違うかも、と思わせてくれるには充分。

その後、5月21日の新潟5レース・牝馬限定芝1800未勝利戦を目標にすることが正式に決定し、そこに向けて順調に調整を積み重ねていきました。

レースでの騎乗が決まった角田大和ジョッキーを背にしての毎週CWコースで追い切りでは一杯に追って毎度水準レベルの時計を出し、調教師コメントも「少しずつ馬がしっかりとしてきていますので、前走よりも頑張ってくれるのではと期待しています(5月5日近況)」「順調かつ良い感触できていますよ。今度は芝になりますし、距離も延びますからね。スムーズな競馬で前走とは異なる走りをイメージできる状態にあるかと思います(5月12日近況)」「今回は前走時よりも動き、感触ともに良い状態できていますし、順調に調整が進んでいますからね。良いイメージを持ってレースを迎えられる分、どのような競馬ができるのか楽しみにしています(5月19日近況)」と、なかなか好感触な感じで、半分お通夜みたいな感触だった前走時とは大違い

まちかね太
まちかね太

……期待してもええんですか?

正直なところ、アンジアンについては勝ち上がれる確率は高くないだろうなと、私の心情的にもお通夜状態だったのですが、希望の光が見えてきたかもしれません。

まちかね太
まちかね太

奇跡が起こるかも!?

前走も最後は完全に止まっていたとはいえ4コーナーまではレースに参加出来てはいましたし、状態が良くなったのならもっと健闘できてもおかしくはない、ハズ。

レース時410キロそこそこのミニマムな馬体から、ダートよりは芝の方が合っている可能性は高い、ハズ。

馬格の問題に加えてプラスビタール遺伝子検査TT型のこの馬には、距離は少しでも長い方が良い、ハズ。

馬格面に不安のあるこの馬には、減量騎手の恩恵は大きい、ハズ。

総じて、レースの条件はデビュー戦より今回の方が大きく好転しているハズです。

そしてついに迎えた、アンジアンにとって天王山たるレースはフルゲート16頭が埋まりました。

過去3走すべて2番人気以内で、ここ2走3→4着としているシエル(父ロードカナロア)や前2走2→4着のナイルプロジェクト(父ジャスタウェイ)、初の芝レースとなるエピファネイア産駒プライムチャームなどが人気の中心になりそうですが、新聞の予想では他の馬たちにも印が散っており上位混戦といった感じのメンバー構成。

アンジアンは中穴くらいの評価を受けているようです。

枠順は大外8枠16番。
データ的には真ん中くらいがいいコースですが、向こう正面の直線が長いので大きな不利にはならないでしょう。
極端な内枠よりはマシと言えます。

デビュー2年目の角田大和ジョッキーはこのコースの経験も当然少ないですが、これまでに4戦して1勝3着1回。
参考記録以外の何物でもありませんが、現状の字面だけ見れば大得意といってもいい好走率。

キングカメハメハ産駒は新潟コースがイマイチ得意ではないのが不安と言えば不安なものの、気にしすぎるほど最悪というわけでもないので、目をつぶりたい。

等々、データ的にも決して悪くはない条件です。

実績的には完全に胸を借りる立場ではありますが、未来を望むのなら抜けた相手のいないここで目途を立てたい

もちろんいきなり勝ち負けなどというのは高望みが過ぎるでしょうが、最低でも8着以内、出来れば掲示板を確保したいところ。

まちかね太
まちかね太

先行きに光が見えますように。

レース内容

レース当日の新潟競馬場の天候は曇り、5レース時点の芝は良馬場。
良馬場とはいえ直線内側はかなり荒れてきているようで、大外枠のアンジアンには相対的に有利な状況かもしれません。

馬体重は前走比プラス12キロの426キロ。
これでもまだまだ小さいですが、増えてくれたのは良かった。
ただ、パドックでは心もち体形が丸く見えるような気も……。

まちかね太
まちかね太

気のせいかな?

アンジアンの人気は当初10倍前後を彷徨っていましたが、発走直前に大きく人気を落としたようで最終的には18.0倍の7番人気。

まちかね太
まちかね太

むしろそれくらいが妥当なところでしょうね。

1番人気は3.5倍でシエルでしたが、プライムチャーム、ノアチェリー、タイセイエール、ナイルプロジェクト、メロウヴォイスと、アンジアンより上位人気だった6頭が全て10倍以下と、単勝人気はかなり割れていました。

パドックでは少しチャカつく素振りもあったアンジアンでしたが、一番最後となったゲート入りはスムーズ。

そしてアンジアンがゲートに収まってすぐにゲートオープン!

まちかね太
まちかね太

おっ!

アンジアン、体一つ前に飛び出す好スタート!

鞍上はそのまま馬なりで、先手を主張するフロックスや掛かり気味に前へ行くプライムチャームを前にやり、好位集団の外目5~6番手の位置を取ります。

3角、3~4角中間点とそのまま好位の外の位置を楽にキープしたまま不利もなくレースは進み、迎えた4コーナーからの長い直線。

残り600m標識、馬場の中ほどに持ち出され、満を持して追い出しにかかられたアンジアンは……!

まちかね太
まちかね太

伸び……ないかぁ……

直線に入ってすぐ、やや内側にヨレそうになりながらも一瞬伸びそうな気配もあったのですが、本当に一瞬で終わってしまい、外回り・内回りの合流地点あたりから後は周囲の馬たちと比して完全に劣る脚色に。

ここでアンジアンはさらに内側にヨレ、前の馬には追いつけず、後ろの馬には抜かれ、どんどん順位を下げてしまいます。

まちかね太
まちかね太

……。

馬場の内から外まで大きく広がっての混戦となった優勝争いは、中団後方から大外を追い上げたメロウヴォイス、ナイルプロジェクト、タイセイエールがワンツースリーとして決着。

アンジアンは14着完敗に終わりました……。

結果

3歳未勝利(牝)(新潟・芝1800・良)
 角田和(52)馬体重426

 14着(16頭・7人気)

所感

まちかね太
まちかね太

♪夢はつ~まり~
想い出のあとさき~

残念ながら、アンジアンに見た夢は終わりを告げたことを認めねばなりません

今回は前回と違い、状態面もある程度整った中での完敗。

ライバルのレベルもそこそこで、自身のレースぶりに大きな不利もなく、それでいて4コーナー過ぎでレースが終わってしまった。

まちかね太
まちかね太

言い訳は出来ないかな。

調教師のレース後コメントでは「以前と比べて馬が良くなっていることは確かですが、結果的に今度は距離が持ちませんでした。もう少し短いところを走れるような調教に切り替え、改めてチャレンジさせてもらえればと思います」とありますので、まだギブアップされたわけではないようです。

しかし、デビュー戦後のコメントは「短めの距離という感じではなかったでしょうか(岩田望騎手)」「本馬には少し忙しかったのかもしれません(藤原師)」というものであり、ダ1400では距離が足りないという認識の統一見解が出ていましたので、ほんの数か月で距離適性に変わりがあったとも思えません。

私としては、アンジアン本来の距離適性は中距離以上であるという見方がやはり本質に近いと思っています。

つまり、1800の距離が保たなかったというのは、距離適性うんぬん以前に根本的に1800を競走スピードで走り切れる体力がないということでしょう。

さりとて今から短距離向けの調教にシフトしたとて、残り3ヵ月でどうにかなるものなのか。
いくら一流調教師の手腕であろうと、正直厳しいと思います。

と、理性の面ではそう思いはしますが、関係者が諦めないというなら出資者としては最後まで付き合うだけです。

デビュー戦から4戦を12→7→10→9着に敗れながら重賞ウイナーに登り詰めた広尾の大先輩クレッシェンドラヴのようなことが絶対にないとは言い切れません。

長い競馬の歴史上、理由不明の大変身を遂げた例も多くありますからね。

潰えた夢をもう一度。

……確率は低いとは思いますが、それでも。

まちかね太
まちかね太

最後まで奇跡を待つ!

まちかね太
まちかね太

それでは今回はここまで。お読みいただき、おおきにありがとさんです。

(記事中の写真・公式情報は広尾サラブレッド俱楽部様公式HPより許可を頂き掲載しております。)

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